[ニュース]
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生徒の自己紹介を掲載した教員の個人ホームページに削除命令
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 担任の先生が、生徒の自己紹介を個人ホームページに掲載したらどうなるか。世田
谷区では、現実問題として、そうした自己紹介ページを削除すべきかどうかが議論を
呼んでいる。
 争点は、区の「個人情報保護条例」にある。同条例では区の職員に対し、個人情報
を無断でコンピュータに記録することを禁止し、データの漏洩や紛失などを防ぐこと
を義務づけている。また、外部のネットワークへの接続についても禁じられており、
当然、インターネット上で生徒の氏名などを公開することもできないということにな
る。
 今回処分の対象となった教員の話によれば、職務上で収集した個人情報をフロッピ
ーディスク等に保存したことや、それを外部に持ち出し公開したことが問題となった
のだという。同区はこの条例に従い、該当ページの削除を命じたが、同教員がこれを
拒否したため、話し合いの末、学校名や生徒の氏名を伏せることで、一旦は合意に達
した。しかし、数日後、再び削除命令が下され、さらにその後、マスコミからの取材
の結果、同区の対応が一転二転している。
 なお、同区によれば、この件に関して会議を開いているとのことだが、未だに明確
な回答は示されていない。個人がホームページを作り、自由に情報発信ができる昨今、
柔軟な対応が望まれるところだ。
[Reported by yuno@impress.co.jp / mizuno-r@cyber-symphony.com /
 hosaka@scorpius.bekkoame.or.jp]

(96年12月3日)