[木曜コラム] ---------------------------------------------------------------------------- FAXもインターネット ---------------------------------------------------------------------------- 先週、松下電送と慶應義塾大学がインターネットで利用できるFAXを共同開発した との発表があった。このFAXは、インターネットの電子メール技術を使って通常のFAX と同等の機能を実現している。 なるほど! そう言えばFAXはもともとデジタル通信だし、電話のようにリアルタイ ムである必要もないので、アナログの電話網より相性がいい。それに最近は、文書の ほとんどがワープロ--つまりコンピュータで作られているわけで、そのままインタ ーネットを介して送れたら便利だ。考えてみれば、一度プリントアウトしてから改め てFAXするというのは、資源の無駄使いに違いない。それに、今回のFAXは、プリンタ ーにもスキャナーにもなるらしい。 ところで、これに似た話しは少し前に聞いた覚えがある。マイクロソフトが提唱し た「アットワーク構想」。あのときも、パソコンと電話とFAXをLANでつなぎ、オフィ スの効率化を図るというプランだった。画期的な構想で、多くのメーカーが賛同した わけだが、途中中断という結末に終わった。少し早すぎたということだろう。今回の 発表は、インターネットというデジタルインフラがすでに整備されていることで、お おいに説得力がある。 しかし、今回の発表の最大の注目点は通信コストにある。いまのFAXの場合は電話 料と同じ通信コストがかかるわけだが、インターネットなら距離に関係なく、たとえ ば海外にでも隣町と同じ料金で送れる。まして専用線接続している場合なら、グロス のコストの中に埋め込めてしまう。つまり、FAXの通信コストが一見タダに見えるこ とになる。これをどう見るか、企業の導入担当者としては悩むところだが、すでにイ ンターネット接続しているとすれば、魅力ある話しに映ることだろう。 ところで、「電話」もインターネットで、という動きもある。米ボーカルテック社 がインターネットフォンというソフトウェア商品を出して話題になったのは去年のこ とだが、最近は電話とコンピュータの融合が真剣に検討されている。CTI(Computer Telephony Integration)はその1つのキーワードで、先日行われた米国インターロ ップでも話題になっている。電話がデジタル資源の1つとして利用できれば、ボイス メールも簡単に実現できるし、少し夢をふくらませれば、逆に公衆電話でWebが見れ るかも知れない。そうなれば、本当に一般の人が気軽に利用できるサービスになるだ ろう。 どちらにしても、電話網の機能の一部をインターネットが侵食し始めたのは間違い ない。その分担が多くなるにつれ、電話業者やハードメーカー、それに行政を含めて いろいろな論議があると予想されるが、時代はもっと早く流れ始めている感じがする。 (編集長 井芹) (96年4月11日)