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マルウェアをダウンロード前に阻止、「マカフィー2010」に新機能


マカフィー インターネットセキュリティ 2010

 マカフィーは10日、個人向けセキュリティソフト「マカフィー2010」シリーズ3製品において、Webサイト経由で感染するマルウェアに対応する新機能を追加するほか、パフォーマンスやユーザーインターフェイスの改善を図ることを明らかにした。

 バージョンアップは12日から順次、マカフィーの個人向け製品ユーザーに対して、自動アップデートを通じて無償提供される。すべてのユーザーにアップデートが適用されるまでには4〜6週間程度かかる見込み。

 アップデート対象製品は「マカフィー ウイルススキャン プラス」(3台まで利用可能なダウンロード版は5040円)、「マカフィー インターネットセキュリティ」(同5775円)、「マカフィー トータルプロテクション」(同6980円)。パッケージ版はオープンプライス。

不正なファイルがダウンロードされる前に警告

マカフィーの葛原卓造氏(コンシューマ事業本部プロダクトマーケティングマネージャー)

 今回のバージョンアップではまず、ユーザーがWebブラウザーでダウンロードするファイルをクラウド上でスキャンし、「疑わしい」と判断された場合は警告を表示する「ウェブダウンロードプロテクション」を搭載した。

 同機能は、ユーザーがダウンロードするファイルの特徴を抽出したハッシュ値をマカフィーのデータベース「Active Protection(アクティブプロテクション)サーバー」に送信する。

 アクティブプロテクションサーバーは最新のマルウェア情報を収録しており、ユーザーがダウンロードしたファイルのハッシュ値を照合することで、マルウェアの疑いがないかをスキャンする仕組みだ。

 ウェブダウンロードプロテクションの利点についてマカフィーの葛原卓造氏(コンシューマ事業本部プロダクトマーケティングマネージャー)は、「ウイルス定義ファイルに反映されていない最新のマルウェアにも対応できる」と説明する。

 Webサイト経由で感染するマルウェアに対応する機能としてはさらに、WebサイトのURLやIPアドレスをもとに、悪意のあるWebサイトの表示をブロックする「URLレピュテーション」を追加した。

ウェブダウンロードプロテクションの概要 URLレピュテーションの概要

サイトアドバイザの“盲点”をカバーする

 なお、マカフィーは、GoogleやYahoo!などの検索結果に表示されるWebサイトの安全度を評価する「サイトアドバイザ」を提供中。同機能は、ロボットが定期的にWebサイトを巡回し、実際にファイルをダウンロードした結果などを安全度の評価に反映している。

 従来のサイトアドバイザに加えて、ウェブダウンロードプロテクションとURLレピュテーションを実装した理由について葛原氏は、「サイトアドバイザでサイトを巡回する合間に改ざんされたサイトなどに迅速に対応するため」と説明する。

 例えば、サイトアドバイザが「安全」と評価していたサイトが改ざんされ、マルウェアが埋め込まれたサイトへ誘導されるようなケースでは、サイトアドバイザの巡回のタイミングによっては、誘導先のサイトも「安全」と評価してしまう可能性がある。

 これに対してウェブダウンロードプロテクションは、誘導先サイトからマルウェアをダウンロードする前に警告を表示するとともに、URLレピュテーションは、改ざんされたサイトの表示をブロックすることで、ユーザーを保護するとしている。

 このほか、シリーズ3製品のうち上位2製品で、ユーザーが指定したファイルを自動的にオンラインストレージにバックアップする機能をサポート。ディスク容量は最上位版の「トータルプロテクション」が2GB、「インターネットセキュリティ」が1GB。

 オンラインストレージへのバックアップは、PCがアイドル状態になった時点で行われるため、ユーザーの操作を妨げることがないという。データは暗号化した状態でオンラインストレージに送信されるとしている。

スキャン時間を大幅に削減

操作画面

 パフォーマンス面では、ユーザーのPCがアイドル状態になるまで、定期的なアップデートやスキャンを延期する「スマートタイマー」を搭載し、PCの操作を妨げる影響を最小限に抑えたという。

 スキャン時間については、初回のスキャンで「安全」と評価されたファイルを次回以降はスキャンしない機能を備えたことで、2回目以降のスキャンにかかる時間が初回のスキャンと比べて8倍速くなったとしている。

 このほか、マカフィー2009製品と比べると、操作画面の起動時間を10倍以上、メモリ使用量を33%、必要なディスク容量を228MBから210MBに、プロセス数を9から6に削減するなど、PCへの負荷を最小限に抑えたという。

 ユーザーインターフェイス面では、各機能に簡単にアクセスできるようにするために、操作画面を従来の横長の長方形から縦長の長方形に変更。さらに、ネットブックなどの画面解像度の低いPCに合わせて、自動的に操作画面のサイズを変更する機能を搭載した。

SaaS型ビジネスモデルで店頭シェア10%獲得目指す

 なお、シマンテックやトレンドマイクロ、Kaspersky Labなどセキュリティベンダーは、9月から10月にかけて新製品をリリースするのが通例だ。各社は新製品にあわせて新機能を搭載することが多い。

 一方、マカフィーは11月に発売したが“商戦”を意識せず、大幅な機能強化については「ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)」として、年に数回の自動アップデートを行うかたちで対応している。

 SaaS型のビジネスモデルについてマカフィーの大岩憲三氏(コンシューマ事業部取締役)は、「年に1度だけ新製品を提供する他社との大きな違い」とアピール。今後はSaaSを浸透させ、現在1けた台の店頭シェアを10%に伸ばしたい考えだ。


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(増田 覚)

2010/2/10 15:14