[木曜コラム] ---------------------------------------------------------------------------- コミュニケーションからコラボレーションへの一歩 ---------------------------------------------------------------------------- 今日の本誌のニュースでも報じているが、ネットスケープコミュニケーションズ社 のCoolTalkとマイクロソフト社のNetMeetingは、インターネットでの電話機能を実現 しており、新しいコミュニケーションの形として注目される。特に、個人的には NetMeetingに大きな可能性を感じた。なぜなら、ネットワークを介して複数の人たち で1つのツールを共有できるからである。 NetMeetingは、ネットワークに接続されている複数のパソコンの画面に同じアプリ ケーションソフトを実行させ、ユーザーが共同で作業できるようにする機能を実現し ている。同様の機能を持つものとしてMacintoshで実現されたTimbuktuなどがあった が、今回のNetMeetingでは電話機能も同時に実現されているので、会話しながら操作 できるのがうれしい。 では、ツールが共有できると何がいいのだろうか? すぐ思い付くのは、ユーザーサポートでの利用だろう。困っている人の画面に、離 れた場所からでも正しい操作そのものを再現してみせることができる。また、その名 が示すように、ネットワークを介した会議を開くことができる。会議メンバーの画面 に同じ予算シートを表示させプレゼンすれば、それはまさにペーパーレスだ。 しかし、最も画期的なのは共同作業(コラボレーション)ができることではないだ ろうか。考えてみれば、世の中の作業のほとんどは複数の人間が共同で行なっている。 たとえば、私どもが日々やっている出版の作業では、著者が原稿を書き、デザイナー がレイアウトし、カメラマンは写真を提供する。そして編集者はその全工程を管理す る。つまり「餅屋は餅屋」というわけだ。 しかし、これまでのコンピュータが提供してきたのは、ゲームやワープロのように 一人でひたすら「深める」ような機能だったように思う。本当にいいものを作ろうと すると、やはりそれぞれの得意分野の能力を結集した方がいい。今回のNetMeetingの 登場は、それを実現するネットワークコラボレーションへの一歩として歓迎したい。 ただし、現バージョンのNetMeetingはWindows専用であること、画面の解像度が異 なる環境での問題、速度の問題など、まだ解決されていない問題もある。また、 28,800bpsのモデム利用でもそれほど遅くないこと、音声がちゃんと聞こえることも 同時に確認できた。 (編集長 井芹:internet-watch-info@impress.co.jp) (96年8月22日)