1997年2月7日版
HEADLINE 4 articles
●KDDのJIH構想について [日刊工業8面][日経13面][日経産業28面]
●日立製作所は電子商取引技術の仮想実験場「ネットスペースコミュニティー」を開設する [日経産業3面]
○SI各社はネットワークコンピューターをシステム販売するための試験導入開始 [日経産業11面][日刊工業7面]
○アクセス制限ソフト「ソリトン・セキュリティゲート」発売 [日経産業7面]
◆Newsダイジェスト:全24項目
[JIH][KDD]
KDDの国内通信進出について、6日の定例記者会見で西本正社長自ら発表
日刊工業8面、日経13面、日経産業28面
URL: http://www.kdd.co.jp/press/97-017.html
要約:
・KDDは日本列島一周光海底ケーブル(JIH)に1300億円投入する。
・JIHに東京通信ネットワーク(TTNet)他、電力系地域新電電(NCC)9社の通信網と接続するなどの協定を結んだ。
・JIHの全容量の20%をDDIに売却することで合意しているが、地域NCCへも売却するとの考えを示した。
など。
コメント:A
NTTの回線が、日本列島の背骨(脊髄)にあたるとすれば、KDDのJIHは、日本を取り巻く外郭神経とでもいえるでしょうか。JIH構想はNTTにとっては、海外からの通信自由化の波と同じ様な、一種の外圧と見ることもできます。KDDにとっては、日本内外との通信を支える基幹となる切り札ですから、なんとしても成功させたい構想でもあります。
ここに、KDDやNTTの内部の矛盾点をも吹き出させる、大競争時代の幕開けを告げる構想が始まったと言えるでしょう。
[EC]
日立製作所は3月中旬をメドに、電子商取引(EC)の技術を試行できる仮想実験場「ネットスペースコミュニティー」をインターネット上に開設し開放する
日経産業3面
要約:
ECシステムの導入を検討している企業向けで、電子決済から検索、画像技術までECに必要なインフラ技術を低額で提供。「netSpace」サーバー上にある仮想都市の一部を開放する。試行期間は1年で、月3~5万円の参加非必要。
コメント:A'
通産省もECプロジェクトを数多く施行しており、これもその一つとつながるかもしれませんが、もっと素早い実行と決断をしていただきたいと思います。現実社会でもそうですが、EC分野でも「ジャパン・パッシング」又は「ジャパン・ナッシング」が進んで行くのではと危惧されます。
[NC]
NTTデータ通信、CSK、野村総合研究所などシステムインテグレーター約40社は6日から、ネットワークコンピューター(NC)をシステム販売するための試験導入を始めた
日経産業11面、日刊工業7面
要約:
日本オラクルに200万円の参加費を支払い、NC本体とNC用OSの提供を受け、早ければ4月から企業の情報システム向けに販売を始める。
NCは、米IBMが昨年末から販売しているほか、日本でも今春発売に向け赤井電機やユニデン、船井電機の3社が製品化を進めている。
4月16、17日の「オラクルオープンワールド97」で各社の運用成果を公開する。
コメント:B
昨日の新聞ウォッチにも、ジャストシステムとロータスのNCへの取組みの記事を掲載しましたが、これらメーカー連合がどこまでサポート出来るかで、今後のNCの行く末が決まります。今春の盛り上りに期待したいと思います。
[ソフト]
ソリトンシステムズは、インターネット・サーバーへの接続を制限するソフト「ソリトン・セキュリティゲート」を発売した
日経産業7面
要約:
企業や研究所向けに販売する。あらかじめ登録してある利用者の「ユーザー名」を識別し、サーバーにある情報の閲覧、削除など7種類の利用を制限する。
社内から外部の特定サーバーに対する接続を制限することも可能。WindowsNT対応版で、価格は100人利用の基本セットが25万円、250~1万人程度に対応する追加ソフトも、1セット20万~75万円で販売する。
コメント:B
昨日の新聞ウォッチにも、マキエンタープライズのアクセス制限ソフトの事を書いたのですが、今後もこういったアクセス制御ソフトの話しが多くなりそうです。私も困ってしまうのですが、日本では、企業で導入するケースが増えそうな気がします。
◆Newsダイジェスト
日本経済新聞、日経産業新聞及び日刊工業新聞掲載記事を要約
[サービス]
□ソフト開発のエー・エス・ピーは、ホームページ上で提供する会員制インターネット技術情報サービス「ADSPスタンダード・メンバー」開始。年会費24,720円で、ActiveXやJavaの最新情報が参照できる。
(日経産業7面)
[プロバイダー]
□AT&TJensは6日、回線速度を6Mbpsまで拡大したと発表した。企業向けの接続サービス「AT&TワールドネットMIS」を拡充したもので、同時に長期割引サービスなど割安料金制度も導入した。
(日刊工業8面)
□日本テレコムは5月ごろをメドに、オープン・データ・ネットワーク(ODN)を活用した情報配信サービスの実験に入る。まず、カラオケ情報の配信サービスを検討している。
(日刊工業8面)
□インターネット・プロ(東京)は、企業向けの専用線接続サービス「クラブLL」を開始、64kbps回線で月3万8千円、128kbps回線で月7万6千円と、大手プロバイダーの半額程度。
(日経産業7面)
□メディアウォーズ(京都市)は3月中旬から、開設1年記念キャンペーンで有効期限2週間の無料IDを1万人に発行する。
(日経産業2面)
□四国インターネット(愛媛県新居浜市)は4月から、東京や大阪にアクセスポイントを設けるとともに、専用線サービスの料金を引き下げる。
(日経産業2面)
□富士通北海道システムエンジニアリング(札幌市)は、年間料金を個人向けと同額の2万円に設定した、小・中・高校向けのインターネット接続サービスを開始する。
(日経産業2面)
□東海インターネット(名古屋市)は、3アクセスポイント増設、17APすべてでISDN利用可能、年間固定料金制度導入などを行う。
(日経産業2面)
[パソコン/ワークステーション/サーバー]
□パソコンの店頭価格が、大手量販店の在庫処分のため大幅下落し、東京・秋葉原などでは初心者向け入門機が17万円を切っている。
(日経産業23面)
[ハードウェア]
□KTテクノロジーは、DRAM単体やモジュールの特性や不良率などをチェックできる、パソコン・メモリー用の低価格テスターを開発した。メモリーモジュールメーカーやパソコン販売店向け。
(日経産業7面)
□NECは6日、4GbitDRAMを世界で初めて開発したと発表。2000年をサンプル出荷開始のメドに。
(日経1面、日経産業28面、日刊工業1面)
□NTTは6日、消費電力を低く抑えながら送信情報量を40Gbpsと、従来の約4倍に高めたATM交換機用のLSIを開発したと発表した。
(日経産業5面、日刊工業9面)
□三菱電機は、同時に2つの命令を実行出来るマルチメディア処理専用の新型LSI(メディアプロセッサー)を開発した。
(日経産業5面、日刊工業6面)
□富士通研究所と富士通は、面積を21%小さくした3D-CG作画用LSIに使う乗算器を開発した。
(日経産業5面、日刊工業6面)
□沖電気工業は、欠陥チェック機能を持った1GbitDRAMを開発した。
(日経産業5面、日刊工業9面)
□富士通は6日、高速・低消費電力の256MbitシンクロナスDRAMを開発したと発表した。独自の「デジタル方式DLL回路」技術を使い、消費電力を従来のアナログ方式の11/10に抑え、MPUへの1秒当たりのデータ転送容量を2倍に引き上げた。98年初めにサンプル出荷する。
(日経産業13面、日刊工業9面)
□東北大の亀山教授と羽生助教授らは、任意の論理値を選択して多値論理演算を高並列に行う多値連想メモリーを開発した。
(日刊工業6面)
[ソフトウェア]
□日本IBMは3月19日、イントラネット構築に必要なソフトウェアをセットにした「IBM
IntranetServerソフトウェア・パッケージ」を発売、システムの規模や形態に合わせて8種類から選べる。6月30日までの特別パッケージで、ソフトウェアを別々に購入する場合より最大35%割引で、39万7千円~354万7千円。
(日経産業3面、日刊工業8面)
□日本ルーセント・テクノロジーは6日、コンピューターと通信を融合したCTIソフト「インテュイティ・オーディックス4.0」など3種類を今月から発売すると発表した。
(日経産業11面、日刊工業7面)
□NECは、サーバー用ファイヤーウォールソフト「Microsoft
ProxyServer1.0」(24万5千円)発売した。WindowsNT対応でPC98とエクスプレス5800のシリーズに搭載可能。
(日刊工業8面)
□進和電機(愛知県日進市)は10日から、同社の電気用CADのお試しソフト「インターネットUDビューワ」を公開。書込や修正は出来ないが、電気や機械、部品表などのCAD図面が無償で見られる。
■URL: http://www.sinwa.co.jp/
(日刊工業12面)
[その他]
□東京日産自動車販売は、インターネットだけで注文を受け付ける特別仕様車「マルチキャノピー」を発売した。
■URL: http://www.nissan.co.jp/DEALER/TOKYO-NISSAN/
(日経17面)
□慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の若手研究者と民間企業の有志は昨年末に、バイヤーとセラーの橋渡しの場となるホームページ「GPON(グローバル・プロキュアメント・オープン・マーケット)」を開設、産学協同でインターネットを部品や資材類の国際調達や販売に役立てようとの試み。
■URL: http://dakar.vsr.mag.keio.ac.jp/
(日刊工業7面)
□ミズノは、長野五輪の「カウントダウンTシャツ」のオークションを、同社のホームページで実施する。
(日経産業18面)
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