[木曜コラム] ---------------------------------------------------------------------------- マイクロソフト戦略の読み方 ---------------------------------------------------------------------------- Internet Explorer4.0、ActiveX、FrontPage、Office97、Outlook、Netmeeting、 Athena、……。これらは、ここ数ヶ月でマイクロソフトが発表した今後の製品または コンセプトの名前である。これらの単語が何を意味し、それぞれどんな関係になって いるのか、わかっている人は少ないのではないだろうか。もちろん、私もわかってい なかった。 そんな折、マイクロソフトは先週、米国のサンノゼで「イントラネット・ストラテ ジー・デイ」と題した戦略発表会を行った。その配布資料を見て、私が受けた印象を 簡単にまとめてみた。 ・今後の技術革新は「イントラネット」 配布された資料には、「PC -> LAN -> Intranet」と記されたチャートが載ってい た。つまり、同社が育ててきたパソコンやLANの次の大きな革新はイントラネットだ という意味にとれる。そしてそこには「Internet -> Web -> Intranet」とも書かれ てあり、アカデミックで育ってきたインターネットも今後はイントラネットに焦点が 移り、両者は統合されるというのである。 日本の現状からすれば少し行き過ぎとも思えるが、ビジネスソリューションという 観点から見れば説得力がある。なにより、そこまでイントラネットを評価していたの かと驚かされる。 ・Windowsのデスクトップはモザイクになる さらに驚かされるのは、WindowsのデスクトップでWebブラウズできるようにすると いう構想だ。現在のWindows95では、デスクトップからインターネットエクスプロー ラーを起動してネットサーフィンするわけだが、将来のWindowsではデスクトップに Webブラウザーの機能を内包させて、手元のファイルもインターネット経由の遠くに あるファイルもシームレスにアクセスできるというのである。つまり、Windowsのユ ーザーインターフェイスをモザイク(Netscape Navigatorと言ってもいいが)のよう にするというのだ。 イントラネットは、「インターネットツールを企業内の情報システムとして使えば いいんだ」という逆転の発想だったわけだが、企業内情報システムとして幅をきかせ ているOSであるWindowsの方からインターネットに合わせると言っているのである。 確かに、これはイントラネットそのものである。 ・イントラネットコンテンツ作成環境に進化するOffice97 Windowsの統合アプリケーションとして人気のOffice95もインターネット対応にな る。HTMLドキュメントを生成できるのは当然として、WORDやEXCEL内からインターネ ット上のWebページにハイパーリンクできる機能まで持つとのこと。さらに、Office で作られたドキュメントをNetscape Navigatorで表示できるプラグインまで開発する という念の入れようだ。これらがすべて現実のものとなると、Windowsユーザーなら、 いつも利用している環境でインターネット(イントラネット)のコンテンツを簡単に 作り出すことができ、またいつもの環境で閲覧できることになる。 今回の発表は、上記したようにインターネットを強く意識した戦略になっている。 どの構想もそれなりに考えられたものであることは容易に想像できる。ただ、これが 成功するかどうかは一概に言えない。いろいろな要素を上げることはできるが、最大 の要因はマイクロソフトが世界最大のソフト会社であることだろう。「イノベーショ ンはいつもアウトサイドからやってくる」と語っておられたのは日本総研の田坂所長 だが、果たしてインサイドからもできるのだろうか。とりあえず、自らイントラネッ トに土俵を移した戦略は注目に値する。 (編集長 井芹:watch-info@impress.co.jp) (96年6月20日)