● ライトなクラシック好きにもおすすめ! 格安チケット販売サイト
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チケット・ポンテ http://www.tponte.com/ クラシックコンサートのチケットが格安で入手できる「チケット・ポンテ」。画面右の「チケット」から購入できるチケットの一覧がチェックできる
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「仕事の効率を上げる方法」は皆さん悩まれるところだと思いますが、私の場合は「クラシック」です。いろいろやってみた結果、一日中煮詰まらずに仕事をするには、「iTunes Podcast」の「ラジオ」でBGMにクラシックを流すのがベストだと最近気が付き、30歳過ぎて、いまさらクラシックを聴くようになりました。
で、知識がないなりにも、聴き始めるとやっぱり生の演奏が聴きに行きたくなるもの。しかし、実際調べてみると、クラシックのコンサートはそれほど大きな会場で行えないこともあってか、3,000円くらいから3万円程度までと安くはありません。オペラのS席だと5万円台になる場合も。演奏者により大きな差があるので一概に言えませんが、だいたい4,000~7,000円くらいの予算を見た方がいいようです。
ポップのコンサートから舞台演劇、プロレスにいたるまで、およそ興業と呼ばれるものは、たいていそのぐらいの値段はするので、クラシックが特別高いというわけではありません。でも、さすがに1,000円、2,000円で安く見られる野球やサッカーと違って、「気が向いてふらっと」行ける額ではなく、コンサートまではなかなか行けませんでした。
そんな、私のようなライトなクラシック好きにもおすすめなのが今回の「チケット・ポンテ」です。登録されているコンサートのチケットを半額以下で購入できるサービスで、安いものだと1,000円台から購入可能。クラシックのコンサートが身近に感じられるサイトです。
● コンサートに「クーリングオフ制度」を導入したユニークな企業が運営
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1回の公演で配られたクラシックコンサートのチラシの山。このほとんどが、首都圏で6月のたった1カ月間で行なわれるコンサートの予告チラシ
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この「チケット・ポンテ」は、主催者から委託されてチケットを格安で提供しているネットだけのサービス。運営する「ヴォイスファクトリー」は、さまざまな演奏会のプロデュースや主催事業を行なう企業で、“2~3曲目の終わりまで聴いて、つまらなかったら退場して入場料金の全額払い戻し可能”という、独自の「クーリングオフ制度」を行なっているユニークな会社です。
実は東京は、世界でいちばんクラシックのコンサートが多い都市だそうで、限られたクラシックファンの数に対して、どうしても供給過多になりがち。「チケット・ポンテ」は空席をそのまま残して公演するよりも、残った席は気軽に購入できる機会を作り、クラシックのコンサートを楽しむ人が増えてほしい、という意図で始めたサービスだそうです。
考えてみると、ロンドンやニューヨークの場合、いわゆるハーフプライスショップと呼ばれる開催直前のオペラやクラシックのチケットを半額で売るショップが多くあって、「せっかくロンドンに来たしオペラでも見るか」というライト層はこういったハーフプライスショップにお世話になって公演を見るケースが多いのではないでしょうか。しかし、「世界一公演が多い」はずの東京ではハーフプライスショップはあまりみかけません。これらの都市と違って演奏会場が分散している東京の場合、どこか1カ所にショップを設けることが難しいという地理的な事情もあるそうで、インターネットで提供する方法がベストなようです。
● 決済はサイトで、チケット引き換えは当日券売り場で
具体的な利用方法は、「チケット・ポンテ」のホームページ( http://www.tponte.com/ )にアクセスし、画面左に並ぶ「会員登録はこちらから」より無料の会員登録を行ないます。登録が済んだら、画面右の「チケット」から購入できるチケットをチェックし、行きたい公演の「詳細・購入」をクリック。
「チケット詳細」ページでは、コンサート内容の詳細や、開場時間、チケット引き渡し開始時間などもチェック可能。「希望購入枚数」に枚数を指定して「購入」ボタンをクリックすれば、カード決済に進めます。決済額は、チケット代金に、購入枚数1枚につき税込315円のシステム利用料をプラスした額。この決済を済ませれば、支払いは完了です。
実際にチケットが購入できるのは、公演前日のお昼12:00まで。購入が完了するとホームページやEメールで「確認番号」が発行されるので、この番号を持って公演当日に当日券売り場に行き、番号と名前を伝えてチケットを引き渡してもらいます。
ただし、「チケット・ポンテ」の場合、A席、S席などの席の種類はありますが、どの座席になるかは当日主催者側が割り振るため、チケットを引き替えるまでわかりません。複数枚購入するときはたいてい隣の席になるよう配慮されるそうですが、ごくまれに席が離れることもあるそうで、公演情報に「ペア」というアイコンがあるものは必ず隣同士の席が用意されるという確約がある公演です。
チケットの引き渡し自体は開演ぎりぎりでも可能ですが、主催者側は窓口に来た順番に席を振り分けていくそうなので、特に「ペア」の確約がない公演で隣同士になりたい場合などは、少し早めに行った方がよさそうです。
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登録されているチケットの数は時期によってかなり流動的。「チケット・ポンテ」の名前を覚えておいて、ときどきチェックするのがおすすめ
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会場の当日券売り場で「確認番号」と「名前」を伝えるとチケットが手渡される。すでに「チケット・ポンテ」で決済は終わっているので現金のやりとりはない
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● 「週末に、ふらっとクラシックコンサートへ」が実現できる格安価格
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今回行ったのは「デイヴィッド・ギャレット」というヴァイオリニストのリサイタル。お客さんは9割以上入っていて、空席は目立たず。プログラム最後はスケートの演目で何度も聞いた「チャルダッシュ」。生の演奏で聞けて感動しました
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いいサービスなのにこれまであまり知られていないのは、「あまり宣伝せずに、自然に広めていきたい」という運営側の意図もあったよう。海外では一般的でも、日本ではまだまだハーフプライスショップの登場による“買い控え”を心配する主催者も多いようです。
ただ、実際に使ってみると「今週末突然時間ができたけど、クラシックコンサートでも聴いて癒されたい」と思うような、私のようなライト層にはぴったりのサービス。「チケット・ポンテ」に話を聞いたところ、演奏会が売り切れるかどうかは、広報活動や話題性も大きく影響するそうで、お客さんの数=感動の大きさ、となるわけではないとのこと。クラシックに限らず、たとえばスポーツの試合などでも同じことは言えますから、納得できる話です。
この「チケット・ポンテ」のシステムだと、定価では行っていなかったかもしれない、掘り出し物のコンサートに出会える可能性もありそうです。ひとりで行きにくい公演でも、半額なら友人も誘いやすいですし、浮いた分、公演後にその演奏家のCDを購入できるかもしれません。
こんなことと比較するとクラシック好きな方には怒られるかもしれませんが、実は私はもともとハードロックのコンサートとか、プロレスの興行とか、サッカーの試合なんかによく行くほうで、絵画展なども大好き。要は「ライブ好き」なタチなのですが、サッカーやプロレスだってテレビよりスタジアムで見た方が断然楽しいし、画集で見るより本物を見る方が絵画の迫力を感じられます。同じように、クラシックもやっぱり「生で演奏を聴く楽しさ」はCDで聴くのとは別のもの。「チケットが高いから」という理由でクラシックのコンサートに行けなかった方には、「チケット・ポンテ」でのクラシックコンサート体験をおすすめしますよ。
■URL
チケット・ポンテ
http://www.tponte.com/
西村敦子の「使える! まる得サイト」バックナンバー一覧
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/marutoku_backnumber/
2007/04/13 13:42
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西村敦子(にしむら あつこ) 1973年東京都生まれ。IT系出版社を経てフリーライター兼編集者に。「お得」「半額」「限定」に弱く、お得サイトを見つけては知り合いにメッセンジャーで送りつけている。ブックマークからリアルの机の上まで、整理が苦手なのが悩み。 |
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