*******************「ウォッチャーのイチオシサイト紹介!」*******************

 みなさま、お楽しみいただけていますでしょうか?毎週水曜日は「ウォッチャーの
イチオシサイト紹介!」の日です。このコーナーでは、日頃、最新ソフト情報から面
白サイト情報まで、世界中のありとあらゆるインターネット関連ニュースから新鮮な
情報を発見して編集部に教えてくれているネットサーフィンの達人「ウォッチャー」
の方々が、その鋭い視点で選んだお薦めのサイトを紹介します。
 今一番「旬」なサイトから、各ウォッチャーの趣味が滲み出るサイトまで、幅広い
ジャンルを紹介していく予定です。どうぞお楽しみに!
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第5回レポーター: 長谷川敦士 氏

映画好きをうならせるアジア映画小事典
山形Net-Expoの「映画100年」
http://www.tuad.ac.jp/net-expo/index-j.html

 映画関係のWWWサイトは数多く存在するが、その多くが、特に国内に関しては、ほ
とんど新作映画の紹介といったもので、内容的には特に目新しいといったものは少な
いと思う。そんなかでずば抜けて充実したサイトを紹介しよう。ここ、映画100年ホ
ームページだ。
 ここは山形で隔年ごとに開催されている「山形国際ドキュメンタリー映画祭」とシ
ンクロして昨年の映画誕生100周年を記念して開設されたものだ。扱っている内容は、
上記の「山形国際ドキュメンタリー映画祭」関連、映画の誕生に関連したリュミエー
ル兄弟の話について、アジア映画小事典と幅広いのであるが、そのなかでも特に我々
映画ファンを楽しませてくれるのがアジア映画小事典だ。
 最近はアジア映画ブームを呼んでいるが、その情報というものは実際のところあま
り流通はしていない。普通の人にとってはせいぜい地元の情報誌などに載っている数
行のコメントがその映画について知り得る全ての情報であったりする(もっともそれ
はアジア映画に限ったことではないが)。また、ハリウッド映画の派手な広告に隠れ
て地味な印象しか与えない映画が多いのも事実である。
 そういった商業主義からはずれたところにも成立し得るのがWWWの大きな利点でも
あるのだが、それ以上にこのアジア映画小事典は我々にアジア映画の様々な魅力を教
えてくれる。
 ここでは、韓国、台湾などアジア6カ国の映画事情を、各国の背景を鑑みた上で、
詳しく評論していて大変興味深い。しかし、なによりもこのページで秀逸なのは、そ
の作品ガイドだ。アジア映画のほとんどの作品についての、あらすじはもちろん、出
演者、監督まで紹介しており、ここをながめているだけできっと「見たい!」と思わ
せる映画に出会えるはずだ。まだリストが完成していないのが惜しまれるが(香港映
画のページが待ち遠しい!)、覗いてみれば、このリストが国外からも高い評価を得
ているのもうなずけるだろう(国内:国外のアクセス比は、開設当初2:8であったと
いう)。まさに文化、芸術関連のインターネット資源の日本を代表するものといえる
だろう。
 また、このページはこれらの莫大な情報の「読ませ方」についてもいろいろ考え、
実践をしているようだ。そのためにこのページで扱っている100MBを越える内容はか
なり読みやすく配置されている。
 とにかく、何かを求めて訪れても、ただぶらっと訪れても必ず何か得るものがある
ページである。ただし、時間がないときに訪れてはならない。ちょっとやそっとでは
帰ってこれないからだ。
 なぜ映画100年にアジア映画なのかはページの本文によるとして、映画ファンなら
ば一度はここを覗いてみることをお薦めする。少しでも映画に興味のある人ならきっ
と楽しめるはずだ。
 なお、映画100年ホームページの今後のアップデート予定は以下の通り。

■「アジア映画小事典・香港映画」
http://www.tuad.ac.jp/net-expo/asian-cinema/hongkong/ja/
[公開予定] 96/07/29(これ以降、順次ページを公開していく予定)

■「小津安二郎・映画の時空間」(仮題)
http://www.tuad.ac.jp/net-expo/ozu/ja/
[公開予定] 96/09(これ以降、順次ページを公開していく予定)

(96年7月17日)