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ウォッチャー金丸のNEWS Watch

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1998年2月2日


HEADLINE 3 articles

NTTは97年度アクセスチャージを認可申請
xDSLモデム「ホットワイヤーMVL」の発売
欧州での次世代携帯電話システム規格の決定
余談4題:VRML短編ドラマ「地球伝説Cyberian」/TBSの大学入試センター試験速報/小額決済実験/ウェブ視聴率No.1は


(本日は新聞休刊日のため、土曜(1月31日)と日曜(2月1日)の新聞各紙のNEWS Watchとなっております)

NTT97年度アクセスチャージを認可申請
 1月31日の日経新聞9面と日刊工業新聞5面、及び2月1日の日経産業新聞5面には、NTT30日、郵政相に97年度事業者向け相互接続料金(アクセスチャージ)を認可申請したという記事が掲載されている。3分間の接続料金としては、市内交換機で前年度比2.5%安い3.55円、中継交換機で同じく10.8%安い8.21円などとなっており、郵政大臣の認可を得た後に97年4月にさかのぼって適用するとしている。アクセスチャージはこれまで個別の通信業者との協議で決定していたが、今年からは郵政相への認可申請する形に変わっており、この料金低下を行っても通話量の増加からNTTの収益はアップするという。

 通信事業の価格競争が激しくなる中、NTTもその流れに沿った方策をとったようだ。しかし僅かな下げ幅に留まったのは、5分10円の市内通話割引サービス「タイムプラス」が再審議される事になったことと関連性がありそうだ。次の対抗策としてアクセスチャージをあまり下げなかったように感じられる。


○xDSLモデム「ホットワイヤーMVL」の発売
 2月1日の日経産業新聞2面には、通信機器メーカーのパラダイン・ジャパンが4月、既存の電話線で高速データ通信を可能にするxDSLモデム「ホットワイヤーMVL」を発売するという記事が掲載された。今年秋をメドに米国での販売価格299ドル(1回線当たり)に近い価格を実現する考えで、最高速度768kbpsを実現させ、近接するISDN回線への影響も抑えたとしている。

 米国ではいち早く通信事業者のUS WEST社が採用を決めた話が報じられており、その実績が素早く日本市場にも反映されることを望みたい。


○欧州での次世代携帯電話システム規格の決定
 1月31日の日刊工業新聞5面と日経新聞9面には、欧州電気通信標準化機構(ETSI)は次世代携帯電話システム「IMT-2000/FPLMTS」の欧州統一規格に、日本のNTT DoCoMoが開発したW-CDMA(広帯域符号分割多元接続)方式を採用することを決めたという記事が掲載された。
 ETSIの最新リリースでは、1月28日の方式決定投票の結果、DoCoMoやスウェーデンのエリクソンやフィンランドのノキア等が推すW-CDMA方式が61.1%、独シーメンスや仏アルカテル等が推すTD-CDMA方式が38.7%の支持を得たこと受けて、両方式に各支持率に見合った周波数割当を行うとしている。

 これを受けた形で31日の日経新聞9面と2月1日の日経産業新聞5面には、NTT DoCoMoの大星社長が30日の記者会見で、「今後は北米方式(cdmaOne)との調整に本腰を入れる」と話したという記事が掲載された。
 30日付の同社のリリースでも、アジアやオセアニアの多くの通信事業者はすでにW-CDMA支持を表明しており、今回のETSIでの決定で、今後世界標準の実現により一層の貢献を行うともしている。

 上記の報道では、NTT DoCoMo方式で全世界が統一されるように見受けられる。しかし、日本でもDDI日本テレコム等が推している米cdmaOne方式が4月から関西にてサービスを開始する予定もあり、日本国内で2方式、世界において3方式が並立する可能性がある。
 今後は、今年半ばでITU(国際電気通信連合)に対して提出する、3つの通信方式の仕様をどこまで擦り合わせ出来るかに、焦点が移って行くだろう。




余談その1:VRML短編ドラマ「地球伝説Cyberian
  2月1日の日経産業新聞3面には、松下電産が2日からインターネット接続サービス「Hi-HO」で、VRMLを用いた短編ドラマ「地球伝説Cyberian(サイバリアン)」を無料提供するという記事が掲載された。ネットワーク上の仮想空間内でキャラクターを人間のようにリアルに動かしたり、待ち時間なしにVRMLデータをPCに取り込めるらしい。またPCでこのドラマを見るには、「Cosma Player(コスモ・プレーヤー)」ソフトをダウンロードする必要があるようだ。

 VRMLがドラマとして成り立つには、その動きの滑らかさが重要なので、ストリーミング・ビデオなど通信状態に左右される方式より、PCに取り込んで動かす方式をとる必要があるだろう。

余談その2:TBSの大学入試センター試験速報
 2月1日の日経産業新聞3面には、TBSが1月17日と18日に行われた「大学入試センター試験」の全問題の正解速報をインターネット上で試験終了後1時間半後に行ったところ、約64万5千件のアクセスがあったという記事が掲載された。従来文部省は受験生の動揺を抑えるため、正解などの公表を翌日まで差し控えるよう報道機関に要請していたが、TBSは迅速な情報提供は報道機関の責務であることとインターネットは選択的に情報を利用できるメディアだとして、実施したとしている。

 速報性と任意選択性というネットの特性を(敢えて)活かしてはいるが、はたして文部省の要請を蹴ってまで速報する道具に使うべきかどうかは、是非がありそうだ。

余談その3:小額決済実験
 1月31日の日刊工業新聞5面2月1日の日経産業新聞2面には、日本DEC0.1円から500円程度の小額商品をインターネット上で取引するための小額電子取引システム「MilliCent(ミリセント)」の公開実験を開始したという記事が掲載された。実験参加者は米DECから小額取引用の電子クーポンの無償提供を受け、Web上にある小額電子商品を購入できるとしている。日本企業もアスキーなどが参加を表明しているようだ。

 1円以下の小額決済が行なえるのはめずらしい。商品掲載サイト側にとっても利用の幅が出てきそうだ。

余談その4:ウェブ視聴率No.1は
 2月1日の日経産業新聞2面には、ウェブサイトの「視聴率」を調査する米メディア・メトリックス(Media Metrix)'97年10月28日号のNEWS Watchを参照)が、'97年の年間ランキングを発表したという記事が掲載された。家庭での視聴率トップはAOL(46.4%)で、以下2位がヤフー(同38.1%)、3位ネットスケープ(30.9%)、4位にMS(21.7%)と続き、そして5位には仮想コミュニティーのジオシティーズ(21.3%)が入ったようだ。

 しかし、会員が1千万人を越えるAOLは、サイト経由でネット接続を行うので、はたしてそのサイトそのものを視聴していると言えるものなのか少々疑問だ。


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