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インターネット接続不要のメッセージアプリ「bitchat」、抗議活動が続くイランなどで利用拡大

 Twitter(現X)の共同創業者で、米Block(旧Square)の最高経営責任者(CEO)を務めるジャック・ドーシー氏が開発した暗号化メッセージアプリ「bitchat」が注目を集めている。

 2025年7月に発表されたbitchatは、Bluetooth Low Energy(BLE)メッシュネットワーク上で動作し、モバイルデータ通信が使用できない環境であっても、近くの人とチャットができることが特徴のアプリ。現在も抗議活動が続き、政府によってインターネットが遮断されているイランのほか、同様の抗議活動が行われている国や地域においても、利用が拡大している状況が報じられている。

 作者のドーシー氏は、2019年にTwitter(当時)の社内プロジェクトとして分散型SNS「Bluesky」を立ち上げたり、2022年に分散型プロトコル「Nostr」にビットコイン14BTCをサポートしたりするなど、分散型プロトコルに興味を示している。過去に同氏はTwitter上で「最大の問題で、最大の後悔はTwitterが会社になってしまったこと」とし、Twitterを国や企業に所有されないプロトコルにしたかったと発言している。

 bitchatでは、こうしたドーシー氏の理念を反映していると見られ、電話番号やメールアドレスなどの登録も不要で、中央サーバーを必要としない設計になっており、物理的に近接しているデバイスのみを使用して通信ネットワークを作成することで、検閲耐性、監視耐性、独立性を実現している。このほか、ロゴを3回タップすることで全データを消去する「パニックモード」を搭載するなど、ユーザーの匿名性と安全性を守る設計になっている。

 インターネットが遮断されているケース以外にも、災害時や通信障害が見込まれる大規模イベントなどでの利用も想定されている。BLEメッシュネットワークのチャンネルのほか、インターネットに接続できる環境では、Nostr経由で近くまたは世界中の人とチャットできるチャンネルも利用可能だ。