柳谷智宣の「働き方改革に効く!デジタル士魂商才」

第13回

電話でオンライン営業できる「ベルフェイス」を使ってみた~コロナ禍でニーズ爆発!

ユニークなCMでも認知度の高い「ベルフェイス(bellFace)」

 新型コロナウイルス感染症の影響で、これまで通りのビジネスができなくなっている業種・職種がある。中でも、営業は足を使って顧客のところに顔を出し、対面でコミュニケーションして仕事を取ることが多かった。しかし、コロナ禍では気軽に顔を出すこともできない。そこで、オンラインでの営業ツールが脚光を浴びることになった。

 数年前から、足で稼ぐ営業はもう古い、というトレンドが起きていた。営業マンが移動するというのは、それが大きなコストにもなる。ITの力を使い、効率化するのは自然な流れだ。

 今回は、国内No.1(「電話とブラウザ同期技術を組み合わせた遠隔営業システム部門における調査」4部門にて)オンライン営業システムと謳う「ベルフェイス(bellFace)」にお話を伺い、実際に使ってみたレポートを紹介する。

「とにかく簡単に顧客とつながれる」ようにするため、電話を活用

 ベルフェイス株式会社は2015年に創業し、2020年までで累計導入企業数は2500社を突破している。今年2月には52億円を調達している。「勘と根性の営業をテクノロジーで解放し、企業に新たなビジネス機会をもたらす」をミッションとし、オンライン営業システムを展開している。

 Zoomのようなオンライン会議システムと異なるのは、映像はインターネットを利用するが、音声は一般的な電話回線を使う点。そして、営業に特化した機能を多数搭載しているところだ。

 インターネットにつないでいるなら、もちろん音声での会話もできる。それでも電話を使うのは、簡単だから。

 今や、Zoomをはじめオンライン会議が当たり前のようになったと感じている人は多いかもしれない。しかし、このオンライン会議は、世間一般にはまだまだ普及しきったとは言えないのだ。今でもZoom会議を開くと、映像が映らない、音声が聞こえない、というトラブルは多い。みんながみんなITに詳しいわけではないのだ。中には、自分のせいなのに機嫌が悪くなる人がいる。仕事であればやらざるを得ないし、指示することもできるが、これから営業する顧客であれば、切られてしまいかねない。

Zoomでもオンライン会議はできるが、ある程度ITに慣れていないとうまく接続できないこともある

 また、ベルフェイスなら電話番号が分かっていれば電話をかけてオンライン営業をスタートできるが、一般的なオンライン会議システムだとメールアドレスを聞いて、アクセス用のURLとパスワードなどをやり取りしなければならない。同僚や取引先なら問題ないが、初めて話す相手だと、メールのやり取りもハードルが高い。

 そのため、ベルフェイスでは電話を起点にオンライン営業を行えるようになっているのだ。時間になったら、営業が顧客に電話し、顧客は自分のPCでベルフェイスのウェブサイトを表示し、指示された数字を入力すればつながる仕組みだ。

 「オンライン営業は移動経費や移動時間がなくなるのも大きなメリットです。1日にこなせる商談の量が増える上、遠隔地でも商談ができるようになります」と話してくれたのは、ベルフェイスのBrand Strategy & PR Managerの高橋信也氏。

 従業員の時間は大きなコストなので、移動時間を削減できる効果は大きい。従来だと、今日は品川区方面を連続で訪れるとか、出張するので長野県はまとめて……とルートを考えなければならないが、オンライン営業であればその手間もまるっと不要になる。遠隔地でも、近隣と同じ手間で営業できるのだ。

 ほかにも営業に特化した補助機能を多数搭載している。名刺代わりに自己紹介画面を表示してアイスブレイクに活用したり、チャットでテキストを送ったりできる。もちろん、資料を共有しながらプレゼンできるし、ファイルを送信することも可能。トークをサポートするためのカンペ機能を用意しているのもユニークだ。

営業トークの“カンペ”機能を装備、名刺プロフィールが雑談のきっかけにも

 今回は、体験版を利用させてもらうことができたので、早速使ってみよう。まずは、「資料管理」を開き、プレゼンに使うファイルをアップロードする。PDFやPowerPoint、Word、Excel、Keynote、動画などに対応している。PDFとPowerPointが推奨されており、今回はPDFファイルをアップロードしてみた。

 ファイルをアップロードすると分析が始まり、1ページずつサムネイルが表示された。右側にはトークスクリプトを2000文字以内で入力できるようになっている。このトークスクリプトは、顧客と画面共有する際、自分だけに表示されるカンペとなる。

「ベルフェイス」にログインし、「資料管理」をクリックする
PDFをアップロードした画面。カンペ用のトークスクリプトを登録できる

 営業がスタートしていきなり自社サービスの話をし出すのも味気ないので、最初は雑談というかアイスブレイクをしたいところ。しかし、お互いオフィスにいるのに、電話で天気の話をするのも空々しい。そこで、名刺代わりに自己紹介画面を開き、プライベートの写真や趣味などをフックに会話を弾ませることができる。

 これで、最低限の準備は完了だ。

名刺プロフィールを設定しておく

顧客とは4桁の“接続ナンバー”でつながる仕組み、専用アプリも不要

 早速、営業してみよう。アポを取っている顧客に電話して、PCを開き、ブラウザーで「ベルフェイス」と検索してもらう。アポを取っていなくても、通常の電話営業から「お手元にPCがありましたら、対面と同じような環境でご説明できます」と誘導する手もある。

 顧客がベルフェイスのウェブサイトを開くと、トップページに「接続ナンバーを発行」というボタンが表示される。このボタンをクリックしてもらい、画面に表示される4桁の番号を教えてもらう。

 こちらは、「接続」メニューの「電話商談」ページを開き、教えてもらった4桁の数字を入力し、「電話商談を開始する」をクリックすればいい。

顧客に「ベルフェイス」を検索してもらい、接続ナンバーを発行してもらう(顧客側画面)
画面に表示された数字を電話で教えてもらう(顧客側画面)
「接続」ページに教えてもらった数字を入力し、「電話商談を開始する」をクリックする
顧客側の画面にはブラウザーがカメラとマイクにアクセスする許可をもらう

 顧客側がカメラとマイクへのアクセスを許可すれば、お互いの顔が表示され、会話ができるようになる。アイスブレイクするなら、メニューから「名刺」をクリックし、登録しておいた自己紹介画面を開いて雑談しよう。

 電話を利用しているので、音質はばっちり。インターネット回線を利用すると遅延が発生したり途切れてしまうことがあるが、その点、電話だと安定している。

 顧客側からしたら、アプリのインストールも必要なく、設定も不要。マイクやスピーカーの設定なども気にせずにつながるというのがなんといってもラク。この手軽さと確実さが、ベルフェイスのウリなのだ。

顧客と映像がつながり、会話を始められる。もちろん音声は電話を利用する
「名刺」をクリックして自己紹介からスタートしよう

プレゼンしながら顧客と資料を共有、マウスでのポインティングや書き込みも同期

 「資料共有」をクリックすると、あらかじめアップロードしておいた資料を顧客と共有できる。相手の顔の映像は小さくなり、資料が大きく表示される。トークスクリプトを登録しておけば、カンペも表示される。これは顧客には見えていないので、安心しよう。

 マウスをドラッグすると線を引くことができる。強調したいところを囲むなど、対面プレゼン時のレーザーポインターのように利用できる。同じように、顧客側も自由にマウスで線を引くことができる。

 顧客側にもこちらのマウスポインターが表示されている。話している部分にカーソルを置いておけば、注目してもらえるが、無意識にふらふら動かすと顧客の集中力が削がれてしまうので注意したい。

資料を共有している画面。右上にカンペが表示されている

 そのほか、「ファイル送信」では任意のファイルを直接送信でき、「共有メモ」はテキストメモを残せる。どちらも、双方向でやりとりできるので、資料の提供や議事録の作成など必要に応じて活用しよう。なお、ファイルサイズは最大50MBまでとなる。

 セキュリティ機能で、顧客へのファイル送信を禁止することもできる。企業ごとのルールに従って柔軟に運用できるのはありがたい。

「ファイル送信」をクリックすると、ウィンドウがポップアップするので送信したいファイルをドラッグ&ドロップする
「共有メモ」では議事録や確認事項などをテキストで残しておける

 営業が終われば、「終了」をクリックして終了する。相手の画面には、アンケートが表示され、営業した商材に関して、「絶対勧めない」から「ぜひ勧めたい」を5つの★で評価してもらう。とても重要な指標になるので、ぜひ回答してもらおう。

 営業側の画面には顧客情報の登録画面が開く。相手の企業名や名前を入力し、「保存する」をクリックする。

終了後にアンケートが取れる(顧客側の画面)
営業が終わったら、情報を登録する

商談の録画・録音から“顧客が笑顔の箇所”を判定、テキスト検索にも対応

 営業のスキルがまちまちだと、人によって成績の差が大きくなる。そんなときは、できる営業マンのトークを社内で共有しよう。「レコログ」機能をオンにすれば、営業を録画・録音できるようになる。映像は営業側の画面を録画し、音声は顧客側のPCマイクで録音したデータを合わせた動画となる。当然、営業側の音声も入れておきたいだろう。そんなときは「レコログアプリ」をインストールしておけばいい。Windows 8.1以降、macOS 10.13以降に対応するが、現在、最新のmacOS Big Sur(11.0.1)では動作しないので注意が必要だ。

 商談記録から録画を再生すると、録画映像を見ながら、営業側と顧客側の音声を同時にチェックできる。映像の中身も分析され、話しているのか名刺を表示しているのか、資料を共有しているのかがまる分かり。表情と音声から顧客が笑っているポイントにもマークが付くのは面白い機能だ。再生スピードを調整できるのも時短になるのでうれしいポイントだ。

 「会話検索」は商談時の会話をテキストで検索できる機能。バックグラウンドで書き起こしされたデータから検索し、再生ボタンをクリックすることで該当箇所の映像を簡単に確認できる。

「商談記録」の「基本検索」で営業の履歴を確認できる
あとで録画データを見直して反省したり、社内で共有したりしてスキルアップに役立てられる
「会話検索」では話した言葉で検索できる

 動画にはしおりを付けてコメントを残しておける機能がある。これは自分で見返して気になるポイントをメモしたり、上司から部下へアドバイスするときに活用できそう。コメントの横の再生ボタンを押せば、その部分が直接開くので、見返すのも簡単。スキルアップに大いに寄与しそうだ。

「しおり作成」でしおりを残し、「しおり一覧」で確認できる

 外部サービスと連携する機能も備えている。例えば、商談が終わったら、ChatworkやSlackに商談記録の情報が通知できる。上司が部下の営業をチェックする際も、レコログのURLをクリックするだけで再生されるので手間がかからない。

 ほかには、クラウドサインと連携し、営業中にクラウドサインの契約書情報を呼び出して、そのまま契約することも可能。CRMのSalesforceと連携し、Salesforce上からベルフェイスに接続することもできる。

ChatworkやSlack、クラウドサインと外部連携できる
営業終了後に商談の内容がビジネスチャットサービスに送られてくる

 今回いろいろと使ってみたところ、営業のためのツールとして導入するなら、ビデオ会議ツールよりもベルフェイスの方が適していると実感した。流石に営業に特化していると謳っているだけある。

 オンライン営業ツールに興味があるなら、まずはベルフェイスに問い合わせてみてはいかがだろう。当然、ベルフェイスの営業もベルフェイスを使っているので、真正面からツールの効果を体感できるだろう。

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柳谷 智宣

IT・ビジネス関連のライター。キャリアは22年目で、デジタルガジェットからウェブサービス、コンシューマー製品からエンタープライズ製品まで幅広く手掛けている。都内で飲食業「原価BAR」やウイスキー販売会社「トゥールビヨン」も経営しており、デジタル好きと経営者の両方の目線で製品やサービスを紹介するのが得意。