● 面倒なアルバム作りが必要なし! 普段使いできる価格の製本
この連載でも過去何度か格安のネットプリントサービスを紹介してきましたが、たくさんプリントしている方ほど、プリントした写真の整理にも悩んでいるのではないでしょうか。
私もプリントしてすぐにファイルに入れるようにはしているのですが、ついつい整理を怠って、箱や袋に入れっぱなしになってしまうことがたびたびあります。ファイルに入れていない写真は人にも見せにくいですし、見せるたびに指紋が付くのが気になる方もいるでしょう。
また、旅行やイベントごとになんとかファイルに入れたものも、枚数が違うため同じ種類のファイルで揃えきれず、並べてもバラバラで、どうしてもしっくりきません。そんな風に悩んでいたときに見つけたのが、今回の「オートアルバム」です。
アルバム作成サービスとして有名な「マイブック」を運営するアスカネットのサービスで、まさに「マイアルバム」をぎゅっと簡易的にしたようなサービス。その分価格もずっと安めで、普段使いにおすすめできるお得なサービスです。
● 1枚あたり16円~! のお得な料金体系
オートアルバムで作れるのはA4横長タイプ(293×214mm)とA5縦長タイプ(151×214mm)の2種類。A4横長タイプには1ページに4カット入り、A5縦長タイプには2カットが入ります。2カット分のスペースに1枚を拡大するような指定はできず、すべて同じL版サイズでプリントされます。
どちらも表紙がしっかりハードカバーになった上製本で、背幅は11mm。表紙デザインはカスタマイズできず、24種類のパターンから選んで指定します。ページ数は8ページから作成でき、最大で80ページ。写真点数によって2ページずつ増やすことができます。ちなみに、貼り付ける画像は、1枚オーバーしただけでも2ページずつ追加されてしまうので、現実的にはA4なら写真8枚、A5なら写真4枚を単位にして増減させることになるでしょう。プリントできる最大の写真枚数は、A4サイズで320枚、A5サイズは160枚です。
このオートアルバムのプリントは、銀塩プリントされるネットプリントとは違い、高性能のオンデマンド印刷機を使ったもの。さすがに銀塩プリントと比べると違ってプリントの粗さも感じますが、雑誌の誌面のような感じで、UVニス加工されている厚めの紙なので裏の写真が透けるようなことはありません。
それぞれの「サンプルと価格」を見るとわかりますが、A4横長タイプは8ページ(写真枚数32枚)1,575円~、A5縦長タイプは8ページ(写真枚数16枚)1,239円~になります。
最小の8ページでは、A4でも1枚あたり50円近く、A5では1枚あたり77円弱になってしまいますが、たとえばA4タイプで26ページ(写真枚数104枚)で2,510円、50ページ(写真枚数200枚)で3,612円、76ページ(写真枚数304枚)で4,788円という料金体系なので、それぞれ100枚なら約25円、200枚なら約18円、300枚なら約16円と1枚あたりの価格は下がっていくわけです。
ネットプリントではL版が10円前後でプリントできるので、さすがにそれよりは高くなりますが、ハードカバーに製本できて1枚あたり約16円なら、街中のDPEショップに出すよりは安いわけですから、十分納得できる価格。ある程度枚数がまとまっている旅行写真や、子どもの成長記録、ペットの写真や、趣味のフラワーアレンジメントの作品記録など、さまざまな写真をすっきりまとめておくのに最適です。
● 作成してから2~3日で届くスピードの早さも魅力
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宅配便を指定したところ、「セーフティーサービス」なるシール付きで佐川急便で届きました。作業は手渡し、営業店での保管は貴重品室で管理されるサービスだそうで、梱包はボール封筒に入っただけの簡素なものですが、ていねいに扱われているのか表紙の凹みなどはまったくありませんでした
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オートアルバムの利点は、届くまでのスピードの早さにもあります。平日の午後1時までに注文したものは翌日には発送されるため、たとえば月曜日の昼に注文したアルバムは、最速で水曜日には手元に届くことになります。
配送先は自宅以外にも指定できるので、作ったアルバムを直接プレゼントするのにも便利。子ども連れで田舎に遊びに行ったときの写真を両親にプレゼントするなんていう使い方にはぴったりでしょう。
配送には宅配便(全国一律420円)とメール便(全国一律158円)が選択できます。ただし、メール便は1冊のみ注文し、クレジットかコンビニ決済の場合のみ利用が可能。ご存じの通り、オートアルバムからの配送が早くても、メール便の場合プラス2~3日かかるので、急いでいるときには宅配便の方が断然早くておすすめです。
アルバムには、注文した画像をCD-ROMに保存してアルバムに添付するサービス(420円)もありますから、同時にデータのバックアップを取っておきたい方にはおすすめ。誰かにプレゼントとして渡すときにデータも一緒に渡したい、という用途にもぴったりです。
● 「マイページ」の使いこなしが必須
オートアルバムの注文は、まずはオートアルバムの「新規会員登録」から始めます。会員登録が完了し、ログインすると1GBまでアップロードできる自分用のWebアルバム「マイページ」に進みます。左にある「写真をアップロード」ボタンをクリックしてアップロードツールやFlashツールを使って写真をアップロードし、アルバムを作成。右上の「注文する」ボタンで注文作業に進みます。
基本的にはこれだけでアルバムができあがるのですが、いくら簡易的とはいえ、写真の並び方などは気になるところ。デジカメのEXIF情報があるものはその日付の情報を読んで順番に並びますが、もちろん並び方を調整することも可能です。
「マイフォト」メニューの「アルバム一覧/編集」でアルバムの「編集」ボタンをクリックし、右上の「画像並び替え」ボタンをクリックすると、プリント順に写真が並びます。左メニューの下に表示されているとおり、写真の並び順は左上、左下、右上、右下……というようにタテにジグザグに並びます。
ブラウザ上では並び順とは違って一気にヨコに並んでいるので多少見づらいのですが、ドラッグ&ドロップで写真の位置が入れ替えられるので、ブラウザのサイズを4枚や8枚が一列になるよう調整してチェックしていくと見やすいでしょう。
ちなみに、オートアルバムの場合、プリント範囲を活かすために、縦位置の画像もヨコに回転してめいっぱいプリントされます。そのため、1ページに横位置と縦位置が混在すると見づらいところがあり、可能ならある程度、縦位置と横位置でページを分けておくと見やすくなります。
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横位置の写真だけでまとめると見やすくなります。並び方は左上、左下、右上、右下…と上下にジグザグに並んでいます
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縦位置と横位置の写真が混ざると少し見づらいのですが、写真が小さくなるよりはいいかもしれません
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この並び順の次に気をつけたいのが、トリミングです。プリントされる1カットは124×87mmで、L版と同等のサイズ。そのため、コンパクトデジカメのDSCサイズの場合は上下がカットされ、一眼レフで一般的な横長のLWサイズは左右がカットされてプリントされます。
基本的にネットプリントでL版に出力したのと同じ状態で、自分が意図した画角と違うプリントになってしまうことがあるので、どうしても気になるときは、あらかじめレタッチソフトなどで比率をL版と同じサイズに調整しておくと安心です。画像の比率については「オートアルバムを作るときのご注意」に詳しく掲載されていますので参照してください。
最後に、「マイフォト」メニューの「アルバム一覧/編集」でアルバムをクリックし、「アルバムを見る」ボタンを押すと実際にプリントされる順番に並んだ紙面が確認できるので、ひととおり見ておくと安心です。ただし、この画面には実際に行なわれるトリミングは反映されていないようなので注意してください。
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注文のとき指定すると、EXIF情報の日付もプリントできます
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表紙がハードカバーの上製本で、背厚は11mm
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作成したアルバムは公開も可能。3カ月間保存されますから、その間Webアルバム的に共有することもできます。「ギャラリー」からほかのユーザーの公開アルバムを見てみると、いろいろなアイディアで活用している事例がわかります。
基本的にオートアルバムはJPEGファイルのみの対応で文字を入れて加工するなどの編集は行えないのですが、もちろん最初からレタッチソフトでJPEG画像に加工しておく分には自由です。
そのため、たくさんの写真を並べてインデックスを作ったり、写真に文字を入れたり、イラストをJPEGファイルにして入れたり、写真にフレームを付けたりといったことも工夫次第で自由自在。普段使いできる価格で、意外に使い勝手がいいオートアルバムは、覚えておくと便利なお得なサービスです。
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写真は提供されている専用ツールを使えば、まとめてアップロードできます。ちなみに、RAW画像から書き出した1枚10MBを超えるような大きな画像ファイルだと、ページ数によっては「マイページ」にアップロードしきれなくなりますので、その場合はあらかじめL版に十分な程度にリサイズしておく必要があります
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実際にプリントされる順番にプレビューできる画面があるので、最後に確認しておくことをおすすめします。また、マイページからアルバムの公開を設定すると、このプレビュー画面をWeb上で共有することもできます
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関連情報
■URL
オートアルバム
http://autoalbum.jp/
西村敦子の「使える! まる得サイト」バックナンバー一覧
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/marutoku_backnumber/
2008/05/16 14:35
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西村敦子(にしむら あつこ) 1973年東京都生まれ。IT系出版社を経てフリーライター兼編集者に。「お得」「半額」「限定」に弱く、お得サイトを見つけては知り合いにメッセンジャーで送りつけている。ブックマークからリアルの机の上まで、整理が苦手なのが悩み。 |
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