ウォッチャー金丸のNEWS Watch
リンクがすでに消滅していることもありますが、予めご了承ください。
・NEWS Watchとは
・about 金丸さん
・NEWS Watchバックナンバー

1997年4月15日版


HEADLINE 3 articles

アップル買収に意欲を見せる米オラクル会長のエリソン氏
エフエム東京系列のFM波を使った電子メールサービス
次世代携帯電話(CDMA方式)のデータ伝送速度規格


[M&A][Apple](レベルA')
アップル買収に意欲を見せる米オラクル会長&CEOのエリソン氏

 日経新聞11面には、米オラクル会長&CEOのエリソン氏とのインタビューに関する記事が、また同じく11面には、エリソン氏と日経新聞記者との一問一答が掲載されている。次期Mac-OSをNCのOSに取り込む考えのようだ。NCのネットワーク性と機能性を上げようとする面からは納得が出来そうだが、ある面(Macユーザー)からは納得出来ない(Mac-OSを貶める?)考え方でもあるようにも感じられる。
 今まで色々な憶測を呼んでいるApple買収の話だが、ここまで公言して買収を進めるM&Aは非常に希なケースと言え、エリソン会長には何か別の思惑があるのではと勘ぐられても致し方無いだろう。表向きはWintel陣営に対抗しての、NCを強化する戦略というように解釈するのが一般的だろうが、トップの発言という影響力を考えた、株価操作の為だけの行為という可能性も捨て切れないだろう。それで誰が得をするかという解析は、経済アナリストに任せるとして、今後数週間にかけて、またAppleを巡る動きが激しくなりそうな雰囲気が満ちている。場合によっては今日の日経産業新聞9面に掲載されている、Macの次期OS「ラプソディー」におけるWindowsNTでも動くアプリケーションソフトの開発も、全て白紙になる可能性もあり、予断を許さないのでは無いだろうか。
 明日と明後日、オラクル・オープンワールド1997が東京ビックサイトにて開催(今日の日刊工業新聞の33~35面(34と35面は一面ブチ抜き)に広告あり)され、エリソン会長自らも数セッションに登場するようなので、直に今後のNCの方向性などもきけるだろう。もしかしたら、ポロッと本音が出るかもしれない。(まさかこの講演のための話題作りにこんな話をしたとは思わないが...)
 また、来週はエリソン会長と入れ替わりに、もう一つの買収先としていつも噂に上がるサンの社会長兼CEOのスコット・マクニーリ氏が来日して、講演会を4月22日に東京のホテルニューオータニにて開催するので、噂の真相を日経新聞に再度突いていただきたいと思う。

#この話題、実はエリソン会長もアップル・フリークだった、というオチがつくわけではないのだろうが...(^_^;)

(上記の記事で割を食った形になったのが、今日から日本でもサービスインをするAOLの話題のようだ。日経新聞13面や日刊工業新聞12面に掲載された記事や、日経産業新聞3面のスティーブ・ケースAOL会長のインタビュー、また日経新聞13面の「ネットワーク社会の未来」でのケースAOL会長講演記事(それに加えて、日経新聞34面には、一面ブチ抜きのAOL宣伝のカラー広告まであり)など、日本経済新聞社が出資しているAOLジャパンの開業を新聞記事とともに大々的に盛り上げようとしたところを、エリソン氏一人に話題を持っていかれた格好となってしまった。ケース会長も折角来日したのに、個人の思惑記事に話題をさらわれるとは、心外なのでは...)



[Eメール][FM放送](レベルA')
●エフエム東京のFM波を使った電子メールサービス


 日経産業新聞2面には、エフエム東京(TOKYOFM)がインターネット電子メールをFM電波に乗せて放送し、「見えるラジオ」などで読み取れるサービスの記事が掲載された。現在TVにも文字情報などを送る有料サービスを手掛けるパパラジーコムが運営し、TOKYOFMをはじめとしたJFN系全国34局ネットで放送するという。 現状では、専用(受信)端末としての「見えるラジオ」を使うということで、メールデータ送付がその専用端末を持った特定のグループにしか受信できないようになってはいるが、小規模から中規模程度の同報通信には使えそうだ。全国ネットでメールが読めるということになれば、電話回線などでいちいちアクセスしなくてもメール確認が出来ることからも、情報を全国各地で共有したい場合などの用途がある企業や組織にはうってつけともなろう。また、狭い地域での情報共有だと、ポケベルなど競合するサービスもあるが、通信コストなどが見合えば、使われる可能性も高くなる。
 こういった放送とインターネット通信の複合サービスが、先々週先週と話題(NEWSWatch記事参照)になっているDTV(デジタルテレビ)の普及を待たずとも、数多く出てくるのは時代の潮流を如実に表しているのだろう。

#ちなみにFM東京はインプレス社と提携して、「Internet MusicSurfin'」という番組を放送&ネットで流していたが、3月30日が最終回だったようで...残念!)



[モバイルコンピューティング][次世代携帯電話](レベルA')
●次世代携帯電話方式の符号分割多重接続(IS-95CDMA)方式のデータ伝送速度などの規格について

 日刊工業新聞13面には、CDMA方式を普及推進する任意団体のCDG(CDMA DevelopmentGroup)がデータレートなどの規格をまとめて、標準化する記事が掲載された。CDGの4月4日付けプレスリリースにも、NTTドコモの次世代CDMA携帯電話への取組み(4月4日付けのNEWSWatch記事参照)が紹介されており、日本と世界との開発のリンクが合い始めたことも分る。
 日本でも1998年からセルラーホン・グループが、1999年第一4半期からIDO(日本移動通信)DDI(第二電電)がCDMA携帯電話をサービス開始するというチャート(IDOのプレスリリースにも同様な表記あり)もあり、現在のPHSや携帯のような32kbpsや28.8kbpsの倍以上の伝送速度になると期待される。
 国際的な次世代の世界的移動体通信規格:International MobileTelecommunications-2000(IMT-2000))(ITU:国際通信連合にて検討中)の通信方式にも、このIS-95CDMA規格をCDGが推していくと思われるので、現在のように各国間で携帯電話の通信方式が異なるような事態は最低限、避けられそうだ。


INTERNET Watch


(C)1996 Impress Corporation. All Rights Reserved.

internet-watch-info@impress.co.jp