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Skype、「リビングルームは非常に重要」Xbox Oneの機能と戦略を説明

 米Microsoftが21日に発表した「Xbox One」でSkypeの果たす役割が明らかになりつつある。「母親にXbox One購入を納得させる」というのだ。Skypeが戦略として現在の主戦場であるPCデスクトップやモバイルから、リビングルームにも本格進出することになりそうだ。

 Skype公式ブログは22日、前日のXbox One発表に関して詳細を説明すると同時に、Microsoft副社長はMicrosoftのデバイスとサービス戦略の成果だとして、Skypeが大きな役割を果たすとした。

 21日のXbox One発表では、「Skype for Xbox One」がXbox Oneのために特別に開発されたことが明らかにされていた。Skype公式ブログによると、Xbox Oneの新Kinectカメラによって、1080p HD画質で1対1のビデオ通話が可能になる。また「カメラの広角視野によって、誰もが座ったまま快適にチャットできる」と説明している。

 Kinectの新マイクはテレビの音を遮断し、話しているユーザーの声に集中するよう設計されているため、Skypeの話し相手が会話に集中できるという。また、Skypeで通話を開始する際には音声認識を使用できるので、指を動かす必要がないという。例として「Xbox Skype Mum」と言うだけで、母親へのSkype通話を開始できるとしている。

 そしてXbox Oneのスナップ機能によって、「Xbox Snap Skype」と話しかけると、Xbox Oneで再生しているコンテンツの横にSkypeが移動し、テレビやゲームを楽しみながら、同時にSkype通話ができる。

 Skype公式ブログでは同社の考え方として、「リビングルームは、我々とユーザーにとって非常に重要な場所となる。リビングルームは家族と友人が集まる場所で、Skypeの会話の大部分はリビングルームで行われることになるからだ。XboxにおけるSkypeの機能は、通信の未来に関する我々のビジョンに到達するための大きなステップとなる。我々は人々を中心に据えることによって、通信を人間の生活の側に引き寄せることに取り組んでいる。Skype for Xbox Oneは、まさにそれを実現するものだ」とコメントしている。

 同時に、Microsoftコーポレートコミュニケーションズ担当 コーポレートバイスプレジデントのFrank X.Shaw氏は、21日のXbox Oneが、2012年以来Microsoft CEOのSteve Ballmer氏が明らかにしていたMicrosoftのデバイスとサービス戦略の成果であると位置づけた。

 Ballmer氏は2012年の株主への書簡の中で、Microsoftの戦略として、「当社の消費者向けサービスを更新開発する時、我々はハードウェアの進化を最大限に活用する方法で、お互いを補完しあう方法で、人々が日常的に使用しているすべてのデバイスを統一する方法で行うことになる。箱から出した瞬間に、顧客はユニークなコミュニケーション、およびMicrosoftと世界中のパートナー企業や開発者からのサービスやアプリケーションによってもたらされる生産性向上とエンターテイメントサービスにアクセスできる素晴らしいデバイスを手にできる」と述べていた。Xbox Oneはまさにこれを体現していると言えそうなデバイスだ。

 またShaw氏は、Skype for Xbox Oneについて「このサービスこそ、私の母親に“リビングルームにはXbox Oneが必要だ”と納得させることのできるサービスだ」と述べ、Microsoftの広義のリビングルーム戦略にもSkypeが大きな役割を果たすだろうことを示唆している。

(青木 大我 taiga@scientist.com)