ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年4月16日版


HEADLINE 4 articles

米ホームゲート・コーポレーションのだれでもインターネット・ローミングサービス
郵政省のPHS加入可能台数を約2500万台に増やす3年計画
独テク・ソフト社のFAXライクな電子メールシステム「Tixi-Mail Box」
パチンコ店用インターネット端末
余談


[プロバイダー][ソフト][ローミングサービス](レベルA)
米ホームゲート・コーポレーションの、海外の出張先から市内通話料だけでだれでもインターネットに接続できるローミングサービス


 日刊工業新聞9面及び、日経産業新聞2面には、米ホームゲート・コーポレーションが、海外の出張先から市内通話料だけで、だれでもインターネットに接続できるローミングサービスを開始した記事が掲載されている。
 同社の4月10日の発表によると、世界160カ国で1,000アクセス・ポイント(AP)以上を使ってこのサービスを始めたようだ。同社と「i-PassAlliance」社との提携によって、150ヶ国以上のPoints-Of-Presence (POP) ユーザーがこのサービスの恩恵を受けられるとしている。
 「i-Pass Alliance」は、全世界で1000以上のAP提携があり、北米で582のPOP数、アジア-太平洋地域で126のPOP数など、各国のインターネット・プロバイダー(ISP)がパートナーとなっている。アメリカで有名なISPとしては、UUNETBBN、日本でも群馬インターネットなどがパートナーとなってAPを提供しているようで、他にも東京や大阪、名古屋などの大都市地域にAPがあり、アクセス番号も公開されている。クライアント(パソコン)側のソフトをダウンロード(Windows95版のVersion1.00)出来るので、今度海外に出張される時に試すことも出来よう。
4月11日のNEWSWatchで、NTTデータ通信と米MCI、英BTの3社の海外APを相互利用できるようにする「インターネットダイアルローミングサービス」について触れたが、大手通信業者が自前の通信インフラを活かした(力技の)提携による海外サービス展開を始めているとすれば、中小のプロバイダーもサービスの差別化を図るならば、こういったソフト技術に加えた大道団結が必要になってくるだろう。



[PHS](レベルA')
●郵政省http://www.mpt.go.jp/は3年計画でPHSの加入可能台数を約2500万台に増やす方針


 日経新聞1面トップには、郵政省が周波数不足が懸念されるPHSの加入可能台数を今年から3年で、現在の約4倍の2500万台に増やす方針である記事が掲載されている。家庭用のコードレス電話などの現在あまり使われていない周波数帯を割り当てるなど、今後の需要に備えるようだ。
 4月からPHSの32kbpsデータ転送サービスが始まり、大手プロバイダーを巻き込んだサービス合戦が始まっていることは、internet Watchの特集でも取り上げており、かなりのモバイル・ユーザーがPHS使用に走っていることからも、方向性としては喜ばしいことではある。しかし、現状のインフラの状況で使える周波数を増やしたとしても、今のお話中などでつながらないケースを増やすだけとなるので、PHS基地局を増やして加入台数の増加に対応することとなろう。そうすればその設備投資が各PHS通信会社の収益をまた圧迫し始めるので、果たして思惑通りに通信料金が下がっていくかどうかは疑問である。2000年では、32Kbps対応の機種ばかりが売れて、ますますPHSの使える周波数帯域を食いつぶすことも考えられ、この対策だけで充分かどうかは疑問が残るところではある。



[電子メール][セキュリティ](レベルB)
○独ベンチャー企業の
テク・ソフト(Tech SoftGmbH)のFAXライクな電子メールシステム「ティキスィ・メール・ボックス(Tixi-MailBox)」


 日経産業新聞2面には、ドイツのテク・ソフト社がFAXを使うような感じで電子メールを送受信できるシステム「ティキスィ・メール・ボックス(Tixi-MailBox)」(略称TMB)を開発した記事が掲載された。パソコンとモデムの間に小型の機器(価格:約600マルク、13万円弱)を設置するようで、世界での販売も開始する意向のようだ。
 システム仕様としては、DOS/V機上のWindows3.x/95/NT又はノベルのNetware上で動作し、通常の電子メールやFAXより通信速度が早く(FAXの20倍(ISDNなら200倍))、そのため通信費用も安く、かつメール到達を保証する(双方がこのシステムを持っている場合)というところを売りとしている。
 確かに現在は、インターネット電子メールは確実に相手に届く保証は無いので、未だに官庁や企業などでは重要情報の転送にはFAXが使われる場合が多い。インターネットやパソ通でもプロバイダーとの間でメールの有無を確認する作業が発生するので、一回一回の接続作業もダイアルアップ接続ユーザーにとっては手間かもしれない。このあたりを気にするユーザーには、良いシステムといえるだろう。
 しかし、ここまでインターネットが普及した中で、閉ざされた用途のために13万円もする機器をFAXに追加して購入するニーズが多いかどうかは、甚だ疑問が残る。セキュリティーを上げるなら暗号メールが、信頼性を上げるなら例えば、ISDNのTA部分での着信メール表示など、それなりの対処の仕方があるように思われるので、あくまでニッチなニーズに答える技術とも言えよう。



[休題][パチンコ][日本の娯楽文化?](レベル?)
●パチンコ店用インターネット端末


 日経新聞17面には、モデムなどの周辺機器製造メーカーとして知られ、パチンコ店向けシステムなども手掛けるサン電子とソフト開発のアクセスが共同で、パチンコ店用インターネット端末を開発した記事が掲載された。タッチパネル式の液晶モニター機で台の左側に一台ずつ組み込むようで、4月下旬にも愛知県瀬戸市のパチンコ店に納入されるらしい。インターネット上の情報はもちろん、パチンコ会員カードなどでの出玉情報も見られるなど、多目的には使えるようだ。
 キー入力など、画面上に表示すればURL入力してホームページもダイレクトに見られるようになるだろうが、そこまでのニーズは考え難いであろうから、ボタン式にメニューを選んで、Web情報などを見る仕様になりそうだ。
 パチンコもパソコンでのインターネットも、椅子に座りながら指を動かし(固定の場合もあり)て、平面な動作表示面を目で追っていく姿などはソックリで、通信料(球代)も真剣に(熱く)なればなるほどかさんでいくことも良くにているようだ(?)...(^_^;)



余談:
 今日の日経産業新聞の新サイバー企画1&2面掲載)特集記事「バイオネット」も、なかなかSFチックで面白い。「サイボーグ009」「仮面ライダー」など、石ノ森章太郎先生の漫画に心震わせた方などは面白く読めるかと。



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