[イベントレポート] ---------------------------------------------------------------------------- 04:主婦や子供が集うマルチメディアの展示会「ぱそまる'98」レポート 家庭向けインターネット関連製品勢揃い ---------------------------------------------------------------------------- http://www.nikkei.co.jp/events/pasomaru/ パソコン初心者、ファミリー向けの展示会「家族ではじめるパーソナルマルチメデ ィア~ぱそまる'98」が、東京ビッグサイトで開催された。イベントは、生活の中で の情報機器やインターネットの活用法、役立つ情報提供サービスなどを紹介するとと もに実際に体験してもらおうというもの。隣のホールで「ボリショイサーカス」が開 催中ということもあり、ビッグサイト内は家族連れで賑わっていた。もちろん「ぱそ まる」会場内も家族連れが多く、ビジネスマン/PCユーザー対象の展示会とは明らか に異なる客層が中心となってた。 ●家庭向けインターネット端末がぞろり 出展された製品/サービスも、家庭向けの物が中心。特に、インターネット関連で は、Set Top Box(STB)型やインターネットTVなど家庭向けのインターネット接続端末 が勢揃い。ウェブ・ティービー・ネットワークスの「WebTV」、日本電算機の「iBOX」、 NTTデータの「カードでね!」、ビューネットシステムズの「ネット・ボックス」と いったSTBが展示されており、子供がWebTVを操作する場面などが見られた。また、日 本電気(NEC)では、新サービス「端末付きインターネット接続サービス」を参考出展 していた。これは、「BIGLOBE」のサービスと同社のインターネット端末「MULCO」を セットで提供するというもの。あくまでも「インターネット接続サービスに端末が付 いてくる」というスタンスのサービスで、本来75,000円(専用デジタルカメラ付きタ イプ)のMULCOの費用は、BIGLOBEの利用料金に分散して上乗せする形になる。担当者 は「これにより導入するための敷居が低くなる」としている。なお、端末には日本電 算機の「iBOX」も選択できるようになっている。具体的な料金/サービス提供開始時 期は未定。 ほかには、三洋電機の「インターネッター」、NECの「インタ楽tv」などのイン ターネットTVが展示されていた。関係者に売れ行きを聞いたところ「売れていない」 とのこと。今持っているテレビがそのまま使えるSTB型のインターネット端末が多く 登場している現在では、すっかり影が薄くなった印象だ。ちなみに'97年7月に発売さ れた「インタ楽tv」は発売以来スペック等のグレードアップをしていないとのことだ。 ●電子マネーに触れる 会場には、住友VISAによる電子マネー「VISAキャッシュ」体験コーナーが設けられ た。入場の際に抽選券をもらい、抽選に当たると1,000円分のVISAキャッシュがもら える。もらったVISAキャッシュは、会場内約10社のブースで実際に買い物ができると いうもの。抽選コーナーには常に長蛇の列ができており注目度は高かった。なお、こ のVISAキャッシュは16日からスタートした「渋谷スマートカードソサエティ(SSS)」 (本誌'98年7月16日号参照)で利用されるものと同じICカードが使われている。電子マ ネーが広く浸透した場合、もっとも利用する機会が多いのは、普段からなにかと買い 物が多い主婦。将来のヘビーユーザーに電子マネーの利便性をアピールするには、こ のような会場はうってつけだ。 ●シャープが液晶マルチメディアホンを参考出品 熱心に担当者に話を聞き入る人が多かったのが、シャープが参考出品した「液晶マ ルチメディアホン」だ。これは、1台で電話、FAX、電子メール、ホームページの閲覧 ができるという電話機ベースの端末。小型の家庭用FAX程のサイズで中央に装備され た液晶ディスプレイをタッチして操作する。電子メールや留守番電話、FAXの着信を ボタンの点灯で知らせる「メッセージ機能」や、ナンバーディスプレイ対応でかかっ てきた電話の相手に関する情報を見たり、書き込んだりできる「パーソナル情報」機 能などがある。また、設定した時間に必要なホームページを自動的に読み込んで蓄積、 キャッシュしたページを後で見られる「ワンタッチインターネット機能」も装備して いる。ハード的には、33.6kbpsモデムを装備、また静止画像赤外線転送規格「IrTran -P」に準拠した受光部を装備しており、同規格準拠のデジタルカメラから画像を取り 込むことができる。また、OCN、ODN、InfoWebの3つのプロバイダーのオンラインサイ ンアップ機能も内蔵しているとのこと。担当者によると、すでに製品化の準備が進ん でおり、秋には発売する予定、子機込みで価格は15万円前後になりそうとのことだ。 すべてタッチパネルによる操作で行なうことができ、実際に触れてみた感じでは操 作性はよかった。家電に組み込むでも、STBでもなく「電話機」ベースの端末という ことで外見も機能的にも新鮮に映った。会場では、ノートパソコン「BIBLO」のハロ ーキティモデルに子供達が群がるなど人気を集めていたが、液晶マルチメディアホン にはビジネスマン風の男性数人が「おぉ、これだこれだ」と展示ブースに駆け寄る場 面も見られるなど、ある意味で裏の「注目度ナンバーワン」と言えそう。 [Reported by okiyama@impress.co.jp] (98年7月27日)