[木曜コラム]
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N+Iから見たインターネットの3年間
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先週、Networld+Interop96(N+I)が幕張メッセにて盛大に開催された。N+Iは本紙
でも何度も報じているとおり、インターネットおよびネットワーク関連の世界最大
(もちろん国内最大)のイベントである。日本では94年からスタートし、今回で3回
を数えた。
このイベントは、単なる展示ショーに止まらず、最近技術の検証場所であり、カン
ファレンスやセミナーの場所でもある。その性格から、業界関係者はもとより学術関
係者や一般利用者まで参加し、インターネット社会の現状を縮図化してみせてくれる。
このイベントの3年間の変化から、日本のインターネットの動向の一端をみることが
できる。
・数字の推移は?
以下は、主催者であるソフトバンク・エキスポが公表している来場者と出展社の数
字である。
来場者 出展社
'94 49,084人 173社
'95 71,801人 243社
'96 81,583人 297社
一般に言われているインターネットの成長率ほどではないが、着実に増加している
のがわかる。実際、今回の展示会場は幕張メッセの全8ホールを使用して行なわれた
もので、コンピュータ関連イベントでは最大規模に成長したことになる。
・雑誌の評論は?
初回のN+Iは94年の夏だったが、ちょうど同時期に創刊されたインターネットマガ
ジン(インプレス刊)では、「相互接続性が実証された国内初のイベント」と評して
いる。そして第2回については、「インターネットブームの最中、ISDNなどネットワ
ークのパーソナル化を感じた」と報じている。
今回のレポートはまだ出版されていないが、中島編集長に聞いてみたところ「たと
えれば、建設機械展からインテリア展に脱皮する瞬間かな」というコメントだった。
・村井先生は?
今回のカンファレンスで最高の観客を動員したのは、日本のインターネット牽引者
である慶應大学の村井先生の基調講演だった。村井先生はその話の中で、「これまで
はコンピュータを好きな人たちがつながった。来年からは、コンピュータを好きじゃ
ない人たちがつながってくる」と語られた。これは、コンピュータだけでなく、それ
を内包したオフィス機器や家電がどんどんインターネットに接続されてくるという意
味である。今回それを感じさせたものとして、インターネット電話・FAXやインター
ネット対応ゲーム機などがあった。
最後に、今回の様相を私なりに評させていただければ、「混沌」だったと思う。イ
ンターネット、パソコン通信、イントラネット、ネットワークコンピュータ、SOHO、
エレクトリックコマース…。まさに、インターネットがいろいろなインフラ、機器や
サービスと合流し始めたことをそのまま表していたのではないだろうか。出展社の顔
ぶれにしても、NTT、マイクロフト、IIJ、SUN、オラクル、ジャストシステムなど、
ソフト、ハード、インフラが入り乱れた状態だった。混沌はかならずしも悪いことで
はないだろう。新しいものが定着する前には混沌の状態があるものだ。来年のN+Iに
新たな期待をすると同時に、来年以降のインターネットに大きな変化の予感を感じる。
(編集長 井芹:internet-watch-info@impress.co.jp)
(96年8月1日)