ウォッチャー金丸のNEWS Watch
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1997年10月17日


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4ヶ国語ニュースサービス
FM東京のインターネット・インタラクティブ放送
OCNの企業顧客数がNo.1に
自動車のオンラインショッピング2題
NECの格安ファイアウォールサービス
余談2題:メール電卓/長距離無線LAN


[NEWS][サービス](レベルA'
エー・アイ・ピー(AIP)4ヶ国語ニュースサービス


 日経産業新聞2面には、博報堂が出資するインターネット関連のベンチャー企業のエー・アイ・ピー(AIP)が月内にも、中国の新華社などアジアの報道機関と提携して、経済ニュースなどを日本語と英語、中国語、韓国語の4カ国語でインターネット提供するサービスを始めるという記事が掲載されている。日本だけでなく中国や韓国、フィリピンなどアジア各国でも現地の提携先プロバイダーを通じて4カ国語の情報を提供するとしており、まず中国の経済ニュースを中心に翻訳する「新華社中国レポート」と韓国のファッションや文化事情を伝える雑誌の翻訳記事「韓国アジア文化レポート」などを掲載するらしい。

 最近は日本でもPerfecTV!等のCS衛星放送などにおいて、韓国語やスペイン語等の各国語専門チャンネルが増えてきており、日本国内に住む外国人向けサービスを打ち出して、ニッチなニーズに対応している。CATVなどの他放送メディアも、多チャンネル化を目指してニッチ(地域や住民性)な需要を重視する方向に向かっている中で、今回のようにインターネットをメディアとして使えば、同様なコンテンツを使って世界への情報発信(グローバルな情報提供サービス展開)も可能となってくるだろう。



[ラジオ放送][インタラクティブ](レベルA'
FM東京のインターネット・インタラクティブ放送開始


 日経産業新聞3面には、エフエム東京(TOKYO FM)、プロバイダーのメディアバンク、インターネット関連の企画・制作会社のガーラの3社は11月4日から、インターネットを通じてFM放送の収録スタジオから映像を生中継しながら、リスナーも参加できる新しい双方向型サービスを始めるという記事が掲載されている。インターネット接続されたPCを操作して、好きなカメラアングルで出演者を見られるほか、PCへの情報提供サービスも楽しめるようだ。FM東京の「スペイン坂スタジオ」(渋谷)から生中継するもので、番組は「エモーショナルビート」(月~木曜・夕方)などが対象になっているらしい。今回はキヤノンの映像発信システム「Web View/Livescope」を使い、同時に170人までアクセス可能だが、カメラ操作は1人だけに、混雑する場合は制限時間を設けて順番制にするともしている。

 既にFM東京ではスペイン坂スタジオの「のぞき穴」や東京の半蔵門の映像などのピープ・ホールは設置してあるので、それをWeb Viewに置き変えるだけでも、インタラクティブ映像放送を行っているということにはなる。ラジオでもあり、TVでもあり、インターネットでもあるというメディア・ミックス・サービスの試みの第一歩としては、新しさも感じられる。アクセスの混雑緩和や情報のリアルタイム・インタラクティブ性の向上など、課題はまだまだ沢山ある放送サービスではあるだろうが、この新メディア放送の成否は同業者達の注目の的になっているものと思われる。




○OCNの企業顧客数がNo.1に
 日刊工業新聞9面には、OCNの顧客企業数が4千を突破し、サービス開始から半年足らずでトップに立ったという記事が掲載された。専用線接続サービスにおける顧客企業のドメイン数が10月10日現在で4,053件で、2位のIIJが3,289件、3位の東京インターネットが3,007件、4位のBIGLOBEが1,692件となっているようだ。

 昨年のOCN導入前に既存プロバイダー達が恐れていた事が、たった半年で現実になってしまった感じがする。OCNの立上り時は緩やかな加入者数のカーブを描いていたので、騒いだ割には大したことはないのだろうかとも思えたが、加入者数が増え始めると一気に他の追従を許さない成長ぶりを示したのは、その潜在するサービス・パワー(特に価格的なメリット)がユーザーに浸透しはじめたからに相違ない。各家庭や企業まで自前で回線を持っているという強みを、まざまざと見せつけた結果とも言える。

○自動車のオンラインショッピング2題
 日経新聞1面には、インターネットを使った自動車販売仲介業の最大手の米オート・バイ・テル(ABT)が日本に進出するという記事が掲載された。98年末をメドに日本に現地法人を設立し、国産車や輸入車を扱うディーラーを組織化するようだ。

 また日経新聞11面には、この動きに対抗するかのように日産自動車が22日、インターネットによる自動車販売を開始するという記事も掲載された。第1弾として市販している小型オープンカー「マーチ カブリオレ」をベースにネット専用車を製作、受注を始めるようだ。
 このサービスは日産のディーラーである東京日産が2月からはじめたインターネット自動車販売の「Car de Net」サービス(2月10日のINTERNET Watch参照)の全国展開版とも言える。

 日本での自動車販売において、自動車ディーラーをまとめて流通経路の革新を目指す海外企業にも、販売ディーラー自体も抱える国産自動車メーカーの新規ユーザー獲得戦略にも、インターネットは利用されはじめており、各々にこれから熾烈になるであろう販売価格競争に向って備えているということなのだろう。車の様な大型耐久消費材も、当たり前の如くネット上で流通する時代が来つつある。

○NECは格安ファイアウォールサービスを開始
 日経産業新聞2面と日刊工業新聞9面には、NECが20日から、ファイアウォールを低価格で構築・運用するサービス「ファイアウオールサービス・エコノミー」を始めるという記事が掲載された。

 このサービスのリリースによると、初期費用は70万円と同社の従来サービス(スタンダード:205万円)の約1/3で、月額費用も半額の15万円となっている。専用線接続によるデータ伝送速度:192Kbpsまでのサポートを行うということからも、対象は大企業などではなく、中小の企業や組織などである事も分る。
 SOHOなど個人の事業形態でネット・ビジネスなどを開始する場合、セキュリティ対策もこれからはますます必要になってくることから、安価な価格設定でそのニーズに応えたと言えるだろう。

余談その1:メール電卓
 日経産業新聞18面には、電卓メーカーのオーロラが来年1月、メールアドレスを登録できる電卓「TM200J」(2,980円)を発売するという記事が掲載された。電話番号と電子メールアドレスを1セットにして24件まで登録でき、12桁電卓や2099年までのカレンダー、24ヶ国時計、アラーム機能などを持つようだ。

 つい、相手先メールアドレスを忘れることは有りがちなことなので、外出先などでネット接続端末があるような場合には重宝しそうではある。モバイル派や電子手帳派には、関係無いだろうが...

余談その2:長距離無線LAN
 日経産業新聞18面には、光伝送装置のエルテル(LTEL)が、伝送距離が800mの赤外線伝送装置(2台1組:5百~6百万円)を開発したという記事が掲載された。LAN接続すれば10Mbps伝送も出来、最大で1,300~1,500m程度まで伝送可能だが降雨や霧などの悪条件を考慮して実用距離800mとしており、ビル間や谷間、離島などの通信用に売り込むとしているようだ。

 エルテルはこれまでも10BASE-Tネットワークインタフェース用の赤外線伝送装置:OPLANシリーズを出しており、実用距離250mまでの機器を製品化しているので、その最高性能機種を開発したと言ってもいいだろう。10Base-Tを張りづらい陸や海の孤島にも使えるとしているが、大雨や大雪の日はメールもネットサーフィンもお休みになりそうな気もする。後、カラス避けなんてのも必要かも...(^_^;)



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