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米Mozillaの新CEOにChris Beard氏、暫定CEOからそのまま正式CEOに

 米非営利財団Mozilla Foundation傘下の米Mozilla Corporationは28日、Mozillaの新CEOとして、現在暫定CEOであるChris Beard氏を指名したと発表した。

 Mozilla Corporationの取締役会長であるMitchell Baker氏は、「Mozilla取締役会は、多くの内部および外部の候補者を検討したが、我々が会った中で彼よりもぴたりと合う人は誰もいなかった」と選考の経緯を簡潔にコメントした。

 Mozillaは3月にBrendan Eich氏をCEOに指名したが、彼の過去の発言や政治的活動を理由に4月には辞任することとなった。一方、Beard氏は当時、ベンチャーキャピタルGreylock Partnersに所属していたが、急きょ古巣であるMozillaに戻り、それ以降、暫定CEOを務めていた。

 前CEOのEich氏が輝かしいエンジニアとしての経歴を持っていたのに対し、Beard氏は主にマーケティング、経営、組織管理畑を歩んできた点が異なっている。

 Beard氏はカナダのオタワ大学で経済学と生化学を専攻した後、英国エジンバラ大学で国際ビジネスのMBAを取得。その後、HPやLinuxcareなどでマーケティング業務などに携わり、2004年にMozilla創業メンバーに加わってFirefox立ち上げに尽力した。Mozillaでも主にマーケティングに携わり、2013年にGreylock Partnersに加わるまではチーフマーケティングオフィサー(CMO)を務めていた。

 Baker氏は、新CEOのBeard氏について「彼は、我々の製品が少しでも関係するようなすべての顧客層、つまり消費者、パートナー、コミュニティのメンバーをつなげていくというユニークな経験を持っている。我々が、デスクトップのFirefoxからモバイルデバイスとサービスの世界に影響力を拡大していくに際し、Mozillaを率いるのに彼以上の人物はいるはずがない」と評している。

(青木 大我 taiga@scientist.com)