1997年3月25日版
HEADLINE 4 articles
●USA GLOBAL Linkのインターネット電話サービス
●コーラスコンピュータのPHS/LAN-TA「PIAFSリンクステーション」
○富士銀行と日立製作所の電子決済実験
○社内ベンチャー「テレミディック」
[インターネット電話サービス](レベルA)
●米USA
GLOBAL Linkのインターネット電話サービス「Global
Internetwork」
日経新聞9面には、米電話会社のUSAグローバル・リンク社が一般電話によるインターネット・フォン・サービスを行なう記事が掲載されている。24日に出されたプレスリリースにも、そのシステムを「グローバル・インターネットワーク」と呼んで、国際電話を含めた長距離電話の料金が80~90%安くなることと60日以内に日本を含めた米英仏独豪韓国などでサービスを開始する予定、そしてこのグローバル・システムに対して5億ドルを投資する予定などを公表している。
この発表は同日、国際電気通信連合(ITU)の本部があるスイス・ジュネーブにて行われたわけだが、それだけにこの発表の効力と重みは大きい。これまでプロバイダー等が発表してきたインターネット電話サービスのような、APのある地域間だけの限定的なサービスなどとは異なり、全地球的な電話サービスを世界的な公の機関の場でアメリカの一通信事業者が発表したのだから、既存の電話会社へのインパクトも大きいものと想像できる。まさに大競争時代におけるAT&TやKDDなどのメガ・キャリアに対しての挑戦状であり、このサービスが上手くいくにしろ潰されるにしろ、アメリカのダイナミズムがここまで来ていることを認識すべきだろう。
(なお、資料請求コーナーでは、個人的にこのサービスに興味がある場合や、ISP(インターネット・サービス・プロバイダー)でこのサービスへの加盟希望がある場合などに対して、登録すると資料が得られるようになっているので、継続してこの情報を得る事が出来る)
[PHS-TA][LAN](レベルA')
●コーラスコンピュータのPHS-TA「PIAFSリンクステーション」
日経新聞17面には、コーラスコンピュータがPHS機能を持ったTA「PIAFSリンクステーション」を発売する記事が掲載された。(製品名が下記の既販売機種と同名なのが気になる新聞記事ではあるが...)
既に「Piafs
Link Station」が、コーラスコンピュータから69,800円にて発売されてはいるが、こちらはISDN接続するためのPHS通信機能を持ったTAであり、パソコン単体用もしくは無線LANにPHSのPiafs規格を使ってISDN接続するための機種である。今回発表された機器は、前記の機種にLAN(当然Ethernetか?)接続機能を持たせたものといえる。
新聞記事にある機能を信用すると、LAN接続したパソコンからPIAFS規格で他のモバイルPCと無線LAN出来るばかりでなく、来月から順次始まる、PHS3社による32kbpsPHSデータ通信にも応用が効きそうなのは簡単に想像がつく。32kbpsのダイアルアップ・デジタルLAN(無線LANも含む)接続が配線無しで実現できるとなれば、SOHOなどの中小のオフィス開設がより簡便になり、かつ自動車などの中にも設置したようなモバイル・オフィスという施設も開設が可能になってくる。こういったモバイル分野には直ぐにも大手通信機器メーカーが参入してくるであろうから、今回はその先手を打った、ニーズの掘り起こしのための機器ともいえる。
[EC][ショッピング・モール](レベルB)
○富士銀行と日立製作所の電子決済実験
日経産業新聞3面には、富士銀行と日立が共同で電子決済の実験を行なう記事が掲載された。現在のサービスは関係者のみのモニターが対象だが、銀行口座とも連動させるらしい。
既に、「netSpace」上に3月17日付けでオープンした「netSpaceCommunity」の中に、EC実証実験第一弾「Showwindow」が出来ており、そこでオンライン・ショッピングが出来るようになっている。このバーチャルモールの営業時間は9:00~19:00となっており、サイバーとライフ、ファッション、アミューズメントなどの4コーナーに分れてはいるが、現在は「FSI
ONLINESHOP」(富士ソフトABC)1店しか入っておらず、6種類のソフトが購入できるだけではある。
富士銀行は他にも「サイバーバンク」の実験の一環として、日本IBMの「Fiesta Shopping Mall」にて「PC
Direct」(日本IBM)店でのショッピング決済サービスを行なっているが、これもモニター対象にしかなっていない。平成9年中といわれる一般モニターへの開放が待たれるが、「SET」による決済形式とRSA暗号方式などによるセキュリティー・ガードなどの充分な実験の試行錯誤とともに、購買できる商品の品揃えを備えてからのサービス・インも大いに望まれるところだ。
[音楽ソフト][ベンチャー](レベルB)
○NECから生まれる「テレミディック」(INTERNET
Watch記事参照)
日経新聞13面&日経産業新聞3面には、NECがMIDI関連の社内ベンチャー会社「テレミディック」を設立する記事が掲載された。
ヤマハでもなくローランドでもなく、NECから生まれるということから、社内ベンチャーからという形を取ったものと思われる。特に音楽本家ともいえるヤマハは、MIDIのページを立ち上げての攻勢に出ており、ベンチャーが対抗するには厳しい状況にはあるといえる。しかし、日本でベンチャーを立ち上げるには、今回のような親会社からのバックアップが無ければ、なかなかに難しいことを考えれば、後に続く多くの日本のベンチャーの卵達の為にも、日本から発信できる面白いサービス開発のためにも、頑張ってくれることを期待したい。
通信欄:
・本日は当方への配達ミスの為に、日刊工業新聞のNEWS
Watchが出来ておりません。
・勝手ながら、3月26日(水)と27日(木)のNEWS
Watchは休刊とさせていただきます。m(__)m
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