[ニュース]
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混迷する米国新通信法
米国政府が「新通信法の一時差し止め」を不服として最高裁に上訴
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 本誌6月14日号で「インターネット上の表現を規制する法を米国連邦地裁が違憲と
判断」と報じたが、共同通信によると、米国政府は7月2日までにフィラデルフィア州
連邦地裁の判決を不服として、さらに連邦最高裁に上訴した。司法当局者は上訴理由
を明らかにしていないが、60日以内に上訴趣意書を提出すると述べている。
 この問題は、今年2月に成立した新通信法にインターネット上の猥褻文書や画像を
規制する部分が含まれていたことに起因している。この通信品位に関する部分に対し、
市民団体や商業オンライン業者などが「表現の自由を保障した憲法に違反する」と訴
え、フィラデルフィア州連邦地裁が6月12日に原告側の主張を全面的に認め、同法の
施行を一時差し止める命令を下していた。
 なお新通信法には、短期間で審議を行なうため、一審の判断に不服がある場合、高
裁を飛び越して直接連邦最高裁に上訴できるという条項が盛り込まれていた。
[Reported by takasaki@impress.co.jp]

(96年7月4日)