[法規制]
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04:風営法改正案は、表現の自由を侵害する危険な内容
   インターネット弁護士協議会が声明
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http://www3.justnet.ne.jp/~ilc/index.html (インターネット弁護士協議会)
http://www3.justnet.ne.jp/~ilc/appeal/fueihou.htm (風営法改正に対して)

 6日に閣議決定された風営法改正案(本誌2月12日号参照)に対し、インターネット
弁護士協議会が声明を発表した。「表現の自由を侵害する内容」だとして異議を唱え
ている。
 改正案では、「性的好奇心をそそる」映像を掲載・送信するインターネット上の商
用アダルトサイトは「映像送信型性風俗特殊営業」と位置づけられ、業者の届け出義
務、未成年者への閲覧・送信の禁止、サイト運営者に対するプロバイダーの管理努力
などの規制が盛り込まれている。
 これに対し協議会は、まず、「規制となる映像の範囲が不明確」なため、通常のア
イドル写真集や芸術作品と区別がつかないと指摘。必要以上に広範囲なサイトに対し
て届け出が義務づけられれば、「表現行為の萎縮効果」が生じ、「憲法の保証する表
現の自由を侵害する」としている。また、未成年者に対する閲覧・送信の禁止につい
ては、「アクセスしているのが未成年者かどうかの判断が確実にできない段階で規制
するのは違憲」と判断されたアメリカ連邦最高裁判所での判決例を挙げ、警察庁の姿
勢に疑問を投げかけている。さらに、プロバイダーの管理努力を求めることで、電気
通信事業法により本来は情報に関する検閲をしてはならない地位にあるプロバイダー
に対して「私的検閲を強要するもの」と指摘している。
 現在、国内においてもインターネット社会に対応すべく、さまざまな制度・法律が
急ピッチで検討されている。協議会では、今後改正案を検討していくにあたっては
「世界の趨勢を、そしてインターネットの本質を忘れないように」慎重に進めてほし
いとしている。
 インターネット弁護士協議会は、弁護士によるインターネットの利用促進、市民へ
の法律情報の提供などを目的として'96年9月に結成。代表の牧野二郎弁護士は、わい
せつ図画公然陳列ほう助罪で起訴された画像処理ソフト「FLMASK」作者の弁護人を務
めている。
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]

(98年3月12日)