[木曜コラム] ---------------------------------------------------------------------------- インターネットでの就職活動について、一言 ---------------------------------------------------------------------------- 先日、ダイヤモンド・ビッグ社が発表した全国大学生3万人への就職活動調査によ ると、全体の3割以上が何らかの形でインターネットを利用したと答えている。これ は、インターネットの普及率(おそらく数%)に比して驚異的な数字である。今後、 この数字はさらに大きくなることが予想されており、学生も企業も真剣に取り組んで いい状況になったと言えるだろう。 ところで、弊社でもインターネットを利用した応募を行なっており、私は立場上、 その審査官になることも多い。その経験から、いくつか気づいたことを書かせていた だきたい。 ●面接は、電子メールから始まっている 弊社もそうだが、最近は電子メールで応募を受け付けているところもある。応募者 から見れば、気軽に問合せや申込みができて便利なことだろう。しかし反面、その便 利さに甘えすぎると取り返しのつかないことにもなりかねない。たとえば、「挨拶な しでいきなりの言いたい放題」、または「ぶっきらぼうな一行メール」などは印象が いいはずはない。 しかし電子メールの性格上、ついやってしまいそうなことではあ る。なにも応募メールに限ったことではないが、電子メールは文字だけのコミュニケ ーションであることに加え、出されたときのシチュエーションと、受取ったときのシ チュエーションが同じとは限らない。というより違うことがほとんどで、本人は期待 に胸ふくらませて書いたつもりでも、受取った人は何らかの理由で憤慨しているとき かも知れない。必然的に、それを想像する力も問われることになる。 実際、一度でも変なメールを出すと担当者にマイナスのイメージ植え付けてしまう ことになる。それに、電子メールは保存できるメディアであることを忘れてはいけな い。できる人事担当者は、その人に関連する資料はすべて整理して保存しておくもの である。 ●文字だけとはいえ、レイアウトも見られている 弊社の人事担当に聞いたところでは、文章の内容もさることながら、そのレイアウ トも重視しているとのことである。見出しもなくだらだらと書かれているものや、 100行以上にわたるような長いメールは歓迎されていない。むしろ、不明点があれば こまめに問合せてくれた方がいいそうだ。担当者としても、応募者の頭の中を覗ける いい機会だととらえているらしい。 私見だが、電子メールでは観念的なことを書くよりも、自分の経歴や活動の内容を 具体的にまとめる方がいいと思う。所詮、電子メールでは「人となり」まで見抜くこ とはむずかしい。そこに力点をおくより、自分の「スペック」を的確に伝えることに 注力した方がいいだろう。言いたいことはちゃっと言っておかないと、企業側はそれ をもとにフィルタリングしているかも知れない。情報がオープンで便利なのは、なに も応募者側だけではない。インターネットは双方向メディアなのだ。 ●企業の方へ 現在は、インターネットで応募を受け付けている企業はまだまだ少ない。しかし、 先の調査結果からも分かるように、学生の側では大きな期待が集まりつつある。何人 かの学生に聞いてみたところ、もっと企業の生の情報を欲しがっている。ホームペー ジを作れれば言うことはないが、まずは電子メールでの問合せ窓口だけでもいいと思 う。「いちいち応えている余裕はない」との意見も聞かれるが、会社説明会を開いた りするよりはお金もかからないし、何よりタダで学生の生の声を聞ける機会はめった にないだろう。 最後に、実際にインターネットでの人材採用状況を調べてみると、中心は大企業で ある。インターネットの性格から言えば、小粒でもきらっと光っている会社こそふさ わしい気がする。この機会に、行動を起されてはいかがだろうか。 (編集長 井芹:internet-watch-info@impress.co.jp) (96年9月19日)