1997年5月16日版
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●国際標準化機構(ISO)の個人情報管理規定への取組み
●KDDの映像伝送方式「クオリティモーション」音声付き
○ノベルの「ネットワーク・サービス」
余談3題:96年記録メディア国内需要/屋外でも鮮明LCD/Watch
Smart Page
[国際規格][セキュリティ](レベルA')
●国際標準化機構(ISO)が個人情報の管理規格制定へ向けた作業に着手
日刊工業新聞1面トップには、国際標準化機構(ISO)が企業や公的機関の作成した個人情報の適切な管理を目指し、国際規格制定へ向け課題の整理作業に着手した記事が掲載されている。電子商取引の普及などから、個人情報の漏洩対策が緊急の課題に浮上してきたようで、98年1月までに報告をまとめるようだ。
ISOが検討対象としている個人情報は、個人識別、プライベートに関わる個人情報、経済行為に伴う情報の3種類ということだが、ECのみならず行政の個人データ管理から個人情報の悪用まで、その管理しようとする分野の範囲はかなり広いといえ、一定の管理基準を見いだすのは相当な労力が費やされると予想できる。
しかし、ここ数年来、日本の工業界ではISOが設定した、環境管理・監査の国際規格であるISO14000シリーズや品質保証に関連する国際規格であるISO9000シリーズの認証を取得する動きが盛んなので、個人情報についても一旦新たな規格が示されるとそちらに流れてしまう可能性もあるので、注意深く見守る必要があるだろう。
(もし、個人情報管理もISO9000などの規格並に管理されるようになると、現在のようにオープンに情報交換が出来る環境は(特に企業や組織内では)無くなり、全て規定に則った情報しか入手・公開出来ずに、非常に堅苦しいインターネット世界がやってくるのではと危惧してしまうのだが...)
[ストリーミングビデオ](レベルA')
●KDDの映像伝送方式「クオリティモーション」音声付き
日経産業新聞2面及び、日刊工業新聞7面には、KDDがインターネット用超低速映像伝送方式「クオリティモーション」に対応した音声機能付き映像作成システムを開発した記事が掲載された。
KDDのリリースでは、5月16日よりWeb上で公開し、KDDテクノロジーを通じて6月上旬より販売するようで、28.8kbpsという通常の電話回線レベルの超低速でも、高品質の映像と音声を伝送できるという。既に映像のみの閲覧用ソフトとサンプル映像については今年1月から公開しており、音声再生機能付のVer.3.0α版(Windows95/NT版)もWebからダウンロード可能となり、5月20日にはVer.3.0β版も公開予定のようだ。
ストリーミング・ビデオ技術としては、XingTechnology社のの「StreamWorks」やProgressiveNetworks社の「RealVideo」などの海外勢や国産の技術も数種類林立しており、これから参入するのはかなり厳しいものがあるが、リリースの通りに低伝送速度でのクオリティでの差別化が図れていれば、これからの巻き返しも可能だろう。
5月28日~30日のテレコムジャパン'97(東京・池袋サンシャイン)でも展示公開されるようなので、一見&一聴してみるのも一考だろう。
[グループウェア](レベルB)
○ノベルのネットワーク型ソフト「ネットワーク・サービス」
日刊工業新聞9面には、日本のノベルが、OSや機種に依存しない新しいネットワーク型ソフト「ネットワーク・サービス」コンセプトを明らかにしたという記事が掲載された。イントラネット管理ソフト「NDS」や、ネットワーク管理ソフト「マネージ・ワイズ」、サーバ管理用セキュリティー関連ソフト「ボーダー・サービス」などを今後、投入するようだ。
このコンセプトは、米ラスベガスで5月5日~9日まで開催された「Networld+Interop
97」での、Dr. EricSchmidt・米ノベル社会長兼CEOの基調講演の中にも出てきており、ノベルの最終目標とするサービス・コンセプトともなっているようだ。
このコンセプトを端的に表現すれば、PCよりもNC側に寄った、オープンなグループウェア・サービスと言えるが、上記の講演の中で、某社の会社コンセプトをもじったような「The
Network is theNetwork」(ネットワークというものは、とにかく単にネットワークなんだという意味か?)などというスライドも有り、ただ単にNCなどを使った借り物ではなく、従来からのノベル独自のネットワーク・サービスである事を強調しているようだ。
余談その1:
日刊工業新聞11面には、(社)日本記録メディア工業会が、96年の記録メディア製品の国内需要実績を発表した記事が掲載された。FDが初めて前年比約1割5分のマイナス成長となり、それに代ってMOが約2倍、そしてCD-Rが約2.5倍と大きく成長しているようだ。
同じく11面には、TDKがCD-Rを大幅に増産する記事も掲載され、記憶媒体の地位を固めつつある事を示している。
余談その2:
日経産業新聞1面には、NECは、屋外でも鮮明に画面が見えるノートPC用大型カラーLCDを開発したという記事が掲載されている。方式はTFTではなく反射型のようだ。
モバイル派(特にアウトドアライフ大好き派)にとっては朗報だろう。これで、海水浴しながら”サーフィン”出来る!?
余談その3:(internetWatch記事参照)
日経産業新聞2面と日刊工業新聞7面には、インプレスの新サービス「Watch
SmartPage」についての記事が掲載されている。
このNEWSWatchが人気記事の調査リストの対象になっていないのは、幸か不幸か...(^_^;)(本当に人気があるのは「やじうまWatch」という噂も...)
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