「Firefox 6」正式版公開、URLのドメイン名強調表示機能などが追加


 Mozillaは米国時間16日、ウェブブラウザー「Firefox」の最新版となる「Firefox 6」の正式版を公開した。Windows版、Mac OS X版、Linux版が用意されており、Mozillaのサイトから無料でダウンロードできる。また、Android版についても同様にFirefox 6がリリースされており、Androidマーケットからダウンロードできる。

Windows版Firefox 6Android版Firefox 6

 Firefox 6では、タブをグループ化して整理できる「タブグループ」機能を使用している際の起動を高速化。ロケーションバーについては、URL中のドメイン名を強調表示するとともに、暗号化通信時に左端に表示されるドメイン名や運営者名を目立つように表示し、ユーザーが現在アクセスしているサイトを確認しやすくした。

 また、ウェブサイトの開発に役立つ機能として、サイト制作やデバッグ作業をブラウザー内で行える各種ツールを「Web開発」メニューに統合。JavaScriptコードをテストできる「スクラッチパッド」を新たに搭載し、サイトの分析ツール「Webコンソール」の改良を行った。

 Android版のFirefox 6では、Androidのルック&フィールに調和する新たなデザインを採用するとともに、フォントやボタンをタブレット端末向けに最適化。レンダリングの改良によりズームの高速化と文字の鮮明化を実現した。

 Mozilla JapanではFirefox 6の公開に合わせ、Firefoxがダウンロードされている地域を日本地図の上に光としてプロットするサイト「Firefoxの灯」を公開した。「Firefoxの灯」は2008年のFirefox 3リリース時に公開され、一時休止状態となっていたが、Firefox 6のリリースに合わせてサイトを再開。従来はFlash Playerを利用したサイトだったが、SVGやHTML Canvasなどのウェブ標準技術を利用したサイトにリニューアルした。

アドレスバーのドメイン名強調表示暗号化通信時の表示例
JavaScriptをテストできる「スクラッチパッド」ダウンロード状況を地図上に表す「Firefoxの灯」

6週間おきに新バージョンを公開、「Firefox 7」は9月27日公開予定

 Mozillaでは、Firefox 4以降については、6週間ごとに新バージョンのFirefoxをリリースする「高速リリースサイクル」を導入している。脆弱性の修正も原則として新バージョンに含める形で行われ、前バージョンに対するセキュリティアップデートは原則としてリリースされない。

 Firefox 6でも、Firefox 5以前のバージョンに発見された脆弱性の修正を行っているが、「Firefox 5.0.2」のような前バージョンに対するセキュリティアップデートは緊急の場合を除いては提供されない。現在Firefox 5を利用している場合は、今後数日以内にFirefox 6へのアップデートが自動的に適用される。

 一方、高速リリースサイクル導入以前のバージョンである「Firefox 3.6」については、継続してセキュリティアップデートが提供される。今回も、Firefox 6の公開と同時に、セキュリティ修正が行われた「Firefox 3.6.20」が公開された。Firefox 3.6は最短で2011年9月にはサポートが終了となる予定だったが、Mozillaでは現在、法人向けサポートの方針を議論しており、この方針が定まるまではFirefox 3.6のサポートを継続していくという。

 「高速リリースサイクル」に従って、次バージョンの「Firefox 7」は6週間後の9月27日に正式版の提供が予定されている。今後、Firefox 7はベータ版として公開されることになり、機能面では使用メモリの削減や起動時間の短縮、Sync機能の同期高速化、Canvasグラフィックスの高速化など、パフォーマンス面での改善が行われる予定となっている。


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(三柳 英樹)

2011/8/17 06:26