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-2000年9月21日-

ハギア・ソフィア学術調査団

http://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/~hsophia/new_page_1.htm

 ハギア・ソフィアとはトルコはイスタンブールにある東方教会の大聖堂。537年建造というから1,500年も前の建物になる。当時コンスタンティノープルと呼ばれていたイスタンブールは、ビザンティン帝国の首都として栄え、主にギリシャ人の住む街だった。当時、キリスト教は西のローマ・カトリックと東の東方教会(オーソドックス)に事実上分裂していた。その東方教会の大本山として建造されたのがハギア・ソフィアで、当時の建築技術の粋を集めて作られた。当時としては破格の大きさのドームをもつ大聖堂として威容を放っていたに違いない。建築史のなかでは初期ビザンティン様式として位置付けられ、重要な建築として日本からも調査団が派遣されている。
 ハギア・ソフィアは歴史に翻弄されたその経歴が興味深い。1453年コンスタンティノープルはオスマン帝国によって陥落し、ハギア・ソフィアはモスクに改装された。敷地の四方にはアザーンを流すミナレット(尖塔)が加えられ、内部のキリスト教のモザイク画やイコンは漆喰で塗り固められた。このあたりは塩野七生の歴史小説でも有名だろう。その後、トルコ共和国の成立にともないアヤ・ソフィア博物館となり、漆喰がはがされて再び貴重なビザンティン美術が姿をあらわした。現在はキリスト母子画とイスラム時代に加えられたメダイヨンのアラビア文字が同居する観光名所となっている。

[Reported by 齋藤 正穂]


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