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世界の地表がくっきり丸見え、Google Maps/Earthの衛星画像から雲が消える

 米Googleは26日、同社の地図プロダクトにおいて新たな衛星画像を公開したと発表した。世界中の空から実質的に雲を除去するなどして、地表のテクスチャーがはっきりと確認できる画像だという。「Google Maps」「Google Earth」から閲覧できる。

 人工衛星「ランドサット7号」が撮影した数百テラバイトのデータをもとに、「Google Earth Engine」技術によって地球全体をカバーするシームレスな画像を生成した。1ピクセルが地表の15mに相当する解像度のもので、画像サイズは8000億ピクセル(800ギガピクセル)という巨大さだ。

アップデートされた衛星画像の全体像(Google Maps公式ブログより画像転載)

 ランドサット7号からの画像は、同衛星の初期ハードウェア障害によって、すべてしま模様が入ってしまう状態になっているというが、Googleでは多数の画像を解析・合成することで、そのしま模様を取り除くことに成功。同様にして天候の影響も除去し、常にどこかで雲が出ているような熱帯地方でさえも、雲が写っていないクリアな画像になっているという。なお、しま模様の影響を除去し切れていない地域もまだ若干あるとしている。

ランドサット画像のしま模様を除去した例(スペイン・カスッテロ、Google Maps公式ブログより画像転載)
雲を除去した例(インドネシア・パプア、Google Maps公式ブログより画像転載)

 Googleは5月、TIME誌などと共同で、1984年から2012年までの地表の変化を衛星画像のコマ送りで見られるサイト「Timelapse」を発表している。そこで使われている画像は、ランドサットがこれまで撮影してきた画像の中から、雲のないクオリティの高いデータを地球のあらゆる地点で各年について抽出し、合成したもの。今回公開した衛星画像もこれと似たプロセスで作ったとしている。

 また、可能な限り直近の画像を優先して使ったため、ロシアやインドネシア、中央アフリカなど多くの地域で最新状況を反映した画像にアップデートされているという。

 Googleでは、今年初めに打ち上げられた「ランドサット8号」によって、今後さらに美しい最新の画像が撮影されると説明している。

(永沢 茂)