● JR東海ツアーズにもある、超お得な「ツアー扱い」の新幹線利用プラン
国内をひんぱんに旅行していると、新幹線の便利さを実感します。とくに東京~名古屋~大阪間では、JR東海グループの「JR東海ツアーズ」が発売するお得なチケットや旅行プランを活用すると、かなりお得に旅行できます。
以前、この連載でJR東日本系の「えきねっと」で発売されている激安プラン「驚値(おどろきダネ!)」をご紹介しましたが、これは2名1組からの宿泊プランのみ。新幹線だけのプランというのはなかったのですが、JR東海ツアーズのプランには、宿泊なしで、新幹線代(1ドリンク券付き)だけなのにお得になるプランがあります。それが、「ぷらっとこだま」。JR東海ツアーズの窓口でも申し込める、かなり知られたお得なプランなのでご存じの方も多いと思いますが、ネットを使うと残席確認や申し込みがさらにラクなので、そのほかのJR東海ツアーズの宿泊プランや日帰りプランなど、お得なプランとともにご紹介します。
● 新幹線を気軽に使える「ぷらっとこだま」
「ぷらっとこだま」は、新幹線の「こだま」の指定席の利用と1ドリンクがセットになったもの。東京~新大阪駅間で利用でき、大人1名から申し込みができます。
料金は通常期と繁忙期、普通車指定席とグリーン車で違いますが、たとえば通常期の普通車指定席であれば、東京~新大阪間が10,000円と、片道3,750円もお得。また、名古屋へはプラス1,000円、京都・新大阪へはプラス1,500円でグリーン車指定席にも乗車できるので、グリーン車指定席の東京~新大阪間でも11,500円。なんと片道6,890円もお得になります。
もちろん、東京~新大阪間を約2時間35分で結ぶ最速の「のぞみ」に比べると、各駅停車の「こだま」で新大阪まで行くと4時間近くかかり、値段よりも時間を求める方にはもちろんおすすめしません。ただ、たとえば東京~静岡間で通常期の普通車指定席6,180円が4,500円、往復で3,360円も割引になり、時間も片道1時間半で到着すると考えると、十分実用的。
のぞみと比べると遅くても、在来線に比べれば格段の差。私の場合、静岡や名古屋へ出かけるときはよくこのプランを使っていて、普通車が売り切れで取れないときはときどきプラス1,000円出してグリーン車指定席を使いますが、のぞみでは手が届かないグリーン車も、こだまなら気軽に使えます。快適さはやはり格段で、備え付けのブランケットや広い机、静かな車内はグリーン車ならでは。ノートPCでの仕事もよくはかどった記憶があります。
注意しておきたいのは、この「ぷらっとこだま」は、JR東海の乗車券ではなく、JR東海ツアーズが発売する「募集型企画旅行」であること。そのため、JR東海の窓口では購入できず、JR東海ツアーズの支店か、JR東海ツアーズのホームページへ申し込みます。購入は片道から可能で、もちろん往復でも購入可能。ネットを使えば座りたい側の窓際の指定や、並びの確保なども簡単です。
● 「e-ぷらっとネット」で座席指定も簡単
「ぷらっとこだま」をネットで購入する場合は、JR東海ツアーズの「e-ぷらっとネット」から行います。最初に無料の会員登録をし、普通車指定席の「ぷらっとこだまエコノミープラン」か、グリーン車指定席の「ぷらっとこだまグリーン車エコノミープラン」かを選んで、ログインしてから手続きを開始します。
購入手続きは、STEP1から8まで手順に沿って「次へ」をクリックして進めればOK。STEP1では乗車日や乗車駅・降車駅などを選びますが、「e-ぷらっとネット」で予約できるのは、1カ月前から5日前まで。プルダウンで選べない直近の日付は受付が終了しています。ちなみに、JR東海ツアーズの窓口では残席があれば前日まで申し込みができるので、電話で在庫を確認してから、窓口へ直接申し込むといいでしょう。
STEP2では、選択内容に合わせて、空席状況を確認できます。普通車プラン、グリーン車プランごとに、禁煙席と喫煙席それぞれの空席がわかるので、空席があれば選択可能。STEP3で人数や座席の位置を指定します。海側の窓側がいいのか、富士山側の窓側か、通路側かなどイラストを参照しながら細かい指定ができる、わかりやすいシステムです。
その後、確認→支払手続きと進みますが、支払い方法はクレジットカードのみで、振り込みや現金払いはできません。最後に、チケットの送付先などを指定します。送料200円がかかりますが、指定した送付先へ通常翌日には発送されます。最寄り駅やJR東海ツアーズの窓口での受け取りはありません。
ちなみに、この予約システムが利用できるのは5:30~22:45まで。ただし、予約開始は乗車日の1カ月前(前月の同じ日)の11時からなので、予約が集中しそうな日を狙うときは、1カ月前の午前11:00を狙うのをお忘れなく。
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指定した日付のぷらっとこだまプランの残席を一覧表示できます。○や残席数のリンクをクリックすると座席指定に進みます
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海側か、富士山側か、3列席か2列席かなどわかりやすくイラストで表示されているので指定しやすくなっています
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● 乗車券でないための制約事項に注意
価格が魅力の「ぷらっとこだま」ですが、注意点もいくつかあります。いちばん大きいのは、どの駅からでも使えるわけではないこと。使用できるのは、「東京・品川」「新横浜」「静岡」「浜松」「名古屋」「京都」「新大阪」に限られます。また、座席数は限定されているので、新幹線自体に空席があっても、「ぷらっとこだま」の空席はもうない場合もあります。沿線で大きなスポーツ興業やイベントがあるときは早めに押さえることをおすすめします。
また、前述の通り「ぷらっとこだま」はツアー扱いで乗車券ではないので、通常の特急券にあるさまざまなサービスのなかで、使えないものもあります。たとえば、指定席を予約した新幹線に乗り遅れても、特急券なら次の新幹線の自由席に乗ることができますが、「ぷらっとこだま」の場合は無効となり、払い戻しはありません。個人的には、「寝坊したらどうしよう」といつもドキドキしながら使っていますが、いまのところ無効にしたことはありません。
さらに、「ぷらっとこだま」は途中下車や途中乗車はできず、指定の区間乗車しないと無効になります。乗車券なら東京や新大阪などターミナル駅の周辺数キロの特定ゾーンで在来線を利用できますが、ツアーは指定駅より先はきっちり別料金です。
これらの制約があっても、条件が揃えばやはりかなりお得。ネットの事前購入なら、混雑した店舗に並ぶ必要もありません。
● 日帰り観光ならお得なクーポン付きの「日帰り1dayプラン」がイチオシ
ここまでに紹介した「ぷらっとこだま」以外にも、使い方によってお得なプランも多数あります。
首都圏から近畿地方へ土日などに日帰り観光したいときに便利なのが「日帰り1dayプラン」。「日帰り1day奈良」「日帰り1day京都」「日帰り1day大阪」などいくつかプランがありますが、どれも限定のひかりと限定ののぞみが使えるお得なプランで、「ぷらっとこだま」並の安さで往復にのぞみが使え、さらに3,000円相当の食事やお土産、観光タクシーに使えるクーポン付きのプランです。たとえば「日帰り1day京都」なら東京・品川発でひとり往復19,800~21,300円。
往路で使えるひかりやのぞみが、朝6:00~7:00台前半の早朝に限定されるのが難点ですが、復路はどの列車でも指定できるので、丸一日しっかり遊べます。
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ツアーのラインナップは、上部の「国内旅行」ボタンをクリックし、出発地をタブで選択。目的地を選んでいくと、さまざまなプランから検索結果が表示されます
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店頭で配布されているパンフレットを、ホームぺージ上の電子パンフレットでチェックできます。「日帰り1dayプラン」は「レールプラン」に掲載されています。クーポンの特典チェックにはこのパンフレットが便利です
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● 近畿地方の一泊プランなら、「お得だ値!」が必見
JR東日本系の「えきねっと」で発売されている激安プラン「驚値(おどろきダネ!)」と同じように、JR東海ツアーズにも「お得だ値!」という格安の一泊プランがあります。
たとえば、限定のひかり号を使い、東京・品川から出発。京都東急ホテルに一泊するツアーが、2名1室でひとりあたり20,800円から。通常は、ひかりで東京・品川から京都までの往復をするだけで26,440円からですし、前述の「ぷらっとこだま」を使っても19,600円以上かかります。飛行機を含めた国内旅行プランで見比べても最安値に近く、とくに京都など新幹線の利用が便利な場所の観光にはイチオシです。
JR東海ツアーズのホームページは、意外に掘り出し物のプランが多い、お得なサイト。とくに、首都圏~関西圏の新幹線を使う旅行なら、必見のサイトです。また、JR東海ツアーズのこれらのお得なプランには、繁忙期にもきちんと設定があるのがいいところ。ゴールデンウィークまっただなかですが、今度は夏にかけて、旅行プラン作りに役立ててみてください。
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たとえば、「おトクだ値 京都 京都東急ホテル」なら限定ひかり号での京都往復チケットに2名1室の一泊と1ドリンク引換券付きで、ひとり20,800円~。さらにプラス1,500円で宿泊先を京都全日空ホテルに、プラス2,000円でリーガロイヤルホテル京都に……など、細かなプラン変更も可能です
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関連情報
■URL
JR東海ツアーズ
http://www.jrtours.co.jp/
西村敦子の「使える! まる得サイト」バックナンバー一覧
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/marutoku_backnumber/
2008/05/02 13:40
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西村敦子(にしむら あつこ) 1973年東京都生まれ。IT系出版社を経てフリーライター兼編集者に。「お得」「半額」「限定」に弱く、お得サイトを見つけては知り合いにメッセンジャーで送りつけている。ブックマークからリアルの机の上まで、整理が苦手なのが悩み。 |
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