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新連載 OCN導入奮闘記
第1回 導入までの道のり
                                                                    齋藤正穂
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(編集部より)96年12月末よりサービスを開始したOCNだが、さて実際にどんなもの
だろうかと思っている読者の方も少なくないと思う。そこで、さっそくOCNを個人で
導入した齋藤正穂氏に、実際にどのようにOCNを導入したかのレポートしていただい
た。連載は週1回、全5回の予定。さて、OCNの実際やいかに!?
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 OCNが登場したことで個人ベースの専用線(NTTによると専用線ではなく常時接続と
いうことらしいが)を考えている人も多いだろう。私も実はその一人で、今回幸運な
ことに、最初のサービス地域に住んでいたので(正確にはその隣だが)事前に申し込
み、サービス開始のその日からOCNに接続することができた。そこで、今後個人ベー
スでも利用者が増えると思われるOCNの導入決定から実際に利用できるようになるま
でのレポートをお送りしたい。これからの導入を考えている人の参考になれば幸いで
ある。なお、今回は申し込みから導入までの概要を紹介し、次回以降で実際の導入に
関しての詳細をレポートしたい。なお、以後OCNとは、特に断らない限り「OCNエコノ
ミー」(128kbpsの低速サービス)を指している。

■OCNのサービス地域になるかどうか?
 NTTよりOCNの正式発表があったのは去年の2月23日、専用線が安価に手に入るらし
いということで期待は膨らんだが、一方詳細がなかなか明らかにされずにもどかしい
思いもした。その後、詳細が徐々に明らかにされ、藤沢市と大垣市で先行サービス開
始が発表されたのが10月9日だった。私はこの時点で導入を決心し、NTTの担当部署に
電話をした。私は鎌倉市在住で、鎌倉MA(Message Area:3分10円で通話できる地域)
はNTT藤沢支店の管轄だったからだ。つまり、鎌倉もOCN先行開始地区となるのではな
いかと思ったわけである。NTT側の回答は「検討中」ということだったが、結局鎌倉
地区は先行開始地区から除外された。

■ディジタルアクセスを使ってOCNを無理矢理自宅へ
 そこで、去年10月にサービスが開始され廉価版専用線として注目された「ディジタ
ルアクセス64」(以下DA64)を使って、OCNのバックボーンと局内で接続して、自宅
まで引っ張ってくることを検討した。しかし、これも技術的には可能でも、営業上の
問題で不可能(注)ということだった。結局、藤沢在住の知人の家にOCNを引き、知
人宅と自宅の間にDA64をひくことにした。つまり、知人宅で中継させるわけである。
将来、鎌倉でOCNのサービスが開始された時点で切り替えることを前提にして、知人
の許諾を得た。

(注)
NTTはOCNサービス地域の隣接地区で、将来的にこの形態のサービスを検討している。

■価格優先の機材選定
 最終的にその形でいくことに決定し、早速前準備に取り掛かった。私は学生である
ので資金は潤沢とはいえず、少しでも安価にをモットーとした。まずDNS、mail等の
各サーバーを自宅で受け持つか、NTTに委託するかを検討した。NTTに委託するのは楽
だが、ドメイン名が持てないなど制限も多い。一旦中継させることもあり、サーバー
は自宅に置くことにした。私はマシン自作派なので、自宅に転がっていたパーツを元
に組み立てた。次に藤沢の知人宅での中継は、ルーターをOCN側とDA64側の2台置いて、
間をEthernetで接続するというオーソドックスかつリーズナブルな方法に決定、自宅
に置くルーターと合わせて3台を調達することになった。当初はルーターをヤマハの
RT100iで考えていたが、最終的にはコストを抑える為にNTTの「IPMATE 1000R」にし
た。これはDSUを内蔵していながら10万円を切る価格設定が魅力で、主にOCNエコノミ
ー用として、OCNサービス開始と共に販売されている。

■ドメイン名は地域ドメインを利用することに決定
 自宅でDNSを持つので独自にドメイン名を取得した。取得自体は簡単で、手数料を
振り込んでJPNICに指定された形式でメールを送付するだけである。今回は個人とし
ての取得だったので、地域ドメインの割り当てを受けることにした。サーバーのOSは
12月10日に発売になったMicrosoft Windows NT Ver.4.0にすることにし、NT Server
標準のDNSを利用することを検討した。しかしDNSとしての実績や安定性に不安がある
ことと、コスト的な面からNT Workstationにし、DNSにはフリーで配布されている
Windows版BINDを利用することになった。これは、一番安定しているUNIX用DNSであ
るBINDを、開発チームの一人であるPaul VixieがWindowsに移植したものだ。12月中
旬にはルーターも設置し、あとは接続を待つだけの状態になった。

 12月19日、ようやくOCNサービスの認可がおりて、早速にも翌日に工事を行なって、
当日中に仮接続された。24日にJPNICのネームサーバーに登録されて、25日に正式開
通となった。以来現在まで特にトラブルは起きていない。
 さて、次回は機材を選定のポイントはどこかなど、ハードウェア的な面を中心に詳
細をレポートしたい。
[齋藤正穂(masao@saito.kamakura.kanagawa.jp)]

(97年1月17日)