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連載 OCN導入奮闘記
第2回 必要なハードウェア
                                                                    齋藤正穂
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 前回の記事はそこそこの反響があり、嬉しい限りです。私のメールアドレスからホ
ームページのURLを推察して、見て下さった方々が沢山いらっしゃいました。ありが
とうございます。今回、自宅にサーバを設けたので家族全員分のメールアドレスとホ
ームページを作成したのですが、なんと私の母に「OCNについてお聞きしたい」とメ
ールを送られた方までいました。この記事に関するお問い合わせは、ぜひ私
<masao@saito.kamakura.kanagawa.jp>までお願いします。ただし、申し訳ありません
が、連載が終了するまで、お問い合わせ等に個別には応じかねますので、よろしくご
了承下さい。

■どんな機器で構成されてるの?
 前回述べたようにOCNから自宅へはDA64を介して接続されているわけだが、当然そ
の構成は複雑になっている。少々見にくいが以下の図にあらわしてみた。

OCN Backbone <= 128kb => Router
                            |
 藤沢net(知人宅)        -+--+-- 10BASE Ethernet
                         |
                      Router <= DA64 => Router
                                           |
 鎌倉net(自宅)                      ...-+--+--+- 10BASE Ethernet
                                        |     |
                                   Client     Server

 見てお分かりのように二つのネットワークからなっており、藤沢netでOCNに接続さ
れ、藤沢netと鎌倉netを、DA64を使ってLAN間接続する形となっている。OCNの場合、
ユーザーがDNSを持つ場合はIPアドレスを16個、つまり28bitネットマスク(以下/28)
分割り当てられるが、これを29bitネットマスクのネットワーク二つに分割して藤沢
netと鎌倉netに割り当ててある。ルーターはOCN用に1台、LAN間接続用に2台、合計3
台必要となる。また、OCN、DA64共、ユーザー側にひかれる線はメタリックワイヤ
(銅線)で、保安器を通して屋内に引き込まれてRJ11のモジュラージャック(MJ)の
口に開く。一般の電話線と全く同じだ。そのMJとルーターとの間にはDSUとTAが必要
になる。実際にはTAはルーターに内蔵されていることが多いので、今回はDSUが3つ必
要となった。

■コスト優先のルーターの選定
 さてそのルーターだが一般には馴染みのない装置ということで、選択肢は少なかっ
た。当初最有力候補だったのがヤマハのRT100iである。その実績やサポート力(メー
リングリストまである)、入手性の良さ、機能・設定の豊富さ、そしてOCNの接続認
定をとっていること等を評価したからである。しかしそれらにも勝る「コスト」で採
用を決めたのがNTTのIPMATE 1000Rである。これはNTT自身がOCN向けに開発したルー
ターで、DSUを内蔵していながら定価¥98,000というコストパフォーマンスの良さと、
比較的容易な設定が特徴である。今回、最初の頃はIPMATE 1000Rが間に合わないとい
うことで半ば諦めていたのだが、最終的にはなんとか3台調達してもらった。RT100i
の最低市場価格は十数万であるから、定価でIPMATE 1000Rを購入しても差額は数万、
DSUも不要になるのでさらに2万程度浮いた。それが3台分であるから、計12万近く節
約できたことになる。

■24時間ノンストップ運用のサーバーが必要
 独自のドメインをとってインターネットに接続するとなると、24時間運用するサー
バーが必要になる。最低限DNSとメールサーバーはもたなければならない(注)。そ
れ以外にもホームページ等で情報発信したいのならば、httpサーバーも要る。/28の
場合、実際にクライアントに割り当てられるIPアドレスは、ネットワークアドレスと
ブロードキャストアドレス、ルーターとサーバーのアドレスを除いた分なので12個と
なる。この程度の小規模ネットワークならば、全てを1台のサーバーで賄える。マシ
ンパワーもそれ程必要ではなく、今回もメインマシンのお古のパーツをもとにして1
台組み立てた。簡単なスペックはCPU:Pentium100、Memory:64MB、HDD:1.2GB である。
一般的な注意点としては、ノンストップなので電源の質には気をつけ、設置場所によ
っては騒音も考慮にいれたい。予算に余裕があるなら、停電時に少なくとも安全にシ
ャットダウンするための無停電電源も欲しい。サーバーが動かなくなったとき一番困
るのは自分であるので、十分考慮したい。

(注)本来DNSは2台以上必要だが、セカンダリはNTTのDNSで分担してくれる。

■ネットワーク(LAN)の敷設
 ルーターとサーバー、各クライアントはLANで結ぶことになるが、一般的には
Ethernet、特に10BASE-Tが主流となるであろう。当然自宅のLANも10BASE-Tで構成さ
れている。私の場合、OCN導入以前からLAN環境を構築してあったのでほとんど手間は
かかってない。敢えていえば、今回OCNを導入するにあたり2軒隣に住む友人も参加し
たいとのことで、隣家の許可を得て自宅と彼の家の間になんとかカテゴリ5の線を敷
くことになった。当然屋外なので裸でケーブルを通すわけにはいかない。そこでまず
両者共通の万年塀に、コンクリートドリルでネジ穴を開けつつクランプでテレチュー
ブを固定していった。塀から屋内へは空中配線では危険だということで一旦土中を通
し、誤掘削によるチューブ切断を避けるためテレチューブごと金属パイプに通し埋設
した。屋内へはエアコンの室外機用の穴を利用して引き込んだ。あとはテレチューブ
にケーブルをひき通して、総ケーブル延長約40mを敷設した。いまのところ極めて良
好に使用できている。なお、今回は場所的に問題にならなかったが、開けている場所
等では落雷に十分留意する必要がある。因みにこの友人の参加で月々の支払いが楽に
なった。コスト面でお悩みの皆さんも隣家をお誘いしてみてはどうだろうか?

 次回はソフトウェア的な面を中心にお届けしたい。
[齋藤正穂(masao@saito.kamakura.kanagawa.jp)]

(97年1月24日)