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将来は自宅や会社でローンの即時審査も可能に!
富士銀行の新端末「新型マルチメディアバンク」レポート
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/www/article/970418/fujibank.htm

 自宅や会社のパソコンから、銀行のローンやクレジットカードの即時審査が受けら
れて、ビデオカメラで対話相談もできる…そんなことが遠くない将来に可能になるか
もしれないと思わせるシステムが登場した。
 4月15日から大手町の地下街「富士銀通路」にあるキャッシュディスペンサーコー
ナーの一角に登場した「新型マルチメディアバンク」は、カードローンやクレジット
の受け付けや即時審査、テレビ電話を使った相談などが行なえる新しい端末。これま
で受付から2週間かかった審査が、この端末を使って即時審査することにより30分に
短縮されるという。
 さて、「新型マルチメディアバンク」の外観だが、テレビCMなどでよくで見かける
消費者金融の無人契約機に少し似ている。しかし、なんとこれにはインターネットの
技術がフル活用されているというのだ。
 富士銀行によると、この端末はなんとPC/AT互換機パソコンとプリンター、スキャ
ナー、ビデオカメラの組み合わせで作られており、コンテンツはHTML文書とJava、
JavaScriptで作られているのだそうだ。使用しているOSはWindowsNT。コンテンツ表
示に使用しているソフトはなんとお馴染みのWWWブラウザー「Netscape Navigator」
だという。実際に試してみたところ、一見するとブラウザー特有のメニューや「鍵」
マークなどが見えないため、本当にWWWブラウザーなのかわからない。しかし、表示
画面が切り替わる時に見えかくれする小さなアイコンは、まさしく画像読み込み中に
Netscape Navigatorが表示する見慣れたアイコンなのだ。操作は、タッチパネル形式
で、利用したい項目に触れていくと進められるしくみ。実際にローンの申し込みをす
る際には、端末のそばにある申し込み用紙に記入し、指示に従って申込用紙や免許証
などをスキャナーで読み込ませるといった作業も加わる。なお、店舗案内や、ローン
シミュレーションなどの基本的なコンテンツはローカルのHDDに収められている。
 この「新型マルチメディアバンク」の機能で一番面白かったのは、操作画面をユー
ザーとサポートセンターのオペレーターとの両方で共有できるようになっているとこ
ろだ。もしユーザーが操作に戸惑ってしまった場合、呼び出しボタンをタッチすると
メニュー画面の隣のウインドウにオペレーターが登場し、目的の画面へと導いてくれ
るのだ。相互の会話も画像もかなりスムーズ。サポートセンターへはTCP/IPプロトコ
ルを使って、INS64で接続されているとのことだ。
 「新型マルチメディアバンク」の一番の狙いは、有人カウンターを減らし、店舗コ
スト下げることだという。開発担当者によれば、HTMLでコンテンツを作成したのは、
将来的には一般家庭のパソコンでの利用や、富士銀行のホームページとのコンテンツ
共有にも対応することを考えてとのこと。現在この端末は大手町のほか、吉祥寺駅前
の無人店舗、日本IBM箱崎事業所内にもある。住所変更などの諸届けができる機能を
付加し、完成したものを全国展開したいと話している。
[Reported by junko@impress.co.jp]

(97年4月21日)