1997年4月2日版
HEADLINE 4 articles
●コマースネットのGECB
●DVD-RAM規格、4月中に統一へ
○CATVイントラネット会社「サイバー・ネット・コミュニケーションズ」
○立体TV「アリオスコピー」
[EC](レベルA')
●コマースネットの「Global
Electronic Commerce Board」
日経産業新聞3面には、コマースネットが世界14ヶ国の提携団体と「Global
Electronic Commerce Board」設立の記事が掲載されている。GECBについては、今年2月のドイツでのGECB
meetingにて、詳細なコンセプトが打ち合わされたようだ。
日本においても、コマースネットジャパンがNTTなどの後押しで参加しており、「CommerceNet
Global Partners Summit1997」を今年の6月10日から12日まで東京で開催し、6月13日にはGECB
Meetingも引き続き行われる予定なので、アメリカとともに日本の今後のECでの役割も増大してくると予想される。
CommerceNet USの3月28日のプレスリリースにも、CommerceNet
USとコマースネットジャパンが、ECの一般的なプラットフォームである「eCo
System」の共同開発で提携した報告が上がっており、ECに関するより強固な協力関係が日米間で取られていきそうだ。
他にもこのサイトは、「TODAY'S
EC NEWS」コーナーに、今日一日のEC関連ニュースがまとめてあったり、EC関連のイベントやセミナーなどのカレンダーもあったりと、ECの動きに興味ある方には必見のWebではないだろうか。
[DVD-RAM](レベルA')
●DVD-RAM規格、4月中に統一へ
日経新聞1面と同じく13面には、DVD-RAMの規格が折衷案にて統一される記事が掲載されている。2.6GBの容量に落ち着きそうだ。
松下と東芝グループとソニー-フィリップス連合とのせめぎあいが続いていたが、日立の折衷案でまとまるようだ。(各社のリリースが無いのがイマイチ寂しいが...)
既にDVDコンソーシアムでは2月時点で統一規格がだされていたという情報もあるが、とにかく新たな記憶媒体戦争に参加する強力なプレーヤーが現れたことには違いはなく、今年度からのより激しいバトルが期待されそうだ。
[CATV][イントラネット](レベルB)
○CATVイントラネット会社「サイバー・ネット・コミュニケーションズ」
日経産業新聞9面には、三重県のCATV業者「CTY」とIIJなどが共同出資して、サイバー・ネット・コミュニケーションズ社を設立した記事が掲載された。
(株)CTYは4月1日より、10MbpsのCATVインターネットサービス(バックボーンのIIJとは、当初1.5Mbpsで接続する)を始めており、このサービスを生かすためのサービス会社を設立したと見ても良いだろう。
しかし、首都圏では東急ケーブルテレビジョンなどのCATVインターネットサービスの開始が4月あたりではとアナウンスされてはいたが、実際には始まる時期も未定という状態にあり、いくら伝送速度が早くても、ユーザー数とインフラ敷設の採算性が合わないという現実問題にぶつかったというのが本当の所ではないだろうか。
思うに、都心部のインターネット・ユーザーは比較的若い年齢層であり、マンションなどの共同住宅に住んでいるケースが多いので、CATV放送圏内であっても双方向通信が出来ない中継設備しか設置されておらず、既存のマンションでの普及を諦めざるを得ないのだろう。そうしてみると、CATV双方向中継器も交換設置しやすい一戸建ての持家率が比較的高い地方(四日市の方には失礼かもしれないが)の方が、CATVインターネットの普及が速いと思われる。
かようにインフラの整備というのは、一つ見誤ると後々のサービスアップの足枷になってしまうということなのだろう。
[立体TV][閑話](レベル?)
○立体TV「アリオスコピー」
日経産業新聞1面には、フランスの発明家が簡易型立体TV技術を開発した記事が掲載された。複数台のカメラで撮影する必要も、特殊眼鏡を付ける必要も無いらしい。
今時、企業や組織の製品ニュースばかりが目立つ産業系新聞において、一人の発明家の製品(試作技術?)が1面を飾ること自体が驚きだが、それだけにニーズの高い技術とも言える。Web上でもバーチャル・リアリティや3D技術が色々と試されてはいるが、こういった(一見異なるような分野である)TVサイドからの技術を取り入れて行けば、違う意味でのバーチャル体験が色々と楽しめそうだ。
日本では、ドクター中松によって、発明家が如何わしい色物的な扱いを受けてしまうようになってしまったが、一昔前までは尊敬する(子供がなりたいと思う)人物の中に必ず「エジソン」という名前が上がり、アメリカではまだまだ博物館などでも人気が高いのだが、日本での地位失墜は目に余るものがある。
インターネットの世界でも、ブレイクスルーを起こしてくれるのは、ソフトの”発明家”達であるから、もっと評価されても良い職業だと思うのだが...
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