1997年2月17日版
HEADLINE 5 articles
●WTOの基本電気通信交渉の集結後の動き [日経3面、日刊工業2面]
●富士通は通信衛星を利用したデータ通信サービスに参入 [日刊工業1面]
○カノープスの画像処理ボード「トータル3D」の国内生産移行 [日経15面]
○三菱電機の世界最小FDDを発売 [日経11面]
○ISDN電話「ALION」 [日刊工業、日経産業9面]
◆Newsダイジェスト:全31項目
[政策][WTO]
WTOの基本電気通信交渉の集結後の各国の動きについて
日経3面、日刊工業2面
要約:
・米政府は日本に対して、市場開放策を押し進め、特にNTTやKDDの外資比率20%規制の緩和へ圧力をかける。
・2国間協議で、積み残した問題を解決していく。
コメント:A
この問題は、単にNTTやKDDなどのメガ・キャリアだけの問題に留まらず、日本自体が対米進出の規制対象となりかねないだけに、インターネット・フォンなどのグローバルな新通信サービスを行おうとしている日本企業にもこの交渉の行方は、影響大といえるでしょう。
[衛星]
富士通は、通信衛星を利用したデータ通信サービス事業に参入する
日刊工業1面トップ
要約:
ディレクPCサービスを行う宇宙通信の通信衛星「スーパーバードA」を利用し、今夏から企業向けにサービス開始する。システム構築ばかりでなく、第二種電気事業者としてもサービスを行う。OCNなどの地上系のネットを使った場合よりも、大幅なコストダウンになるという。
コメント:A
InfoWebとの共同展開を考慮していただければ、企業向けばかりでなく、個人向けのインフラとしても活用できるようになるでしょう。その場合は、企業向けのデータレートの12Mbpsではなく、400kbps(下り方向のみ)あたりの伝送速度での実現が、まず考えられます。
[ハードウェア]
カノープスは今春から、米国生産の画像処理ボード「トータル3D」の国内生産も行う
日経15面
要約:
1ドル120円台の為替に合わせて、国内販売分を日本で生産する。トータル3Dは、米法人が初めて開発したもので、3Dゴーグル使用のパソコンゲームの立体画像用ボードで、3万6800円で先月から日本でも発売されている。
コメント:B
円安の影響が、こんな所にも出ています。輸入機器の方が安いという”定説”が崩れつつある証拠でもあります。
これで、3Dゴーグルを使用したナイキのTVコマーシャルに出演している、3Dキャラクターの「ヴァーチャル・アンドレ」も、日本製の「ヴァーチャル・修造」に変るでしょうか?(^_^;)
[ハードウェア][FD]
三菱電機は近く、世界最小のフロッピーディスク駆動装置を発売する
日経11面
要約:
大きさが3.5インチFDの約1/4の1.7インチで、容量が同じ1.44MBのFDを使用し、名刺大の大きさのICカードタイプのFDDで、パソコンのスロットに差し込んで使用できる。PDA用FDDなどでの普及を目指し、価格は1万5千円前後に設定する。
コメント:B
PDA用のメモリーカード型記憶媒体に対抗しうるものになるか、注目です。
[ハードウェア]
岩崎通信機は3月1日から、インターネット用通信機器と電話用機器を統合した国内で初めての、DSUやTAを内蔵したISDN電話「ALION」を発売する
日刊工業10面、日経産業9面
要約:
PHSも7台まで内線子機にでき、価格はPHS子機を含めて19万8千円。
コメント:B
14日にプレスリリースがあったものです。DSU、TAときて、インターネット・フォンという風にならないのは、NTTに対する深い配慮でしょうか。DSUやTAを内蔵していれば、ソフト搭載でいかようにもインターネット・フォンの製品展開が出来るでしょうから、充分そういったことも考慮されての発売とも考えられます。
◆Newsダイジェスト
[社会/組織/企業]
□通信事業者の97年度の投資額は移動体通信の投資一巡などが響いて、4兆3500億円前後と96年度見込み比で約2%の微増にとどまり、投資拡大ペースが大きく鈍化する。景気全体にも悪影響を与えるか。
(日経1面)
□文部省は来年度から、日本学術振興会を通じて総額110億円の研究資金を分配する「未来開拓学術研究推進事業」の公募研究への応募をインターネットを使って受け付ける。
(日経17面)
□凸版印刷は、日本内外の産学の研究機関とネットワークを活用した研究活動「トッパンサイバーラボラトリー」を始める。初めに、東大の国際・産学共同研究センターと英オックスフォード大材料学科と協力し、パッケージ向けなどの次世代薄膜材料研究を行う。
(日経産業1面トップ)
□BUGと野村総研、NTTドコモは14日、米通信会社GTEの子会社のGTEセキュア・ビジネス・ソリューションズと電子認証サービスの合弁会社「サイバートラスト」を4月にも設立することで合意したと発表した。
(日経産業3面)
□米アップルコンピュータでは、幹部の退社が相次ぎ、近く上級副社長3人が辞める他、スカウトした副社長も辞意を表明。
(日経9面)
□日本IBMは、98年4月入社の新卒採用を今春の2倍の800~900人に増やし、ネットワーク関連分野をはじめ成長分野への投資を積極化している。
(日経11面)
□三井物産は、印刷と電子の両媒体のコンテンツ企画立案会社「ディジット」(資本金2億円)を設立した。5月にも米家庭向けパソコン雑誌「ホームPC」の日本語版を発行する。
(日経13面)
□アスキーの西社長らは4月1日に、筑波学園研究都市に起業指向の研究者や学生向きのベンチャー塾「筑波塾」設立する。
(日経15面)
□ATMの互換性とネットワーク・ソリューション設定簡素化の為、米エフィシエント・ネットワークス、ゼネラル・データコム、ホワイトトリーの3社は、共同マーケティング協定を結んだ。
(日刊工業9面)
[サービス]
□ケイネットは4月から、中小企業向けのネットワーク構築サービス「K-NETビジネス・ネットワーク・サービス」を開始する。
(日経産業3面)
□日本IBMは3月1日から、パソコンの問い合わせ窓口「PCヘルプセンター」の土曜日受け付けも開始する。
(日経産業9面)
[プロバイダー]
□ハイパーネットは4月から、インターネット広告システム「ハイパーシステム」の広告掲載料金を、約50円/表示回数から利用者一人につき25円と半額以下に引き下げる。
(日経13面)
[パソコン]
□パッカードベルNECジャパンは、国内パソコン販売戦略を見直し、個人向けパソコンを大手量販店経由から卸業者経由にすることと、企業向けにシフトする。
(日刊工業10面)
[ハードウェア]
□ソニーは、動画情報の圧縮と伸長を一つでこなせる画像処理DSPチップを開発した。DVD装置などマルチメディア機器に応用でき、MPEG2にも対応。
(日経17面)
□東芝は、ビザなどが4月から神戸市などで始めるEC実験「スマート・コマース・ジャパン」に新型ICカード「CZ-3017」を投入する。公開かぎ暗号方式による個人データの暗号化処理をIC内部で行える。
(日経産業3面)
□NECは、130万画素(デジタルビデオカメラの3倍以上の画素数)を持つイメージセンサーを開発した。
(日経産業5面)
□アスコは今月下旬から、カラー銘木マウスパッド(9800円)の受注を開始する。
(日経産業9面)
□関西電機は、モデムやプリンターなどの周辺機器を複数のパソコンなどで利用できる「C
CRAB/PCRAB」を発売、イーサネット経由で操作し、Windows95/3.1/NT対応。Cタイプが69800円、Pタイプが89800円。
(日刊工業10面)
[ソフトウェア]
□インテルは、MMXペンティアム対応ソフトが年内に100本程度に増える見通しを発表。
(日経11面)
□パークウェーブは3月にも、インターネット連動のCDエクストラ規格ソフト「The
TAIKO」を国内発売する。ブラウザーソフトで再生し、和太鼓の情報や音が楽しめる。Mac版を先行し、年内にはWindows版も発売する。価格は3800円程度を予定。
(日経産業2面)
□マルチメディア・ラーニング・システムズは、富士通の今春のパソコンモデルの「デスクパワー」と「ビブロ」シリーズに、80時間まで無料利用できる英会話教材「イングリッシュエクスプレス」搭載する。
(日経15面)
□インターナショナル・メッセージング・アソシエーツ(IMA)は、ニースで開かれた「ロータスフェア・ヨーロッパ'97」にて、ノーツ用インターネット・イクスチェンジ・バージョン3.0とCC:メール用のインターネット・バージョン2.1を発表した。
(日刊工業9面)
□東芝は、ホームページ上でのマーケティング活動支援ソフト「ウェブマーケティング」(57万円)を発売した。
(日刊工業10面)
[その他]
□NECは、周波数利用効率が1Hz当たり1bpsを超える光通信超高密度多重化技術を開発、1.28テラHzの周波数帯域に1.28テラbpsの信号を載せ、100kmの伝送実験を成功させた。
(日刊工業1面)
□DDIポケット電話グループ9社も、32kbps高速データ通信サービスを4月1日から全国一斉に開始。PIAFSとαデータ32方式に対応
(日刊工業10面)
□小学館と新潮社は、ホームページ提供の雑誌情報に、広告を本格的に掲載する。小学館は「週刊ポスト」のページで、新潮社は4月からの自社ページにて行う。
■URL: http://www.weeklypost.com/
(日経産業3面)
□日経リサーチがネット上で実施した「インターネットユーザー意識調査」では、電子メールは9割以上が毎日確認し、ネット上の買い物も1万円までならOKが4割となった。
(日経産業2面)
□ジャストシステムは、映画製作シミュレーションゲーム「スティーブン・スピルバーグのディレクターズチェア」の発売を記念して、ユーザーが作った映画データ作品のコンテストをする。
■URL: http://www.justnet.or.jp/spielberg/index.htm
(日経産業3面)
□学生が書いたインターネット就職本(1200円)発売。
■URL: http://www.jobweb.co.jp/
(日経産業3面)
□英科学誌のニュー・サイエンティストは、インターネット学習の効果は通常の同程度かそれ以上と報告。
(日経産業6面)
□日本オラクル社長の佐野力氏は、マルチメディア指向の会社は「若者が「いいな、面白い」と思う会社じゃないと...」と語る。
(日刊工業5面)
|