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子供たちのWebサイトコンテスト「ThinkQuest Jr.」 (98/05/25)

 小学校4~6年生を対象にしたWebサイトコンテスト「ThinkQuest Jr.」の本年度受賞者が発表された。このコンテストは、コンピュータを使った教育開発を支援するAdvanced Network & Services社が行なう「ThinkQuest」プロジェクトの一貫。「ThinkQuest」では、子供たちが様々な学習テーマで作成したWebサイトの登録窓口となり、サイトの作り方の情報や、子供たちのアドバイザーとなる教育者や保護者への指導資料などを提供している。

 今年の優勝サイトは「J.J.'s Adventure」。9歳のMonaちゃん、12歳のLeahちゃん、10歳のAmeliaちゃんの3人が初めて制作したWebサイトで、鯨の赤ちゃんの救出から解放までの物語が綴られている。去年の1月、カリフォルニアの海岸にうちあげられたグレイ・ホエールの赤ん坊「J.J.」。SeaWorldの研究員たちによって救出され、水槽で健康を取り戻してからはSeaWorldの人気者となった。今年の3月に生まれ故郷の大海へ放たれるまでの14ヵ月の物語を、3人の子供たちが自分たちの文章でまとめあげている。豊富な写真や用語の解説など、大人でも十分読み応えのある構成だ。

 大人顔負けの調査もさることながら、この3人の子供たちがそれぞれ遠く離れたところに住んでいるというのにもびっくり。Minaちゃんはボストン、LeahちゃんはカリフォルニアのEscondido、そしてAmeliaちゃんはカリフォルニアのLa Quintaだ。電子メールを使って頻繁に連絡をとりながら、このサイトを作り上げたのだという。技術面では両親や教師も多少手助けしたようだが、自分たちで研究・発表したという体験は、この3人にとって素晴しい思い出になることだろう。もしかすると、この中から将来有名な海洋動物学者が生まれるかもしれない。ちなみに、賞金として3人にはそれぞれ5,000ドル、アドバイザーには1万ドル、3人の学校には5,000ドルとコンピュータが贈られた。

 この他にも受賞サイトの中にも、優秀なサイトがいっぱい。ダウン症の学友Elijah君とともにその病気の研究発表をしたチーム、古代エジプトの徹底研究で専門用語のクロスワードパズルまで作ってしまったチーム、給食や子供たちの大好きなファーストフードの栄養価の研究をしたチームなど、それぞれ子供らしい趣向が凝らされている。本年度のコンテストには総勢2万人、300サイトの応募があり、受賞した28のチームには総額50万ドルの賞金が贈られた。

 「ThinkQuest Jr.」では、応募された300サイトのすべてを閲覧することができ、「Explore」というコーナーには、過去のコンテストに登録されたサイトもアーカイブされている。子供たちが共有のライブラリーとして使用する「ThinkQuest」へのヒット数は、1日100万を超えるという。現在AOL、Microsoft、Adobeなどが後援しているが、スポンサーは常時募集しているそうだ。ぜひとも応援したい活動だ。

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