[木曜コラム]
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OCN始動前夜
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 NTTのOCN(Open Computer Network)がいよいよスタート段階をむかえている。思
えば、この木曜コラムの第1回は、OCNについて書いたものだった
( /inet/search/article/9602/2908.htm )。そこ
で、公正な競争をお願いしたわけだが、それから8ヶ月以上たった今、OCNはどのよう
な姿になったのだろうか。公正な競争が実際に機能するのだろうか。

●現在のOCN構想
 当初、128kbpsの専用線が3~4万円と言っていた値段は、現在では3万7千円程度と
なり、1桁現実に近づいている。また、「アクセス(ユーザー宅からNOCまでの電話回
線など)」と「ネットワーク(バックボーン回線)」を個別に販売するという基本方
針は、半年以上経た今でもほとんどかわりはない。これは、事前の構想がそれなりに
練られていたことを裏付けており、評価できる。しかし、バックボーン回線の品質や
細かなサービス内容がいまだ不明確であり、エンドユーザーからみてどの程度の品質
が得られるのかがよくわからないのが実状のようだ。

●プロバイダーに聞いてみた
 このOCN構想が始動したら、現存するプロバイダーは様々な意味で影響を受けると
思われる。品質はともかく、少なくとも数字を比べるかぎりでは、128kbps専用線の
値段で5~10倍の開きがあるのは事実だ。そこで、いくつかのプロバイダーに意見を
聞いてみた。

 ・電子メール、ニュース、ホームページ設置など、具体的なサービス品目がわから
  ないので、考察のしようがない。
 ・回線品質がわからない。特に、海外回線についてはどの程度のものを使うのかま
  ったく見えない。
 ・アクセスライン(ユーザー宅からの電話回線)を販売してくれるのはありがたい
  が、具体的な申込み日時や、申込み可能数などが明示されていないのが不安。
 ・また、アクセスラインの個別販売がOCN事業のスタートより遅れるなら不公平。
 ・どうせこの値段では、たいした回線品質は得られないからあまり気にしていない。

など。
 つまり、あまりにも「情報が足りない」ということのようだ。しかし、全部で3回
を予定している業界団体向けの説明会はあと1回を残すのみとなり、始動は秒読みの
段階に入ったと言っていい。もし、言い残したことがあるという諸兄は、NTTも以下
のアドレスで意見を受け付けているので、意見されたし(open@mod.hqs.ntt.co.jp)。
 関係者から聞いたかぎりでは、業界やユーザーからの異議申立てはほとんどない状
況のようだ。一見、最大の通信インフラを持つNTTがインターネットに参入すれば、
安価で安心のネットワークが構築されるような気がするかもしれないが、時代は「民
主化」「国際化」を指向している。ここで競争原理が働かないシステムを作ってしま
ったら、この数年間構築してきたいい意味での市場が死んでしまうことにもなりかね
ない。
 特に、現在急増しているダイアルアップ接続に必須の電話回線の販売について言え
ば、「NTTに注文してもなかなか設置されず、やむなくサービス開始を遅らせた」な
どの意見を聞くことも少なくない。プロバイダー各社に代表されるインターネット業
界は、上記したようにすべてに納得しているわけではない。OCNは今後、サービスイ
ンに近づくにつれ、その姿が具体化していくことだろう。さらなる情報公開と透明性
により、公正な競争原理の導入を改めてお願いしたい。

OCNに関するページ:
http://www.nttinfo.ntt.jp/OCN/menu.html
(編集人 井芹昌信:internet-watch-info@impress.co.jp)

(96年11月7日)