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ウォッチャー金丸のNEWS Watch

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1998年3月31日


HEADLINE 3 articles

光制御素材の実用化にメド
「MONET(モネ)」サービス正式スタート
「InterVia ECONOMY」サービス開始
余談3題:J-WAVE DX@MSN/ATM利用の超高速インターネットサービス/発泡酒認知度アップのゲーム


 

[光制御][新素材](レベルA'
光制御素材の実用化にメド

 日経産業新聞1面トップには、光関連のHOYAが光コンピューターなど、現在の電子の代わりに光子を利用する光情報・通信機器に不可欠な光制御素材の実用化にメドをつけたという記事が掲載されている。MPUやメモリーに使用している半導体の代替となるもので、既存のシリコン半導体の処理速度の限界が1~10Gbit/sと言われているのに対して、この新素材は1T(テラ)bit/sと百~千倍の速度での情報処理が可能となると書かれている。開発した素材は、酸化チタンに直径数十nm(ナノ・メートル)の金粒子を分散蒸着させた複合材料で、レーザー光照射と真空蒸着法を組み合わせた手法で作られる。年内のサンプル出荷を目指しているという。

 大型汎用コンピュータからPCや情報携帯端末に至るまで、シリコン素材を使っている半導体製品の情報処理スピードを、根本的にアップ出来る技術として、大きな期待が寄せられるのは当然のことだろう。ネットワークなどの通信用途に関しても、現在光ファイバーへ電気データ信号を送るために、「光電変換」を行っているのだが、その変換ロスやデータ遅延などを発生させずにダイレクトに光ファイバー網に接続可能となることも考えられ、一気にネットワークの高速化が図られる可能性もこの技術は秘めていると言えるだろう。
(またPCなども、この光素材素子を使ったスケルトン・タイプを作れば、データ処理動作毎にまばゆいばかりに光り輝くSFチックな製品となる期待も出来そうなのだが...)




○「MONET(モネ)」サービス正式スタート
 日経新聞13面&日経産業新聞11面と日刊工業新聞17面には、トヨタ自動車が30日、デジタル携帯電話を利用して走行中の車に交通や生活に関する情報を24時間リアルタイム提供する「MONET(モネ)」サービスを、4月1日から正式に始めると発表したという記事が掲載されている。これまで、子会社のトヨタメディアステーションを通じて11月1日から試行サービスを行っていたが、東京や大坂、愛知の一般道路向けに限定されていた。4月からはそのサービスエリアを全国12都道府県の一般道と本州の高速道路や有料道路に拡大するとともに、道路状況をリアルタイム映像で見ることが出来る「ライブビュー」サービスも、これまでの4倍の40ケ所に拡大、また全国288都市の市街地図も提供するとのことだ。

 インターネット・メールにも接続できるTimelyサービスによって、自宅やオフィスなどと移動中の車間でメールの送受信も可能となるようだ。もう一歩ネット接続を進めて、ネットサーフィンなどが移動中の車でも可能となれば、インテルやMSなどが目指している「インテリジェント・カー」構想へと、このMONETサービスも発展できることだろう。


○「InterVia ECONOMY」サービス開始
 日刊工業新聞10面と日経新聞13面&日経産業新聞7面には、NTTデータ通信が4月1日、サービス対象地域を東京都心部に限定した低価格の中小企業向けインターネット接続サービス「InterVia(インタービア)エコノミー」を開始するという記事が掲載された。新サービスは64kbpsの専用線型で月定額3万8千円という低価格だが、東京・大手町から30km圏内という地域的な制限のほか、ネットワーク・アドレスも6つまでに限られるという。

大手町周辺には、相当な数の需要があると見込んだため、この価格が設定できたのだろう。
 この地域限定の接続サービスのように、通信業者も回線の張り巡り具合や空き容量を考慮して、個別ユーザーのニーズに見合ったサービスの展開が、必要となってきているようだ。



余談その1:J-WAVE DX@MSN
 日経産業新聞3面には、FMジャパン(J-WAVE)が4月から、最新の音楽情報などを提供する新サービス「J-WAVE DX@MSN」をインターネット上に開設するという記事が掲載された。利用者が好みの音楽ジャンルなどを登録すると、新作CDやライブ情報などを無料で自動的にメール配信してくれるサービス「パーソナライズド・ミュージック・インフォメーション・デリバリー・サービス」を導入するという。FMラジオでも同名の番組を月~金曜の毎日、午後11時35分から20分間放送して、インターネット・ライブ中継などメディアミックスによる音楽情報サービスの拡充を図るようだ。

 登録制の情報提供サービスなどは、いろいろな分野で使われ始めている。そういったサービスの中でも今回のように音楽に関連する情報サービスを展開する様な場合では、楽曲のさわりの部分をメールに添付して送るなど、文字出の情報ばかりでなくもっと積極的な宣伝媒体となる可能性もあると言えるだろう。

余談その2:ATM利用の超高速インターネットサービス
 日経産業新聞2面では、地域系新電電9社と大手商社などの共同出資会社でインターネット関連サービスを展開するメディアエクスチェンジ(MEX)が4月1日、ATM(非同期転送モード)技術を全面的に採用した超高速インターネットサービスを開始するという記事が掲載された。4月から東京―大阪間を155MbpsのATM専用線で結び基幹網を構築、年内をめどに名古屋や広島、高松、福岡にも基幹網を延長するという。これで、1~135Mbpsまで速度保証を受 けられ、顧客までのアクセス回線にもATM専用線を利用としている。また国内外とも企業向けのイントラネットサービスに重点を置き、国外へのネット接続ではKDDの国際インターネット回線共用サービス「インターネットKDD」に接続するまでの通信速度も保証するようだ。

 その高速バックボーンが相互接続などによって、一般のインターネット・ユーザーにも寄与されることも望みたい。

余談その3:発泡酒認知度アップのゲーム
 日経産業新聞3面には、サッポロビール発泡酒「サッポロ〈生〉ドラフティース ペシャル」の認知度アップを目指して、インターネットを使った懸賞キャンペーンに乗り出すという記事が掲載された。実施期間は4月1日から29日まで。、VRMLを使ったネット上での簡単な宝探しゲームをすると、サッポロの発泡酒などが当たるという内容。ネット上で出会ったほかの利用者とおしゃべりもできる3Dチャットも用意したらしい。宝の位置や内容は毎週変えるが、350ミリリットル缶のドラフティー・スペシャル1ケース分は毎週25人にプレゼントするほか、デジカメやルビーの原石などが抽選で当たるという。

 現在、発泡酒ではサントリーがダントツに強く、そこに最近キリンも参入してきており、業界内の競争が一段と激しくなっている。ビールから発泡酒へ、おもに価格による嗜好の変化が販売数を伸ばす大きな流れとなっており、VRMLゲームでその流れをどれくらい引き寄せられるか、興味あるところである。


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