[木曜コラム] ---------------------------------------------------------------------------- 選挙とインターネット ---------------------------------------------------------------------------- ここ数年、変動が続いている政治の世界だが、来月にはついに解散総選挙となるよ うだ。インターネット利用が進んで来た昨今なので、その選挙での利用のされ方に注 目したい。 本来、政治や政党はプロパガンダ(主義・主張の宣伝)する宿命を持っていると思 う。だれにでも情報発信できるインターネットと政治活動との親和性の良さは当初か ら話題にのぼっていた。 ところで、有権者である我々が候補者やその所属政党の情報を得る機会は非常に限 られている。それは、ほとんどが新聞やテレビからだろう。しかしマスメディアが提 供する情報は、その性格上、大きな出来事か最大公約数的な記事しか露出されない。 我々が本当に知りたいことは、自分が応援した議員が何をやってくれたのか、または 自分の希望をかなえてくれる議員は誰なのか、などの身近で具体的な情報ではないだ ろうか。たとえば、車に乗ることが多い人は高速料金を値上げしない人がいいだろう し、自然が好きな人は環境保護をうたっている人がいいに違いない。 近年、言われていることだが、個人の価値観は多様化してきている。各人が望むよ うな政策情報を伝えるには、マスメディアだけでは限界がある。インターネットの持 つ情報発信能力や双方向性は、それを補うものとして注目されている。実際、各政党 のインターネット利用状況を調べてみると、昨年の6月に新党さきがけがホームペー ジを開設したのに始まり、現在では社会民主党、新進党、自由民主党、日本共産党な どほとんどの政党が利用するに至っている。また、いま最も注目が集まっていると思 われる民主党のページも最近登場した。 実際の内容については、読者に直接見てもらえばいいことなので触れないが、最低 限、意見を受け付ける電子メール窓口は作っておいてもらいたい。それをしないとい うことは、単にビラを配っているのとかわりばえしないように思う。さらに言えば、 書き込んだメッセージがどのように候補者に届くかも説明しておいてほしい。どうせ 読んでくれないだろうと思ったら、誰も意見など書き込むはずがない。その点、民主 党のページに見られるようなメッセージの公開は説得力があった。 余談かもしれないが、逆に、この手のご意見箱にメッセージなど書き入れてもどう せ読んでもらえないと思っている人は多いようだ。私事で恐縮だが、編集者として、 読者はがきに書き込まれたメッセージで勇気づけられたことが少なくない。縁もよか りもない人からの本音のメッセージは、時にどんな偉い人からの言葉よりも重いこと がある。懲りずに、書き込んでみることをおすすめしたい。 最後に、選挙期間中のインターネット利用が公職選挙法に触れるか、触れないかと いう大きな問題がある。ホームページは、ポスターの枚数などと同様に規制されるべ きかも知れないという見解があるわけだ。この件についての正式見解はまだ言及され ていない状況だが、新党さきがけはその合否の質問状を自治省に提出すると発表した (今号の記事参照)。また、そのための質問を、今日から一週間のあいだ電子メール にて募集するとのことである。 ちなみに、私はインターネット利用賛成派である。 (編集人 井芹:internet-watch-info@impress.co.jp) (代表的政党のページ) ・自由民主党 http://www.sphere.ad.jp/ldp/ ・社会民主党 http://www.omnics.co.jp/politics/SDPJ/SDPJ.html ・新進党 http://www1.meshnet.or.jp/NFP/ ・新党さきがけ http://www.coara.or.jp/~sakigake/ ・日本共産党 http://www.infoweb.or.jp/jcp/ ・民主党 http://dpj.smn.co.jp/ (96年9月26日)