[レポート]
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NSPIXP2は、現在のNSPIXPの10倍以上のパフォーマンスを確保し10月スタート
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 弊社のインターネットマガジンの後ろの方に畳み込んで入っている「商用ネットワ
ークサービスプロバイダー接続マップ」をご覧になったことはあるだろうか。このマ
ップのまん中に三重丸で表してあるのが、「NSPIXP」(Network Service Provider
Internet eXchange Project)である。これは、WIDEプロジェクトとプロバイダー
(Internet Service Provider)との共同実験プロジェクトで、プロバイダー間の相
互接続に関する実証的な研究を行うために設置された設備である。
 インターネットの急激な利用増により、NSPIXPは大変混雑してきて次第に限界に近
づいている。このため、「NSPIXP2」という新しい接続点を設置することになった
(以下、混乱を避けるために現在のNSPIXPを「NSPIXP1」と呼ぶ)。
 NSPIXP2は、8月末から9月にテストが始まり、10月1日スタートの予定である。
NSPIXP1が、各プロバイダーの接続速度を1.5Mbpsまでに制限した相互接続実験であっ
たのに対して、NSPIXP2では、この制限を超えたより高速な相互接続のための実験で
ある。NSPIXP2での相互接続が順調に行われ、プロバイダー間の相互接続において
NSPIXP1の接続性が必要なくなった場合には、NSPIXP1の実験を終了する。
 NSPIXP1が、現在WIDEの東京NOC(Network Operation Center)に置かれているのに
対して、NSPIXP2は、KDDのビル内に置かれる。NSPIXP1では、10Mbpsのスイッチング
HUBを利用していたが、NSPIXP2では、100Mbpsの接続が最大34個、全体で3.6Gbpsのパ
フォーマンスを実現する、DEC社製の「GIGAswitch」(FDDIスイッチ)が利用される。
さらに、今回はもう一台バックアップのGIGAswitchも用意される。なお、これは
3,000万円~4,000万円ほどするとのこと。2年後位には、このGIGAswitchでも足りな
い程のトラフィックが予想されており、2年間で減価償却出来る様に各プロバイダー
で実験費用を分担する。
 NSPIXP1に比べNSPIXP2では、100Mbpsで相互接続されるので単純に考えてもNSPIXP1
の10倍のスピードになる。更にFDDIとなるため、Ethernetのように込み合うとデータ
の衝突により非常に回線効率が悪くなるということがなくなり、プロバイダーとの接
続速度も1.5Mbpsより高速になるので、実際には10倍以上の効果が期待できる。
 NSPIXP2に接続するプロバイダーは、IIJ、東京インターネット、PSINet、ラピドシ
ステムズ(リムネット)、富士通(Infoweb)、NEC(BIGLOBE)、Bekkoame、ネット
ワーク情報サービス(NIS)等16社程であり、各プロバイダーに問い合わせたところ
45Mbpsで接続する回答したところも多い。さらに数社は、KDDのビルにインターネッ
トサーバー機類からダイアルアップ用集合モデムまで設置してしまうようなので、こ
の場合はGIGAswitchに100Mbpsで直接接続されるのでかなりの速度が期待できる。
 NSPIXP1は、経路制御的にはすべてのプロバイダー間で相互接続性を確保していた
が、NSPIXP2では各プロバイダーがお互いのポリシーによって相互接続するかどうか
(ピアリング)を決められるようになった。NSPIXP2がうまくいくかどうかは、この
ピアリングが適切に設定され、プロバイダー間の関係がうまくいくかどうかにかかっ
ている。
 現在、NSPIXP2に繋ぐための条件はNSPIXP1に繋がっていることであるが、今後は海
外のプロバイダー、例えばMSNやSprintもNSPIXP2に接続できるようになることもある
とのことだ。
 更に、NSPIXP3の計画もある。これは東京に大規模地震等が起きNSPIXP1とNSPIXP2
の両方が使えなくなった時のバックアップ用であり、大阪地区に設置する方向で検討
中である。
 NSPIXPはすでに日本のインターネットのバックボーンの重要な位置を占めており、
早く高速になることを待ち望みたい。
[Reported by uesugi@impress.co.jp]

(96年9月4日)