============================================================================ 11:サオリ姉さんのSurfin'USA ============================================================================ /www/column/surfusa/index.htm ●SPAMに関するあまり深くない考察(その1) -------------------------------------------------------------------- ■SPAMってなに? 「この頃、MLがジャンクメールでSPAMされてるね。」 「広告メールを大勢に送ると、SPAM扱いされるよ。」 欧米インターネット利用者の間でこんな会話が交される。「SPAM(スパム)」とは、 ジャンクメールやジャンクメールを送る行為などをさして使われる言葉。コンピュー タ用語の中には語源に興味深いいきさつのあるものが多いが、中でも特にユニークな 由来を持つSPAM。欧米インターネット文化のちょっとした常識でもあるこのSPAMとい う単語を、今回は徹底的にチェックしてみよう。 ■「SPAM」を辞書で引いてみると… 1985年からコンピュータとインターネット用語の無料辞書をオンラインで提供して いる「Free On-Line Dictionary Of Computing」 で「SPAM」を引いてみると、こん な詳しい解説がある。 1. ニューズグループやメーリングリストに内容のそぐわないポストをすること(由 来はMonty PythonのSPAMの歌)。 2. 商業宣伝の目的で大量のメールを送り付けること。 3. 商業用の目的で通信サービスを誤用すること。 4. 許容量を超えるデータを送り、プログラムを麻痺させること。 メーリングリストでの趣旨に反した内容や攻撃的な投稿はSPAM、それに対する反論 投稿の連鎖反応もSPAM、商用ジャンクメールもSPAMで、検索エンジンに大量登録をす るような通信サービスの誤用もSPAMなんだそうだ。ネチケット違反の第1項のような 意味を持つSPAMだが、インターネットの外でSPAMと言えば、Hormel社の豚肉加工缶詰 のこと。それがどうしてこんなに悪名高いインターネット用語に変身したのか? き っかけは、どうやら「Monty PythonのSPAMの歌」にあるらしい。 ■Monty Pythonの「SPAMの歌」 ブラックユーモアで有名な英国のコメディーチームMonty Python。弾丸のような言 葉のジョークと、女装や聖職者の服装などでタブーを犯した題材、それに加えてシュ ールなグラフィックスの連続のスキットで、本国はもちろん米国や欧米諸国に熱烈な ファンを持つ。彼らのコメディー番組「Monty Python's Flying Circus」は、日本で もテレビ放映されていた時期があるので、覚えている方も多いだろう。現在、Monty Pythonとしての活動は停止しているが、インターネットに「PythOnline」なるホーム ページを持ち、摩訶不思議な発信を続けている。 マニアックなジョークが好きなネティズンにも人気が高いMonty Python。これがネ ット用語創造に貢献したとあって、問題の「SPAMの歌」を克明に記録しているファン が存在する。そんなサイトの一つによると、この歌はこんな風に登場したようだ。 (あるレストランでの出来事。大テーブルを占領するバイキングの集団。そこへある 夫婦が入ってくる。ウェイトレスに向かってメニューを訪ねる夫。) ウェイトレス :え~っと、今日のメニューは、卵とベーコン、卵とソーセージと ベーコン、卵とスパム、卵とベーコンとスパム、卵とベーコンと ソーセージとスパム、スパム卵とスパムとスパムベーコン、スパム ソーセージとスパムとスパムベーコンとスパムトマトとスパム… バイキングたち:(歌い始める)スパム、スパム、スパム、スパム ウェイトレス :スパム、スパム、スパム、卵スパム、スパム、スパム、スパム、 スパム、スパム、スパム、煮豆スパム、スパム、スパム バイキングたち:(歌)スパム! ステキなスパム! ステキなスパム! 妻 :スパムが入ってないものはないの? ウェイトレス :ありません。 バイキングたち:(だんだんと歌声が大きくなる)スパム、スパム、スパム、スパム 妻 :(悲鳴)スパムは嫌い! 夫 :大丈夫、僕が君のスパムを食べるから。僕はスパムが大好き。 ただしこれは要約で、実際はもっとしつこいSPAM攻撃と抵抗が展開されるのだが、 要はこの連呼に屈して、SPAM嫌いの夫婦もSPAMを注文せざるを得なくなるというオチ だ。缶詰のSPAMは低価格で末端の食品というイメージがあり、あまりレストランでは 使われない食材。「SPAMが好物」という恥ずかしい状況を面白く使った、Monty Pythonならではの題材だ。 このスキットが放送されたのは、インターネットが普及するずっと以前のこと。ネ ットでのジャンクメールの横行が確認された頃、ネティズンはこのスキットの「しつ こいSPAM」を思い出し、ジャンクメールのしつこさと結びつけた。これが悪名高い SPAMの語源ということらしい。ちなみにこのスキットの画像をチェックできるサイト もあったりする。(つづく) ■関連URL http://wombat.doc.ic.ac.uk/foldoc/ (Free On-Line Dictionary Of Computing) http://www.pythonline.com/ (PythOnline) http://www.webbnet.com/~ahenry/mpspam.html (Monty Python Spam Sketch) http://www.dcscomp.com.au/sdp/pictures/sketches/spam.htm (Pictures from the Spam sketch) [Reported by saori@earthlink.net] (97年11月5日)