ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年5月7日版


HEADLINE 3 articles

IIJとAIH、EUネットが業務提携することで合意
日本IBMのOA機器をパソコンで遠隔操作できる専用ソフト
JALのICカード実用化試験
余談2題:3D映像機器/「TechWire」日本語版


[相互接続][提携](レベルA)
IIJ及びAIHEUネットが業務提携することで合意、世界主要地域から市内電話料金でインターネットに接続できるサービスを展開する


 日経新聞11面には、IIJ(インターネットイニシアティブ)及びAIH(アジア・インターネット・ホールディング)とEUネット(EUnet InternationalB.V.、本社:オランダ・アムステルダム)が業務提携することで合意し、世界主要地域から市内電話料金でインターネットに接続できるサービスを展開する記事が掲載されている。5月7日付けのIIJのリリースによると、4月24日にAIHとEUnetがグローバル・アライアンスに関する覚書を締結し、7月を目途にAIHの汎アジア高速インターネット網「A-Bone」とEUnetが運用する汎ヨーロッパ高速インターネット網を相互接続することとなっている。
 AIHのアジア8ヶ国のバックボーンと、IIJの日本国内及びアメリカとの回線、そしてEUnetの北欧やロシアを含めた欧州全域とエジプトなどの北部アフリカまでの38ヶ国をカバーするバックボーンが相互接続されれば、回線速度は別として、ほぼ地球を半周以上に渡るワールド・ネットワークが完成することになる。一般のインターネット・ユーザーには、海外でのIP接続が出来るサービスより、例えば日本からヨーロッパへの接続速度が遅いことが改善されそうだということの方がメリットも大きいだろう。
 世界各国からインターネットにアクセス出来るサービスは、MSNのようなパソコン通信から発展してきたタイプや、ビジネス用などにイントラネットととしてアクセス出来るAT&TのWorldNetサービスのような、既存のメガキャリアが進出してきたタイプがあり、純然たるプロバイダーによるワールド・サービスは、昨年末くらいからこの様な相互乗入れによるサービスが始まったばかりで、今後の成り行きが注目される。プロバイダー自身が21世紀のインフラの中で生き残れるのか、メガキャリアに吸収されてしまうのか、これからも水面下での激しい動きが続きそうだ。



[OA-NETWORKING][ソフト](レベルA')
日本IBMはOA機器をパソコンで遠隔操作できる専用ソフトを開発


 同じく日経新聞11面には、日本IBMが複写機やFAXなど異なる仕様のOA機器をパソコンで遠隔操作できる専用ソフトを開発した記事が掲載された。このソフトを利用すれば、様々なメーカーの機種を一元操作出来て、オフィス作業の合理化や省力化が可能になるらしい。
 しかしこの分野は以前、マイクロソフトがWindowsをベースとしたOA機器接続規格統合を図って、OA機器メーカー連合から難色を示された経緯があるだけに、一筋縄ではいかない分野でもある。そういったことから、IBMが未開拓分野で巻き返しを計ろうとするのは当然であり、OA機器から入って家電にまでその接続仕様をスタンダードにしようとする意図も感じられる。
 しかし、4月7日のNEWSWatch記事にもあるように、富士通がWindowsNTサーバーを使用した、プリンタ・コピー・FAX・スキャナ機能のあるオールインワンOA複合機「WSP-400」を出したことなどからは、OA機器メーカーからのWindows(≒ほぼデファクト)への擦り寄りがある事も伺われる。一概にWindowsベースでの接続ソフトをOA機器メーカー側が捨てているわけではなく、あくまでメーカーも多くの機器との接続性を第一に考えていることの表れでもある。
 今後は、IBMのOA機器用ソフトにしろWindowsベースのOA機器用ソフトにしろ、いかにライト(ソフト容量が少ない)で、かつ各機種との接続規格のオープン性が広く保たれているかどうかでその優劣が決まりそうだ。



[サービス][ICカード](レベルB)
JALは10月からICカード実用化試験を行う

 また同じく日経新聞11面には、日本航空が10月から、ICカードでのインターネット航空券の予約や、空港での搭乗手続きや売店での買い物などに使用する実用化試験を実施する記事が掲載された。モニター1千人を対象にして、マイレージ・サービスと統合したり、カード会社との提携も考慮していくようだ。
 現在でも、JALはインターネットによる日本国内線の予約サービスを昨年7月から(internetWatch記事参照)、国際線の予約サービスを今年1月から(internetWatch記事参照)開始しており、国内線ではインターネットでの予約でいきなり空港のカウンターで搭乗券が発行されるチケットレスサービスもあり、ICカード利用へのシステム移行も比較的スムースにいくのだろう。
 実験は12月までの2カ月間、羽田空港で実施するようなので、とりあえず国内線がメインの利用となろうが、海外でのチケット予約やマイレージ・ポイントの利用や追加など、カウンターでのサービスアップ(チェックインの迅速化や言語などによるトラブル回避など)などに早く結び付けていただきたいものだ。



余談その1:
 日刊工業新聞11面には、コーポレーションミユキ(大阪市)が独自開発の眼鏡がいらない3D映像機器を販売する記事が掲載さた。一台の投影機で最大約15cmの立体像を映す事が出来るようだ。私は前々から、こういったヒューマン・インターフェースを改善する機器が情報伝達の効率化に非常に役に立つと考えており、この機器も「飛び出すホームページ」などへの応用機器になるかもしれない。
 映画「STARWARS」三部作の第一部(邦題で「スターウォーズ(新たなる希望)」)で、レイア姫がちょうど15cmくらいの立体映像でルーク・スカイウォーカーに助けを求めるシーンがあったが、そんなことも現実に一歩近付いたようだ。

余談その2:
 日経産業新聞3面には、インプレスが6日から、日本語版「テックワイヤー」の電子メール配信を開始した記事が掲載されている。
 昨日、突然「TechWireLite」がメールされてきて驚いた方(インターネットウォッチ及びPCウォッチの購読者が対象)も多かったのでは?今日は、早く来ないかなと待ちわびてしまっているのは、私だけではないだろう。




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