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2014年度の「オタク市場」規模、アイドル、サバゲーが大幅成長

 株式会社矢野経済研究所(YRI)は15日、国内の「オタク市場」に関する調査結果を発表した。同社専門研究員による直接面談および電話・FAXによるヒアリング、消費者アンケート調査、文献調査を併用している。調査期間は2015年8~10月。

アイドル、トイガン/サバイバルゲームが前年度比で二桁増

 2014年度の市場規模は、アイドル市場は前年度比37.4%増の1186億円、トイガン(エアソフトガンおよびモデルガン)/サバイバルゲーム市場は同10.8%増の144億円と前年度比で二桁増となった。また、1人あたりの年間平均消費金額において、最も高い消費金額を示したのは「アイドル」の7万4225円。次いで「鉄道模型」が4万9721円、「コスプレ衣装」が4万7530円。

女性ファン層の拡大やインバウンド需要でフィギュア市場拡大

 そのほかの各分野別動向を見ると、同人誌市場は前年度比3.4%増の757億円。ダウンロード販売が伸長し、市場を牽引した。フィギュア市場は前年度比1.4%増の316億円。円安による価格上昇の影響や、女性ファン層の拡大、旺盛なインバウンド需要(訪日外国人客の消費)などから拡大した。アダルトゲーム市場は前年度比6.4%減の191億円。不正利用や、参入事業者およびコンテンツの減少により、縮小傾向が続いているものの、縮小幅は緩やかになっている。ボーカロイド市場は前年度比3.4%増の90億円。前年度に引き続き二次創作が活発に行われており、市場は活況を呈しているという。また、「初音ミク」人気で関連商品の販売にとどまらず、ライブ活動が本格化することで拡大した。

オタクを自認・認知されているのは21.1%

 調査ではこのほか、全国の15~69歳の男女9862人を対象に、「自分を『オタク』だと思いますか、もしくは人から『オタク』と言われたことはありますか」という質問を行ったところ、全体の21.1%が「はい」と答えた。なお、オタクを自認・認知されている2080人のうち、既婚者層(過去に結婚有を含む)は37.9%、未婚者層は62.2%に上る。1世帯当たりの平均年収額に関しては、「鉄道模型」の約693万円が最も高く、最も低い分野は「アダルトゲーム」の約457万円だった。

(磯谷 智仁)