ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年7月16日


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日本IBMのJava動作の次世代ICカード
今日はJavaの日!?
マルチメディアオブジェクト指向データベース「ジャスミン」
余談3題:インターネット版NYT/128bit暗号鍵解禁/橋本流!?


[ICカード][Java][NC](レベルA'
日本IBMは年内にJavaで動作する次世代ICカードを開発・販売


 日経新聞11面には、日本IBMが年内に、Javaで動作する次世代ICカードを開発し、国内で発売するという記事が掲載されている。Javaを使えばカード機能の変更や追加が容易になり、複数のサービス提供会社が1枚のカードを共用し易くなるということで、カード会社や銀行向けに売り込みをかけるようだ。
 7月7日の日本IBMのリリースでも、同社が推進する電子商取引実験「エレクトロニック・マーケット・プレース(EMP)」などで、同社製の”多機能”ICカードのフィールド実験を展開しているが、この次世代ICカードにて、Javaが各種サービスにおけるデータ処理の仲立ちすることによって、真の意味での”多機能(スマート)”カードとなりうるのだろう。
 ICカードに使われるCPUチップなどは不明だが、サンJavaチップ超薄型版などがICカードに搭載できれば、2月25日のやじうまWatchに出ていたようなISA/PCIバスカードやPCMCIAカードによる「NC」機器展開よりも、もっと一般用途が広がるNC展開までも期待できそうだ。



[Java][日本語化](レベルA'
日本のJavaの現状は...


 日経新聞13面&日経産業新聞9面と、日刊工業新聞8面には、NECが15日、Javaに対応した日本語入力システム「Canna (かんな) for JAVA」を製品化し10月から出荷すると発表したという記事が掲載された。7月15日のNECのプレスリリースでも、標準価格が10万円となっており、この発売に合わせて「Canna Server for WindowsNT」も同じく10月に10万円で発売されるとなっている。(ソフト概要も参照)
 また、同じく日経産業新聞9面及び日刊工業新聞8面には、アップルジャパンも同日、オムロンや米サンなどと日本語入力仕様の開発に参画する表明を行ったという記事が掲載されている。以前に日本語化の共同開発を進めていた、サンの子会社のジャバソフトとジャストシステムに加わる形で、上記4社は今秋をめどに日本語入力用の変換ソフトを開発するらしい。アップルのリリースには、日本語以外にも、中国語や韓国語などにも対応する可能性も記述されている。
 両陣営の動きは各々、「Java Input Method API」に準拠しており、そのためにアジア系のダブルバイト言語の入力に必要なインプットメソッドを利用可能にするようだ。
 これまで日本でもJava、Javaとそのオープン性を声高に訴えていても、もう一つ普及しなかったのは、「言語」の壁を乗り越えていないことが大きかったので、これだけ各社の取組み表明があれば、Javaのローカライズ化が進みそうだ。

(今日の新聞紙上は、上記以外にも日刊工業新聞8面に、日本オラクルが15日、Java対応DBアプリケーション開発ツール「Oracle Developer/2000」を8月28日に出荷することを発表した記事などもあり、とにかくJava集中デーだと思っていたら、今日から「COSMOS '97 + JAVA COMPUTING EXPO」であった。詳しくは、PC Watch情報リンク集を見て欲しい。)




[マルチメディア][ORDB](レベルB
富士通CAのオブジェクト指向データベース「ジャスミン


  日刊工業新聞1面には、富士通と米コンピュータ・アソシエイツ(CA)は、オブジェクト指向データベース(ODB)である「ジャスミン」を今秋にも発売するという記事が掲載されている。同製品は富士通がODBを、CAが開発環境およびマーケティングを受け持ち、共同で開発を進めてきたもので、両社のブランドで販売するようだ。
 昨年の1月から、富士通とCAはジャスミンにおいて開発提携しており(富士通のリリースを参照)、満を持しての発売となったわけだが、DBの巨人:オラクルもマルチメディア指向のOracle8を出したばかりなので、厳しい市場争いに参画することになるだろう。ただ、今後はWeb放送やIIJが行うIPマルチキャスティグ実験等の放送型インターネット通信の需要が増えてくることから、マルチメディア対応ODBは市場自体が拡大されてくると供に重用度が増すので、まだまだ成長市場とも言える。




余談その1:
 日経産業新聞6面には、米ニューヨーク・タイムズ(NYT)が、オンライン媒体を利用した新マーケティング手法を編み出したという記事が掲載された。「インターネット版NYT」の読者を個人情報をもとにグループ分けし、各グループ別に適切なメッセージを送信するので、「効果が高い」としているようだ。
 元々、会員制で始まったWeb版NYT紙なので、契約時の個人情報をもとに広告サービスを行う、選別の確度が高いのは当然といえるだろう。 

余談その2:
 日経産業新聞2面には、電子認証の日本ベリサインが15日、親会社の米ベリサインが米商務省から、128bit暗号かぎの電子証明書の輸出許可取得を発表したという記事が掲載された。
 同社のプレスリリース米リリースは14日)によると、日本の金融機関への解禁が第一号になるようなので、日経新聞7面及び日刊工業新聞2面に掲載されている、クリントン米大統領が発表したECの包括的な振興策を広めに来日している、マガジナー米大統領上級顧問(政策立案担当)のお土産とも思えてしまうしまう。

余談その3:
 日刊工業新聞2面には、橋本首相が15日、文部省とNTTの「こねっと・プラン」でインターネットTV会議システムを使って全国の小・中・高校生と対話したという記事が掲載された。そこでも「橋本節」が出たということらしいが、ネットへの関心もサミットで会ったクリントン大統領譲りだろうか...(^_^;)



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