[イベントレポート]
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日本総研がICカードを利用した電子マネーをWINDOWS WORLD Expo/Tokyo 96で実験
操作は簡単だが、安全性には課題も残る
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http://www.park.or.jp/IEWexpo/

 本誌6月20日号でお伝えした、6月26~29日に開催された「WINDOWS WORLD Expo/
Tokyo 96」の併催イベントの中で「日本総研のICカードを利用した電子マネーの公開
実験」が行なわれた。これに参加できたので、その模様をレポートしよう。
 この実験は、「スマート"T"カード・ラリー」というもの。当初の計画では、本誌
で報道したようにオンライン銀行から引き出した電子マネーをICカードに貯めていき、
最後にその金額で買い物をするというものだった。しかし、「ICカードが買い物をす
るときの現金代わりとなる」ということを参加者に実感してもらうために、急遽
「150スマート」(スマートとは仮の貨幣単位)の入ったICカードを持って会場内の
ブースで買い物をしてまわるというスタイルに変更したそうだ。
 まず実験会場受付けにはデスクトップパソコンが設置してあり、外付けのカードリ
ーダーが付いている。ここにまだデータの入っていないカードを差し込んで、キーボ
ードで自分の名前と好きな4桁の暗証番号を記録する。これで「150スマート」が入金
されるので、参加者はカードを持って買い物に出かけるわけだ。。
 カードの大きさは、通常のクレジットカード等とほぼ同じ。厚みはクレジットカー
ドよりも若干厚いが、1mm以下なので、財布の中で邪魔になるものではないだろう。
このカードに1円玉よりも小さいICチップが埋め込まれており、個人データや買い物
の内容を記録していく。このICカードは接触型だが、使用回数1万回以上の耐久性が
実証されているという。
 WINDOWS WORLD Expo/Tokyo 96の会場内には、協賛企業のブース13ヶ所の一画に「
スマートショップ」が設けられていた。ショップといっても特に店員がいるわけでは
なく、カードリーダーが内蔵されたノートパソコンが置いてあるだけで、実験の参加
者が画面表示に従って自分で操作していた。基本的には、購入したいものを選んで暗
証番号を入力するだけなので操作はとても簡単だ。
 購入したいものを選び終わったら、認証用の端末のところへ行き、カードリーダー
にカードを差し込む。すると、自動的にインターネットで結ばれたサーバー(今回は
東京に設置)との間で認証手続きが行なわれ、WWWに確認のためのページが表示され
る。ここで「誰が、どのショップで、何を、何円購入した」という情報が表示される
ので、確認ボタンを押せば購入手続きが完了する。
 全体的には操作が思ったより簡単で、クレジットカードよりは楽に利用できる。そ
の反面、銀行などのキャッシュカードと同じで、暗証番号が知られてしまうと「なり
すまし」が容易にできてしまうという欠点がある。また現在のところ、ICカードが破
損した場合のデータのバックアップができないということで、実用化までにはまだ課
題が残されているようだ。
[Reported by takasaki@impress.co.jp]

(96年7月1日)