米Ford、自動車用APIプラットフォーム「OpenXC」の実験的公開を開始


 米Fordが“自動車用API”と呼ぶプラットフォーム「OpenXC」を、大学と一部開発者向けにベータテストとして公開したと発表した。

 OpenXCは、オープンソースのハードウェアとソフトウェアからなるプラットフォームで、リファレンスハードウェアとソフトウェアとしてArduinoとAndroidを採用。Fordの研究部門Ford ResearchとニューヨークのBug Labsが共同で開発が進めている。今回は大学と一部企業に限定する形でベータ版ツールキットを公開したが、将来的にはソースコードを一般公開する予定だ。

 OpenXCのハードウェア機器を対応自動車に差し込むと、自動車のリアルタイムデータを読み込み、アプリケーションで利用できる。読み込めるデータには、車輪の回転速度、角度、GPS位置、航行速度等、現時点で10以上の項目となっている。ただし、自動車の安全に関わるブレーキやハンドル操作等の制御ソフトウェアは操作できないように設計されている。

 今回ベータテストに参加しているのは、米国のMIT、スタンフォード、ミシガン大学、また米国のWeather Underground、インドのHCL Technologiesで、様々なアプリケーション開発が進められている。

 HCL Technologiesは、車の位置に応じて会議に遅刻しそうであるかを判断し、運転手のアドレス帳を読み取って、会議出席者に自動的にメッセージを送信する等のアプリケーションを開発している。

 その他の応用としては、自動車やトラック等の物流ネットワークを無線ネットワークに繋げることによる交通安全性向上、エネルギー利用の効率化、カーシェアリング、エンターテインメント、ヘルスケア等の分野で数々の応用があると考えられている。

 Ford ResearchのシニアテクニカルリーダーであるVenkatesh Prasad氏は「スマートフォンソフトウェアプラットフォームと同じように開発者に車を提供したら、開発者がどんなことができるか、OpenXCは我々に教えてくれる」とコメント、開発者たちのアイディアに期待を寄せる。



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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/2/20 06:00