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1997年12月17日


HEADLINE 3 articles

三菱のビジュアルショック発売
FA機器にもJAVA OSを
BIGLOBEの携帯通信機器へのメールサービス
余談3題:BIGLOBEネットコミュニティ相談室/医療関連情報20万件/3つの選択肢/休刊連絡


○三菱のビジュアルショック(VISUALSHOCK)発売
 日経産業新聞2面と日刊工業新聞8面には、三菱電機が来年1月30日、異なるソフトで作成した動画などマルチメディアデータを簡単な操作でハイパーリンクさせるソフト「ビジュアルショック(VISUALSHOCK)」を米国で発売(1本500ドル、日本では1月中に1本9万8千円にて)するという記事が掲載された。MSのパワーポイントやワード、マクロメディアのディレクター、ネットスケープのナビゲーターなど様々なソフトで作成・表示された動画や文字、音声、ホームページなどのマルチメディアデータを、マウスを使ってリンクさせる機能を持つソフトは世界で初めてとしている。
 また12月16日のリリースでは、VRやリアルタイム3Dソフトの米Virtus Corporationと協力し、「VISUALSHOCK」と同社のコンセプト3Dモデリングソフト 「ConceptCAD」とを組み合わせた製品も販売するとしている。

 各々のアプリケーションソフトの強い部分を使った、統合したデイタル作品を作る場合に使えるソフトのようだ。クオリティの高いコンテンツを制作する際の手間を省いてくれる事も期待され、プロ並のホームページ・デザイナーへの道も開いてくれそうだ。


○FA機器にもJAVA OSを
 日経産業新聞1面には、オムロンJAVA OS上で、アプリケーション・ソフトをリアルタイムに稼働できる新技術(インクリメンタル・ガベージコレクションとリアルタイム・スケジューラ)を開発したという記事が掲載された。リアルタイム処理が必要なFA(工業用)機器や制御システムなどに搭載すると、ネットを介して柔軟に生産ラインを変更することが可能となるようで、来年9月をメドにFA機器の試作品を開発し、99年度中の製品化を目指すとしている。また従来型のJAVA OSに比べ、約1万倍も早い数十μsでアプリケーション・ソフトが稼働するので、FAの他にも切符の自販機やカーナビ、銀行のATMなどへの搭載も見込んででいるともしている。

 FAなどに使用されるJAVA OSということで、処理速度のアップが図られているのだが、それとともにOS動作の信頼性も向上させていると思われる。FA機器も今後は、作り出す製品の多様化を受けて、より幅広いフレキシビリティ性を要求されてくるので、JAVAの応用もその方向性に合った方策の一つと言えるだろう。


BIGLOBEの携帯通信機器へのメールサービス
 日経産業新聞2面には、NECが18日から、アステル東京アステル関西と組んで、BIGLOBE会員に着信したEメールをPHSに転送するサービスを始める他、 ポケベルへのEメール転送も全国展開を開始したという記事が掲載された。着いたEメールをリアルタイムで文字表示機能付きPHS端末に転送し、端末では着信時間や差出人を見る事が可能としている。基本料はポケベルなど他の着信通知サービスと合わせて月300円、1回10円の利用料になるともしている。また今後はアステルグループ全社に対象を広げる計画で、同グループ以外のPHS事業者とも手を組む考えらしい。

 プロバイダー各社も携帯機器などへの情報サービスとして、PHSの32kbpsデータレートでのインターネット接続サービスなどを拡充してきている。しかし今回は、アプリケーション(Eメールなどの使い方)にまで踏み込んでおり、移動体通信におけるプロバイダー・サービスの差別化のための展開を始めているようだ。



余談その1:BIGLOBEネットコミュニティ相談室
 もう一件BIGLOBE関連として日刊工業新聞7面に、NECが16日からネスコと共同で、ネット上で起きたトラブルの解決を支援する「BIGLOBEネットコミュニティ相談室」の運用を開始したという記事が掲載された。国内プロバイダーがこうした試みを行うのは初めてとしている。
 15日のNECのリリースにも、ネットワーク上で起こる社会的なトラブルや、会員間のトラブルの防止・解決を支援し、健全なコミュニティ環境を提供するための新たな試みとして試験的に開設するとあり、公序良俗に反するものや犯罪、いやがらせなどへの相談窓口として設置するともある。

 迷惑電話などよりトラブルの被害の及ぶ範囲が大きくなりつつあるインターネットでは、もっと早期に、そして今後はもっと数多くこの様な窓口を設置する事が、サービス提供者側にも求められることとなるだろう。

余談その2:医療関連情報20万件
 日経産業新聞2面には、兼松や札幌臨床検査センター、ウェルネスなどが共同で運営する健康医療総合情報サイト「ヘルス・スクランブル」において、病院や開業医、歯科医院、公的介護施設等の関連情報約20万件を提供するサービスを、来年2月から始めるという記事が掲載された。ヘルス・スクランブル内の「病院施設ガイド」の中で開始し、地域別や診療科目別、病院名など各種検索機能も充実させたとしている。また一般利用者向けの無料サービスと、より詳しい情報を得られる会員制の有料サービスの2つを計画しているようだ。

 居ながらにして病院などを検索できるサービスには、登録されている医療施設の数の充実も重要だが、そこに質の評価までも加われば、さらなるアクセス増加も見込まれるだろう。

余談その3:3つの選択肢
 日経新聞17面と日経産業新聞7面には、米MSが、米ワシントン連邦地裁の仮決定を不服として控訴した件(16日のINTERNET Watch及びPC Watch記事参照)とともに、Windows95において、現行のIEを統合したバージョンとIE関連のファイルを削除したバージョン、そして'95年時点の初期バージョンの3つの選択肢を用意したという記事が掲載された。これに対してNECなど日本のPCメーカーは、IEを統合したバージョンの採用を継続すると発表したとしている。

 親亀こけたら皆こけたとはならないような方策も、考えておくべきかとは思う。

休刊連絡:
 明日のNEWS Watchは休刊とさせていただきます。ご了承の程を、宜しくお願い致します。m(__)m


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