ウォッチャー金丸のNEWS Watch

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1997年3月5日版


HEADLINE 6 articles

松下通信工業のデータ伝送用携帯電話内蔵PDAと、アステル東京の32kbps伝送関連
NTTの海外進出計画
世界知的所有権機関のドメインネーム登録ルールづくり
モトローラとボーカルテックの技術提携
NECと米HPの次世代UNIX共同開発
松下電産の「ハイパードキュメントシステム技術」


[PDA][携帯電話](レベルA)
松下通信工業の28.8kbpsデータ伝送できる携帯電話内蔵PDAと、アステル東京の「ASTEL32kbps」シリーズ端末の発売と複数回線サービス「複引(ふくびき)」

 日刊工業新聞1面トップには、松下通信工業の携帯電話内蔵PDA発売の記事が掲載された。また、それに呼応したわけではないだろうが、日刊工業新聞9面と、日経新聞13面&日経産業新聞9面には、アステル東京の32kbpsPHS発売とそれに関する複数回線割引サービスの記事が掲載されている。
 PHSのデータ通信用端末が出てくれば、当然考えられるのが携帯電話のデータ通信版であるわけで、現に東芝のプライベートショウ「TOMORROW21」PC Watch記事参照)でも、PHSと接続するコンセプトを持った「GENIO」PC Watch記事参照)の次の世代のデータ通信端末のモックアップが展示されており、その通信部分を携帯電話に変えればいいだけとも考えられる。(ただし、アンテナや送受信部の大きさなどはPHS版よりは大きく重くなるだろうが...)
 PHSサービス業者も負けじと32kbpsサービスを繰り出して来ているが、まず通信インフラの回線増強を行ってからではないと、現在の金曜や土曜の夜の回線混雑を増長することになりかねないだろう。


[NTT](レベルA')
NTTの来年度海外進出計画

 日経新聞13面&日経産業新聞2面では、NTTの具体的な海外でのサービス内容が掲載され、同じく日経新聞13面では、来年度のNTTの事業計画の中の海外投資額についての記事が掲載された。とりあえず、NTTの得意な公衆回線を使ったデータ・サービスを展開するようで、そのことも含めた予算が1千億円ということらしい。
 NTTの事業計画ページには、H9年度の計画書はまだでていないが、平成8年度の資金計画と同じ様式の中に、今後は「海外投資」の欄が増えることとなる。NTT法改正を受けたものではあるが、今年度が始まりの年としてそれなりの感慨も浮かんでくる。
 新聞報道などでは、その投資額の少なさを批判した論調になっているが、昨年度までは全くそういった予算の話しも無かったことを考えれば、ゼロからの(遅まきながらの)スタートととして、評価しても良いのではないだろうか。NTT分割の話しからすれば、逆に大きな(リスクある)投資が出来ない状況を作ってしまった日本の報道の論調や世相自体も、NTTの方針を批判する前に考えるべきこともあるのでは。


[登録商標](レベルA')
世界知的所有権機関(WIPO)はドメイン・ネームの登録ルールづくりに着手

 日経新聞5面に、WIPOがドメイン・ネームの登録ルール作りをする記事が掲載された。企業や製品名などの「登録商標」と、インターネットのドメイン・ネームが密接な関係にあることから、その関係を分りやすくかつ使いやすいものにするための討議が行われているようだ。
 昨年の10月から議題として上がり、先月の12~14日のスイス・ジュネーブ本部での会議において、国際特別委員会であるInternational AdHoc Commitee(IAHC)の新しいドメイン名の追加案(原文日本語訳)(INTERNET Watch記事参照)をベースとしたガイドラインなどを作成することと、5月の会議においても継続して討議していくことが決まっている。
 まぎらわしいドメイン・ネームの存在や、企業名などと同じドメイン・ネームを先に抑えておいて、後で高額な金額で譲渡するなどの行為などを防止できるよう、何らかの方針を出していただきたいものだ。


[インターネット電話](レベルB)
モトローラボーカルテックの技術提携

 日経産業新聞5面に、米モトローラとボーカルテックのインターネット・フォン技術での提携の記事が掲載された。
 現地3日付のプレスリリースで発表されており、ボーカルテックは「Internet Phone」(+videoのR4、Windows95/NT対応などダウンロード可能)では老舗だが、もう一つ強力なバックアップが無かったために、現在デファクトになるほどの普及は見られていないが、今回の通信機器メーカーとの提携で、通常の電話や携帯機器にもボーカルテックの技術が採用される可能性も出てきたともいえる。
 パソコンばかりでなく、通信機器もインターネット・フォンに対応し始めれば、インフラを提供している通信回線会社の対応がどうなるか、注目されるところだ。


[UNIX](レベルB)
NEC米HPの64bit対応UNIX共同開発

 日経産業新聞9面日刊工業新聞8面に、NECと米HPの次世代HP-UXを共同開発する(プレスリリース)の記事が掲載された。
 先月にも、NECと日本HPのUNIXサーバーに関する技術支援センター「エンタープライズ・ソリューション・インテグレーション・センター」(HP-NECESIC)の設置などでの協力体制が発表(NEC側日本HP側)されており、NECとHPのUNIXにおける接近度の高さを伺わせている。
 これに呼応して、次世代64bit-UNIXをリードしているサンタ・クルズ・オペレーション(SCO)(日本法人:日本SCO)の開発も、HPやノベル、インテルなどに加えてNECも入ったことにより、加速されることも考えられ、次期WindowsNTとの抗争にも激しさが増すことも考えられる。


[文書管理][OA](レベルB)
松下電産の「ハイパードキュメントシステム技術

 日経新聞13面と日刊工業新聞9面に、松下電器産業のAVC商品開発研究所の「ハイパードキュメントシステム技術」開発の記事が掲載された。でも分る通り、「ハイパードキュメントプロセッサ」と呼ばれる、コピーやFAX、プリンターにネットワーク機能とストレージ機能を複合化した多機能ディジタル複合機を中心として、2次元バーコードを使ったDDコード技術によって文書属性情報を圧縮し、2値多値画像変換技術によってスキャナー読取の文書を効率良く圧縮、蓄積できるようになる。また、リンクパッド技術Webコピー技術を使っているので、ネット上に構築されたサーバ・クライアントシステムとの整合性も高く、モバイル・オフィスやホーム・オフィスといったイントラネット構築にもデータベースなどに使う事が出来る。
 オフィスのペーパーレス化が叫ばれて久しく、MOなどに書類を取り込むシステムも数々あれど、どれも職場で活躍しているとは言い難い状況なのは、こういった別システム(特にインターネット/イントラネット)と直ぐにつなげる機能を持たないスタンド・アローン型ばかりなのが主な原因のように思われる。
 ドイツのハノーバーで3月13~19日に開催される「CeBIT'97国際事務・情報・通信技術見本市」にも出展予定らしいので、見てみる(どうやって?^_^;)のも一考だろうか。


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