[ニュース]
----------------------------------------------------------------------------
フィンランドの匿名メール転送サービスが閉鎖。理由はネット関連の法律の不備
今後の課題はプライバシーに関する個人の権利とネットワーク上の倫理の議論
----------------------------------------------------------------------------
http://www.penet.fi/

 フィンランドの匿名メール転送サービス「anon.penet.fi」が閉鎖された。そのた
め、日本国内でもメーリングリストに「宛先不明」のエラーメッセージが返されるな
どの影響が出はじめている。
 anon.penet.fiは、Johan Helsingius氏が3年以上前から個人で運営してきたサービ
スだ。8月30日付で出されたanon.penet.fiのプレスリリースによると、閉鎖の理由と
しては個人の作業負荷の増加と、フィンランドのインターネットに関する法律の不備
が挙げられている。リリースには当分の間サービスを中止する旨が書いてあるが、再
開に関する記述はない。
 このサービスは、過去に新聞などから「匿名であることを利用した幼児ポルノの流
通を助長しているのではないか」などの糾弾を受けたほか、フィンランド警察による
捜査を受けたこともある。こうしたことが閉鎖の直接の引き金になったかは定かでは
ないが、個人的な攻撃が絶えず、不当な非難がHelsingius氏の仕事およびプライベー
トの両面に悪影響を与えてきたとしている。
 Helsingius氏によれば、家庭内暴力や学校のいじめ、人権などの非常に繊細な問題
も、匿名で論じることでプライバシーの保護が図れるとしている。しかし一方で、匿
名であることを不正に利用して誹謗中傷を行なうなど、他人のプライバシーを侵害す
る可能性もある。
 Helsingius氏も指摘しているが、現在はインターネット上のプライバシー保護に関
する法の整備がされておらず、通信の秘密や権利の保護については手付かずのままだ。
個人の権利とネットワーク上の倫理の両面を考えた上で、今後議論する余地がありそ
うである。
[Reported by takasaki@impress.co.jp/oliver@gol.com/hosaka@sco.bekkoame.or.jp]

(96年9月4日)