サオリ姉さんのSurfin'USA

MACWORLD Expo/New Yorkの「AppleMasters」 （98/07/13）

　今月7日から10日にかけてニューヨークで開催された「MACWORLD Expo/New York」。PC Watchでも紹介されているように、今回は新製品「iMac」をフィーチャーした活気溢れるエキスポだったようだが、文系の私はまたしても「それを使う人たち」が気になってしまった。3月の「MACWORLD Expo/San Francisco」で、AppleMasterたちを目のあたりにした時の感動を思い出しながら、今回の登場者たちをWebでチェックしてみた。

　MACWORLDでのAppleMasters紹介は、基調講演の枠ではあるが、どちらかというとエンターテインメントに近いコーナー。San FranciscoではGregory HinesのタップダンスやMuhammad Aliの登場が印象的だったが、オフィシャルサイトのスケジュールにある通り、今回も各界の新Masterたちが顔を見せている。

　エンタティナーとして会場を爆笑の渦に巻き込んだのが、黒人コメディアンのSinbad。黒人歌手のデビュー登竜門として有名なコンテスト番組「It's Show Time at The Appllo!」の司会を経て、現在はQuincy Jonesがプロデュースする音楽トークショー「Vibe TV」のホストを勤めている。人の良い性格とファミリー指向のジョークで、黒人層だけでなく全国的な人気者だ。先に「Vibe TV」でThe Artist（元プリンス）を迎えた際も「ライブ予定はインターネットでチェックしてるよ」などと言っていたところを見ると、現在ネットにハマっているところなのだろう。

　そして、コンピュータと音楽の融合をデモンストレーションしたのが、Dr. Fiorella Terenzi。ミラノ大学の物理学博士号を持つTerenzi嬢は、天体物理学者でありミュージシャンという変わり種。オペラと作曲を習得しながら、数学と物理を教授し、現在はカリフォルニア大学サンディエゴ校のComputer Audio Research Labで研究中。宇宙からのラジオ波を音に変換する技術を開発した才女で、音楽CD「Music from the Galaxies」、CD-ROM「Invisible Universe」なども発表している。Terenzi嬢はエキスポフロアでも2日間デモを披露したようだ。

　ほかにも黒人女性として初めて'92年にスペースシャトルEndeavor号で宇宙飛行を達成した科学者Mae Jemison嬢、インタラクティブ劇「Next Exit」などの作品で有名なデジタル童話作家Dana Atchley、San Francisco Expoに引き続きGregory HinesやDouglas Adamsらも再登場。どうやらGregory Hinesのタップは、すでにMACWORLDにはなくてはならない風物詩になってしまったようだ。

　玩具のようでいて強力なiMacも魅力的だが、マシンに使われない強力な個性を持つ彼らのような人達は、やっぱりそれとは比べものにならないくらい素敵だ。