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WIPOの会議がネットワーク上の知的所有権を保護する新条約を採択して閉幕
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http://www.wipo.org/ (WIPOホームページ)
http://www.wipo.org/eng/diplconf/distrib/index.htm (新条約草案など)

 世界知的所有権機関(WIPO)主催の「著作権・著作隣接権問題外交会議」が、
2つの新条約を採択して20日に閉幕した。
 共同通信によると、採択されたのは「著作権新条約」と「著作隣接権新条約」の2
つ。12月24日現在、WIPOのサイトでは、条約の最終原案が公開されている。
 今回の条約改正は、国によってばらつきのあるネットワーク上の著作権の取り扱い
について統一を図ることを目指すもので、1971年のベルヌ条約改正以来の大幅改編と
なった。
 新条約では、他人の著作物などを許可を得ずに勝手にネットワーク上に送信すると
違法となる。場合によっては、回線を提供したプロバイダーの責任も問われる。これ
までは明確に規定されていなかった、企業のデータベースやソフトウェアの著作権に
ついても、保護されるようになる。
 また、実演者やレコード会社が持つ著作隣接権も同様に保護される。しかし、今回
権利が認められたのは音に関するものに限られ、映像に関する俳優らの権利は認めら
れなかった。これは、ハリウッド映画界の圧力を受け、米国代表が反対したためとの
ことだ。
 これら2条約は、今後、参加30カ国の批准を得て発効する。各国は、新条約を受け
て国内法の整備を行なうことになる。
[Reported by takasaki@impress.co.jp]

(96年12月25日)