ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年9月25日


HEADLINE 2 articles

ナショセミとアクセスのIA向けシステム開発
PC国内生産鈍化記事に想う...その2
余談3題:FCCを提訴/外字表示/写真もきれいに



[システムLSI][IA](レベルA'
ナショセミとアクセスのインターネット家電向けシステム開発提携


 日経新聞と日経産業新聞及び日刊工業新聞のオール13面には、ナショナル・セミコンダクター・ジャパンが24日、ソフト開発のアクセスとインターネット家電(IA)向けシステム開発で提携したと発表したという記事が掲載されている。ナショセミはIntelのx86系準拠のCPU「NS486」をコアとしたPCMCIAカードなどの接続機能を1チップ化したプロセッサーを製品として持っており、今回これにアクセスの小メモリー容量でも動作可能なインターネットソフト「ネットフロント」を搭載して、IA機器用システムとして売り込むようだ。
 米ナショセミは今年7月28日に、MPU開発・製造のサイリックスを吸収合併(7月29日のナショセミ・ジャパンのリリース参照)しており、そのx86系CPU技術を使ったシステムLSI販売を日本でも強化するためにアクセスとの提携に踏み切ったと考えられ、このIAシステムが日本の家電メーカーに受け入れらるようであれば、ナショセミ全体として世界市場に対してのIAシステムLSI販売へと拡大していく可能性もある。
 また9月3日のNEWS Watchで取り上げたようにアクセス社もまた、米半導体ベンチャーのインテグラフィックス・システムズのTVでインターネット閲覧を可能にするシステムLSI「サイバープロ2010」への自社インターネットソフトの搭載を決めているように、インターネット家電用システムLSIへの接近を図っており、小容量で動作出来るネットフロントの特性を活かした販売展開を行っているとも言える。
 昨日のNEWS Watchでも書いたように、IAへの情報機器のシフトが加速されつつあるようだ。



[PC][工業生産見込](レベルA'
●PC国内生産鈍化記事に想う...その2


 日経新聞3面と11面&日経産業新聞13面及び、日刊工業新聞1面には、日本電子機械工業会(EIAJ)が24日、97年電子工業の国内生産見通しを発表し、工業生産全体では前年比9.6%増の26兆523億円に上方修正したが、パソコンの国内生産見通しは下方修正したという記事が掲載されている。日本の工業生産全体では過去最高の生産額となっており、携帯電話などの通信機器やプリンターなどのOA機器、液晶デバイスなどがその伸びを支えているのだが、パソコンは今年当初の予想が金額ベースで前年比37%増、台数ベースで同29.6%増となっていたものを、それぞれ15.9%増と8.5%増に引き下げられている。(詳細はEIAJの総括表を参照)
 このところPCに関して売り上げ低下の記事が多く見られるようになり、9月18日のNEWS Watchでもその打開策にPCの個々人へのカスタマイズ化(より身近なホビー化)と家電製品などへの変質を提案したのだが、今日の日経新聞3面には低価格直販世界標準(例:NECのPC98規格への転換)の三つが回復へのカギとして提示されている。この様な厳しいPC販売状況を日経産業新聞11面掲載の「曲がり角のパソコン市場」において、亜土電子工業社長の金子和男氏がインタビュー内でも指摘しており、そこでもPCメーカーの低価格戦略の支持を表明している。それに応えるかのように日経新聞13面には、富士通AMD社の安価なMPUを搭載した、実売価格で20万円を切る家庭向けPCを年内に発売するという記事も掲載されており、金子氏が話したようなPCマーケットにおける危機感を、メーカー各社も感じ取っていると思われる。

 最後に追加ではあるが、日経新聞16面にカシオ計算機が今月末から、乳幼児を持つ主婦向けにデジカメ「QV-70」と専用シールプリンター「DP-300」、ACアダプターやシール用アルバムなどを組み合わせたセット商品を発売するという記事が掲載されており、パソコンなしでも写真をプリントアウト出来る製品を家庭市場に売り込むとしていることも、新たな流れのひとつとも見えてしまう。
 上記はほんの一例なのだが、情報(データ)を司るものが家庭内ではPCを中心に展開するという考えを見直し、真にユーザーが欲している情報機器の原点を再考する時期に日本も差し掛かって来たのではないだろうか。




余談その1:FCCを提訴9月3日12日のNEWS Watchの余談参照)
 日経新聞9面には、通信業者のシンガポール・テレコムが24日、米連邦通信委員会(FCC)の通信の国際接続料金新制度(ベンチマーク制度)をめぐる問題でFCCに対する法的措置を検討していることを明らかにしたという記事が掲載された。
 これで法的な措置を表明したのはKDDに続いて2社目で、今月初めに予想した通りの加勢がアジアから現れてきたと言える。今後も追随する通信業者は、アジアのみならず他の地域からも出て来そうだ。

余談その2:外字表示
 日経産業新聞2面には、富士通静岡エンジニアリングが特殊文字や旧字体をホームページで正確に表示できるソフト「ホームページ外字アシスト」を10月1日発売するという記事が掲載された。19日の富士通のリリースにも同社のリリースが載っており、(株)や・のような特殊外字などもホームページ上で表記できるようだ。
 他にAcrobatやPDFを使う方法もあるが、とりあえずホームページ上で日本語特有の表現を手軽に、かつ共通に読めるようになることは良いことだろう。漢字などの正確な表記という機能も、一種の日本(漢字)文化の発信のための強力なサポートツールになるものと思われる。

余談その3:写真もきれいに
 日経産業新聞15面には、日本ポラロイドが29日に、市販の光学顕微鏡に取り付けて撮影できるデジカメ「デジタル・マイクロスコープ・カメラ」を発売するという記事が掲載された。98万5千画素のCCDで撮影した映像を、画像処理機能で約2倍の解像度でPCなどに高速転送(2Mbps以上)できるらしく、価格は59万8千円になるということらしい。
 これであなたも、電子顕微鏡のオーナーに一歩近付いたのでは...(^_^;)



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